元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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第42話 宇宙人スカッド

新魔王一行全員、戦闘態勢に入った。トゥリナはグラマー形態になって倭刀を構え尻尾を9本まで増やし、リファナはジーヴル・プリュ・フォールを発動させて氷のレイピアを構え、ドラグリアは両目を赤くさせて牙を生やした。ジキル博士はハイドと交換して巨大化し、悟空は魔力を解放、酒呑童子は角を更に伸ばした。バルバロは金棒をブンブンと振り回し、ワイズはナイフを数本ジャグリングしていてイムホテは呪文を唱え始めた。

 

そして、俺はスターブレイカーを装備して棘鉄球をブンブンと回転させた。

 

「『管狐』!」

「『フロコン・ドゥ・ネージュ』!!」

「『ブラッド・シェイドキック』!」

「うぉぉぉぉぉぉ!」

「ウキャァァ!」

「『鬼火烈火』!」

「びっくり★『ナイフジャグリング』★」

「『インペリアル・マミー』よ!かの者を滅ぼせ!」

「魔竜!力を貸せぇ!」

 

《はい!龍二様!》

 

「『アースクエイク』!!」

 

全員の一斉に攻撃を仕掛けたが謎のモンスターは両腕の篭手から刃物を出して管狐を切り裂き、ブラッド・シェイドキックを回避し、ハイドを蹴り飛ばし、フロコン・ドゥ・ネージュを砕きながら悟空を掴んで盾にし鬼火烈火、ナイフを防ぎ、インペリアル・マミーに向かってバルバロと悟空を投げ飛ばした後、スターブレイカーを両手で受け止めた。

 

「そんな……」

「こやつ、やりおるな」

「ぐっ、なんて強さだ」

「私のスピードに追い付いた!?」

「あっちぃ!!」

「すまねぇ悟空!」

「あらー★」

「我の使い魔を……!!」

 

「ちっ、めんどくせぇ野郎だ」

 

「カララララララ」

 

《龍二様、ここは私と龍二様で戦いましょう……あの者は多数との戦闘に慣れています、このままでは同士討ちなります!》

「それもそうだな……全員でやるよりはリスクは低いな」

 

俺はスターブレイカーからストームブリンガーに再びウェポンチェンジさせた。

 

「みんな、俺が奴と戦う!下がれ!」

「龍二!こやつは1人で戦える程ヤワではないぞ!」

 

トゥリナは倭刀を構えながら俺に言い放った。

 

確かにそうだが、ここで仲間を失いたくないのが本音。

 

「大丈夫、俺は死なねぇからな!」

「くっ……者共、下がるぞ……」

「龍二様……ご武運を!」

 

トゥリナ達は俺と謎のモンスターから離れた。

 

「魔竜……行くぞ!」

「はい!龍二様!」

「グオオオオオオ!」

 

俺の魔剣ストームブリンガーと謎のモンスターの両腕の刃物が激しい金属音を立て衝撃波を生み出した。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

「グオオオオオオ!」

 

ガキンガキンと魔剣を上から振り下ろしから振り上げてからの魔竜の翼脚のパンチをコンビネーションで殴った。

 

「『暗黒剣!Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ』!!『ドライファ・ダークネス』!!」

 

俺は暗黒剣とドライファ・ダークネスを放ち、謎のモンスターにダメージを与えた。

 

「グッ……ォォ……」

《何を休んでるの?まだ私がいますよ?はぁぁぁ!》

 

魔竜は休ませること無く謎のモンスターに追撃を繰り出した。魔竜の激しい連続パンチを豪雨の如くに殴り続けた。謎のモンスターは地面深くにめり込んだ。その衝撃も離れていたトゥリナ達にも届いた。

 

「なんという……」

「生きてんのかアレ!!」

 

謎のモンスターは脳震盪を起こしたのか動かなくなった。

 

《あら?もう終わりかしら?極上レアモンスターも大した事ありませんねぇ?》

「お前がやり過ぎなだけだろ」

《それは、お気になさらないで下さい》

「手応えはどうだった?」

《手応えはありました》

 

俺が陥没した穴を覗いた途端、謎のモンスターの腕が伸びて来た。

 

「ぐっ!!こいつまだ!?」

「カララララララ……」

《龍二様、何か持ってますよ?》

 

俺と魔竜が謎のモンスターの手に注目すると、何やら小さい黒板の様な物を持っていた。その黒板を見てみると文字が書いてあった。

 

『参った!』

 

「は?」

《え?降参したのでしょうか?》

 

筆談か?

 

俺が首を傾げていると普通に登って上がってきた。そしてまた黒板に何かを描き始め俺に見せた。

 

『俺の負け、あんたら強い』

 

《筆談の……様ですね》

「ああ、お前喋れないのか?」

 

コクリと頷く謎のモンスター。

 

いや油断させて騙し討ちをしてくる可能性がある警戒しなければ!!

 

『大丈夫』

「ホントだな?」

 

コクリ

 

『もう何もしない』

「どうやら戦闘意欲をなくしたようですね」

「龍二ー!大丈夫かー!?」

 

トゥリナ達も異変に気付いたのか、近付いてきた。

 

「終わったのか!?」

「ああ、降参するって」

「はい!?どういう事ですか!?あんだけ暴れておいて!?」

『ごめんなさい』

「おい、謝ったぞ」

「書くのはえーな」

「ジキル、出番だぞ」

 

ハイドは変身を解いてジキル博士に戻った。そしてジキル博士が質問をした。

 

「私はジキル、この方々の科学者をしております、貴方のお名前は?」

『宇宙人スカッド』

「スカッド?」

 

スカッドと名乗った宇宙人はコクリと頷く、宇宙人なのに喋れないのか……

 

「色々聞きたい事があります、よろしいですか?」

『うん』

「龍二さん、良いですね?」

「ああ、みんなも良いだろ?」

「良いけど……大丈夫なのか?」

「油断させて騙し討ちとかしねぇよな?」

 

酒呑童子は長巻を構え警戒した。そりゃそうだ、いきなり襲って来て降参とはありえない

 

『何もしない、ホント』

「念の為に悟空、酒呑童子、警戒しててくれ」

「「わかった」」

『警戒しすぎ』

「なんか……拍子抜けですね……」

「これまた濃いのが現れたのう……」

 

その後スカッドから事情を聞くと、俺たちが来る前に様々な人間が現れて攻め込まれたからまた来たのかと戦闘態勢に入ったらしい、スカッドは宇宙人の狩人と呼ばれており、成人の儀式の為にこの星来たと言う……来る星を間違えてると思うのだが……。

 

『という訳』

「なるほどな、そんで?いつ帰るんだ?」

『強い人間を倒したら帰れる』

「強い人間?」

『うん、君たち人間?』

「いや、俺達は魔物なんだ」

『通りで強い訳だ』

「なら……俺らと一緒に行かないか?」

『うーん……ちょっと君と話したい』

 

スカッドは俺を指を指して要求して来た。

 

話ってなんだろうか。

 

「わかった、みんなここにいてくれ、魔竜もいいか?コイツは一体化してて離れられないんだ」

『分かった、良いよ』

 

 

俺はスカッドが乗っていたロケットの中に入って行った。するとそこには……見た事のない道具だらけだった。

 

「なんだ……コレ……」

「凄い数ですね……」

『それは今まで集めた道具』

「そうなのか、話したい事って?」

『それは……』

 

───────────────────────

 

俺、魔竜とスカッドは話を終えて戻って来た。俺の顔は真剣その物だった。

 

「龍二様?大丈夫ですか?」

「あっああ、話は決まった仲間になってくれるってよ」

「ほんとか!?」

「おめでとうございます、龍二さん」

「宇宙人も仲間にするとは……流石は我が王」

「………………」

「イムホテさん?どうしたんだ?」

「怖い顔してどうしたんだ?」

「龍二様?なんのお話しをしてたんですか?」

 

スカッドはリファナに黒板を見せた。

 

『男同士の秘密』

「怪しいですねぇ……魔竜さんホントですか?」

《ええ、何も無いですよ?》

「勇者と決着をつけるまでの条件で仲間になってくれただけだ、気にするな」

「はい……分かりました」

 

リファナは少し納得しなかった様子で渋々下がった。

 

「さっ、息抜きした事だしフェイズ2に備えてゼルトブルに帰るぞ」

「「「「はっ!」」」」

「はーい★」

『了解』

 

俺達一行は幽霊船に乗り込み、新たな仲間宇宙人スカッドを仲間にする事が出来た。

 

いよいよもうすぐ女神が現れる、全員で戦わないと……。

 

俺達はカルミナ島を後にした。

 


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