元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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原作の魔竜の見た目をガラリと変えます!


第38話 魔竜の城へ

俺はその後ドワーフの鍛治職人達をゼルトブルのアジトへ案内させGゴブリンの装備作成の依頼を頼んだ。ジキル博士によるとドワーフ達は喜びながら作業に取り組んだらしい。

 

その後、俺達ははキョウ達と合流して魔竜の城へ向かう作戦を練っていた。

 

「最初に酒呑童子、悟空、俺、リファナの4人で魔竜に会いにいく、そして襲撃すると見せかけて共に魔竜を討ち取る。でいいな?」

「ええ、それで行きましょう」

「龍二が集めた魔物達はどうする?」

「…………他の魔物は増援として呼ぶつもりだ」

「そうですか、次の波は3日後なのでその前に魔竜を倒しましょう」

「おう、悟空、酒呑童子、リファナ、行くぞ」

「「おう!」」

「はい!」

 

俺は魔剣ストームブリンガーを背中に背負い酒呑童子と悟空の案内により魔竜の城へ向かって行った。その道中。

 

「ジメジメしてくせェな、これが死者の墓場か?」

「ああ、この辺にはゾンビがウロウロしているからな、噛まれるなよ?」

「へぇ……ゾンビねぇ……」

「龍二様、あそこにその……ゾンビさんがいますよ?」

 

龍二はリファナの指差す方向を向くとボロボロの服を身につけたゾンビがフラフラと歩いていた。

 

「アア……アア……」

「おー、○イオ○ザードっぽいな」

「はい?何を言ってるんですか!?」

「おいおい、ここらのゾンビは魔物だろうが、人間だろうが噛み付く」

「ア”ァ”ァ”ァ”ァ”!!」

「おい」

 

ゾンビが俺の腕に噛み付こうとした瞬間ギロリとゾンビを睨み付けると、ゾンビはピタリと止まった。

 

「なに!?」

「あー、知らないんだっけ?俺は下級の魔物までなら操れんだよ」

「そうなのか!?」

 

悟空は驚きを隠せず、俺に尋ねた。

 

「証明してやるよ、おいお前左腕を出せ」

「アア……」

 

ゾンビは俺の指示に従って左腕を出した。

 

「こいつは……すげぇや!!」

「あっそうだ!ついでに」

 

俺はポケットから注射器を数本取り出した、リファナは不思議そうに見つめた。

 

「龍二様?注射器なんてどうするんですか?」

「コレ?サンプルを採取すんだよ、ジキル博士に渡してカスタムして貰うのさ。コボルトやサハギンに使ったら強くなりそうだからな」

「なるほど、勉強になりますね!」

「よし、サンプル回収完了っと。お前もう行っていいぞ?」

「アア……」

 

ゾンビは頷きフラフラと歩き始めて俺達から離れて行った。俺達はその後、魔竜の城にたどり着いた。

 

「ここが……魔竜の城か?随分ハイカラじゃねぇか、もう少しボロボロのイメージがあったよ」

「そうか?魔物達を奴隷にしてるからな、修復させてるからそう見えるんだろ?」

「魔物を奴隷に?普通ここは人間だろうよ」

「魔竜は人間を恨んでいるからな、奴隷でも嫌なんだろうよ」

「フッ、しょうもねぇヤツだな」

「さっお喋りはここまでだ、作戦通りに行こう」

「はい!」

 

4人は作戦を開始する為に酒呑童子、悟空の後を追うように歩き始めて魔竜がいる部屋に入って行った。

 

「魔竜様、酒呑童子です失礼します」

「同じく孫悟空です、失礼します」

 

悟空達の後に入って行くとそこには全身黒と紫色の体色、肩には翼を守るようにそびえ立つ翼脚があり、巨大な玉座に横たわる大きな竜がいた。

 

「ご苦労じゃ、どうじゃ?我の宿敵勇者達を殺したのかえ?」

「はい、後残りは四聖勇者の札の勇者と鎌と扇の眷属のみです」

「ホホホホ……大義ぞ、その者達は何者かえ?」

 

魔竜は俺とリファナの方を見て悟空と酒呑童子に尋ねた。

 

「コイツらは異世界から来た魔物の龍二と、魔法剣士のリファナと言う者です」

「魔竜様、この者達のお陰で狩猟具の勇者を倒す事が出来ました」

「なんと!?あの絆を倒したとな!?」

 

魔竜は飛び起きて俺に近付いて来てクンクンと匂いを嗅がれた。

 

「ふむ、なかなか強そうじゃの。よし、我の親衛隊にしてやるぞえ?」

「はぁ……ありがとうございます」

「お主、名をなんと申すのじゃ?」

「福山龍二と言います」

「リファナと申します」

 

え!?さっき名前言ったよね!?

 

悟空と酒呑童子は呆れていた。

 

「ふむ、覚えたぞ龍二とリファナとやら、この竜帝の親衛隊になるのじゃ」

 

は?親衛隊って何?要は用心棒になれって事だろ?

 

俺は冷静を装って返事をした。

 

「はい、分かりました」

「はい」

「よろしい、ホホホホ親衛隊にさせるのじゃ光栄と思え?寛大な心を持つ所は我のいい所ぞ?」

 

「「はい……」」

 

俺とリファナは膝をつきながら酒呑童子達にアイコンタクトを送った。

 

(今だ!!酒呑童子!!)

(あいよ!)

 

「おっと、忘れておった。龍二に紹介したい者がおるのじゃ」

「はい?」

 

なんだと!?こんなの予定にねぇぞ!?

 

俺は一瞬動揺してしまったが、直ぐに冷静対応した。

 

「宮地秀正……出て参れ」

「秀正……?」

 

なぁにぃぃぃ!!?

 

魔竜が呼び出したのはレイブル国で襲った男とされている勇者、楽器の勇者こと……宮地秀正という男が現れた。

 

「どーも、”反乱者”の魔物……龍二さん」

「な……に?」

「龍二よ、秀正の言う通りなのかえ?」

「ちょっと待って下さい魔竜様、我々が反乱者と言う証拠は?」

 

「証拠ならありますよ?龍二さん」

「「!?」」

 

俺が後ろを見るとそこには、キョウとアクセルが武器を持った状態で立っていた。

 

「キョウ!?」

「アクセルさん!?」

「てめぇら……裏切りやがったな?」

「くくくく……魔物と手を組むと思ったのか?バカな奴らだ」

「絆に重症を負わせた上に始末出来たのですからね。あなた方には感謝していますよ?」

「ちっ……」

「こやつ等の言う通り、やはり貴様らは反乱者の様じゃの?ならば容赦はせぬぞ!!グオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

魔竜は大きく吠え、翼脚と翼を広げて俺達を威嚇し始めた。


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