元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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第37話 狩猟具の勇者死す?

俺が謎の暗殺者を追い払ったその後、キョウとアクセルの屋敷に入り事態を説明した。アクセルに奴が何者なのか尋ねた。

 

今後の作戦に支障が出る可能性がある早いうちに対応せねばならい……。

 

アクセルは酒を飲みながら答えた。

 

「あの三味線を使った奴なら心当たりがある」

「そいつの名前は?」

「【楽器の勇者・宮地秀正】って奴だ」

「宮地秀正……けど勇者の武器は破壊されないはずじゃ?」

「恐らくだが……ドッペルゲンガーのスキルを使ったに違いない」

「ドッペルゲンガーか……なら合点が行くな」

「秀正は後回しだ、今は絆の暗殺が最優先だな」

「ああ、キョウ、何か策はあるか?」

 

俺はキョウに尋ねた、するとキョウは地図を広げて説明を始めた。

 

「このレイブルから東に行くと奈落の滝壺と呼ばれる滝がある。そこに数匹の魔物をうろつかせてその滝壺をアジトと思わせ、隙を見て滝壺に落とす」

「なるほどな、なら悟空、酒呑童子、リファナ、その他諸々の魔物を連れて行こう、で?いつやる?」

「明日の明朝にやろう、この辺の明朝は霧が濃くて都合がいい」

「良し、ならそうしよう」

「夜中に悪かったな」

「別に構わないさ、なぁ、アクセル。この近くにフリーのドワーフ族はいないか?」

 

龍二はアクセルにドワーフ族の行方を尋ねた、今後はGゴブリン達の武器を奪うだけでは到底間に合わない、武器を作ってもらう鍛治職人は必須だ。

 

「ドワーフ族?うーん。なら、この街裏に行ってみたらどうだ?」

「裏?こんな幕末見たいな街並みにもスラム街見たいな所があるのか?」

「まぁな。ドワーフを雇う程潤っている店はあんまりないからな」

 

なら勇者であるお前が奔走するべきだろ、さすがはクズ2号だな。

 

「まぁどこの世界にも不況は付き物か、絆を始末してから行ってみるさ」

「なら明日に備えましょう」

「分かった、キョウ、俺は悟空達を連れてくる」

「はい、分かりました」

 

────────────────────────

 

翌日、俺は悟空達を連れて奈落の滝壺と呼ばれた所にやってきて霧の濃い中、俺達はアジトの様に見せ掛ける為に芝居をしていた。

 

「龍二様……寒いです!!」

「いくら芝居とはいえ……キツイな」

「バレなきゃいいけどよぉ……」

「キョウ達が上手くやってくれるさ、ん?どうやら来たみたいだな……滝の裏に隠れよう」

 

「「おう」」

「はいっ!ヘックシ!」

 

アクセル達の姿を確認した俺達は滝の裏に隠れると、キョウとアクセルは絆を呼び出して奈落の滝壺にたどり着いた。絆は辺りを見渡していた。

 

「こんな所にアイツらはアジトにしていたのか?」

「ええ、災厄の波に参加せず調べた甲斐がありましたよ。あの滝の裏が洞窟になっており、氷の女王が創った前線基地があります」

「昨日の夜から魔物が数匹確認出来た、その中には……孫悟空と酒呑童子もいたぞ」

「アイツら……どうする?3人で仕掛けるか?」

「増援を呼んだら気取られる可能性がありますからね、我々だけでやりましょう」

「分かった、降りられそうな場所を探そう」

「ああ、そうだな」

「見つからない様に気を付けて」

「俺に任せとけ」

 

絆は体勢を低くして滝を覗こうとした瞬間、アクセルは刀を抜いた。滝の轟音で足音はかき消されており、絆は気づかなかった。

 

「絆」

「なんだ?」

 

ズバッ!!

 

アクセルは振り向きざまに絆を斬った。斬られた絆は悲鳴をあげながら膝を付いた。

 

「きゃぁぁ!アクセル!?お前、なんのつもりだ!?」

「悪いな絆、お前がいると邪魔なんだよ」

「てめぇ……裏切りやがったな!?」

 

絆がスリングを構えると背中から爆発を起こした。

 

「ぐぁ!?キョウ!!お前までか!?」

「すいませんね、貴方が邪魔なのですよ」

「くっそぉぉぉぉ!!」

「じゃあな絆……死ねぇ!」

 

アクセルが刀を振り落とした瞬間絆は紙一重で刀をかわせたがバランスを崩して足を踏み外し、滝壺に落下していった。

 

「やりましたね」

「ああ、この滝ならまず助からない」

「ふふふ、そうですねぇ……龍二と合流しましょう」

 

 

絆は激流で自由を奪われ水中の岩に何度も顔や体を打ち付けた。運良く流れに乗った絆は川に流されながら沈んで行った……。

 

「キョウ!アクセル!殺ったか!?」

「ええ、まず助からないでしょう」

「まんまと騙されたぜ?」

「レイブルに戻ろうぜ」

「ああ、分かった」

 

俺達は霧が晴れないうちにその場を後にした。すると、奈落の滝壺から数キロ離れた岸に絆は流れ着いていた。するとそこへ……バックに白い水晶が付いた男が絆を抱き抱えて時空に穴を開けて立ち去る所だった。俺は予定通りレイブルに戻り鍛冶屋巡りをしていた、すると店の店主であろう男に無理矢理店から追い出されるドワーフ達の姿を目の当たりにした。

 

「ったくウチでは雇わねぇって言ってるだろうが!消えろ!ドワーフ!ったく魔物よりタチが悪ぃ」

「勘弁してけろ!オラ達は仕事をしねぇと食って行けねぇだ」

「店主さんおねげーだ!仕事を分けてけろ!」

「おねげーだ!」

「あーうるせぇ!とっとと失せろ!」

 

店の店主に殴り蹴飛ばされたドワーフを起こした俺は、ドワーフ達に声をかけた。

 

「おい、あんたらどーしたんだ?」

「仕事がねぇとオラ達……食ってけねぇだ……」

「あんたら鍛治職人なのか?」

「んだんだ!オラ達は鍛治職人だ!」

「なら俺のアジトで仕事をしてくれないか?食いぶちくらいは払えるぜ?」

「ホントけ!?旦那!?」

「ああ、同じ剣や防具を大量生産するだけだぜ?大丈夫か?」

「任せてけろ!オラ達は腕は確かだ!」

 

俺はクスクスと笑ってドワーフ達を立たせた。

 

ドワーフが一気に3人もスカウト出来た、こんないい条件はない

 

「歓迎しよう、付いてきてくれ」

「「「分かった!旦那さん!」」」

 

俺は地獄門を発動させてゼルトブルのアジトに案内してGゴブリン、オーク、コボルト、サハギンの剣や防具などの生産を任せた。

 

くくくく……残りは魔竜だけだ……。

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