緊張の中、オルトクレイは口を開いた。
なにやら考えがあるらしい。
「だが我々もこのまま黙って引き下がる訳には行かぬ、グラス殿、例の物は用意しておりますかな?」
「はい、国王様。すみませんが皆さんの部下をここに呼んでくれませんか?」
「部下を?」
「何をするんだ?」
「集まり次第説明しますので」
そう言われた4人は自分の仲間たちを呼びに行った。
「尚文様?この方々は……」
「知らない人もいるよー?」
ラフタリア、フィーロ、リーシア、マルドなどの仲間たちが玉座の間に入って来て各チーム毎に座った。すると、セインは訳を話した。
「実は……この中から眷属器の勇者を選びたいと思います」
「「「「!?」」」」
「どういう事なんだ!?眷属器はフォーブレイにあるんだろ?」
「いえ、眷属器と言っても我々の世界の眷属器です。刀、楽器、鎌、扇、本、鏡、船、銛です、聖武器の勇者は絆とシルディナ以外殺されてしまいました」
グラスは尚文の質問に答え、説明を続けた。
「眷属器には精霊が付いています、その精霊に選ばれると晴れて勇者になれるという事です詳しい話は省きますね」
なるほど、新たにこの中から眷属器の勇者を選ぼうという訳か……確かに今は猫の手も借りたい状況だ選ばれれば儲けもんだな。
「それでは……行きます、精霊様方……お願いします」
するとセインは大きなバックから6個の光の玉が現れて尚文達の上をクルクルと回り始めた。
精霊達も真剣に選んでいるようだ、すると俺のチームからはラフタリアとメルティ、元康からは1人、錬からのチーム、樹からは鎧を着ている奴が選ばれた。
ラフタリア 刀
メルティ 楽器
元康の女1 鏡
錬の所の女 本
鎧の男 船
残りの光の玉はバックに戻って行った。戻って行った精霊は好みの奴がいなかったのだろう
「尚文様!私の所に来てくれましたよ!」
「良かったな」
「私の所にも!!」
「良かったわね……メルティ……グス……」
女王の奴……泣いてやがる、まぁ無理もないか、他も見てみるとバカみたいにはしゃいでやがる
「今後も皆さんで力を合わせて精霊様に選ばれるように励んで下さい」
「今後は、各自で力を付けて」
「失礼します!」
女王とオルトクレイが話している最中に影が現れ、女王に耳打ちをした。すると女王の顔が青ざめて行った。
「ゼルトブルが!?」
「女王、何かあったのか?」
「ええ、各国に影を偵察に向かわせていたのですが……ゼルトブルで激しい戦闘が行われているそうです。そこで龍二という者が確認されました」
「なんだって!?」
「その戦闘により……ゼルトブルが壊滅したそうです……」
「そんな……ゼルトブルは傭兵の国ですよね!?」
樹は行った事があるのだろうか知ってる口ぶりだった。
「ゼルトブルの傭兵達は……恐らく全滅……でしょう」
「あそこには……子供も……うっ……」
ラフタリアは言いかけた途端吐き気に見舞われた。
想像するだけでもゾッとする……。
「ラフタリア、もっと力を付けて仇を取ろう」
「はい……」
するとオルトクレイが前に出て言い放った。
「ここでワシからの提案なのだが、この国で訓練などをしてはいかがだろうか?」
「訓練?」
錬と元康が首を傾げた。
「新たな眷属器の勇者も決まった事ですしな、ここは魔法と戦術などを学んで頂きたい勇者といえど戦闘ははっきり言って素人同然、相手も相手なのでここは原点に帰るという形でどうだろうか?」
「げ……まさか……」
「学べと言うのか……」
「異世界に来てまで学校の様な事をするのですか……」
するとラルクとグラスが見かねて元康達に向かって怒鳴り出した。
「お前らさ、弱いくせに何言ってんだ?」
「そうです、災厄の波の時なんて目も当てられませんでしたよ?」
「「「うっ……」」」
「盾のボウズはまぁ、いい線行ってるけどな」
「ほっとけ」
「という訳なので勇者様方、ご教授の方をよろしくお願いいたします」
オルトクレイは深々とグラス達に頭を下げた。
「ついでに我が兵士達も出来れば鍛えて頂きたい、では入りなさい」
「失礼します」
オルトクレイに呼ばれると絵に書いたような女騎士が玉座の間に入って来た。
「勇者方々お初にお目にかかれてうれしく思います、私の名はエクレール・セーアエットと申します」
女騎士も頭を下げて挨拶した。錬は一目惚れしたのか顔を赤くして見つめていた。
「なら早速今日からやろうぜ?戦闘は俺と金髪の騎士のねーちゃん、魔法関連はテリスとグラス、専門知識等はセインの兄ちゃんと絆で良いな?」
勇者達は頷いた。
「では今日からしばしこの城で勇者方は共同生活をして頂きますのでよろしくお願いいたします」
「「「「「はいっ!」」」」」
こうして異世界勇者連合が結成された。
勇者目線はこれで終了です!次回からの話しは数ヶ月経ちますのでご了承ください。