鳳凰が封印されている山を破壊した悟空、酒呑童子、ワイズ、スカッドは山の中心から現れた2羽の鳳凰と対峙した。
鳳凰は低空度と高高度に別れて飛び上がった。
「おーし、龍二の命令だ、鳳凰の羽根と骨などなど持って帰って来いってよ」
「わ〜★大きな鳥だね〜★」
「悟空、スカッドは高高度、低空度は俺とワイズで良いな?」
「カラララララ……」
「OK〜★酒呑童子君よろしくね★」
如意棒をトントンして鳳凰を見上げた悟空と酒呑童子は作戦を考えていた。
「龍二が言うには鳳凰は2体一対だから2体同時に殺さないと倒せないらしい、だからタイミング良くトドメを刺そう」
「おう、んじゃ殺っちまうか」
酒呑童子は長巻を構えた、他の3匹の魔物達も武器を構えた。
「キュイイイイイイイイイイイ」
「行くぞ!筋斗雲!スカッド、乗れ!」
悟空とスカッドは筋斗雲に乗り、高高度の鳳凰を目掛けて飛んで行った。
「こっちも行くぞ、ワイズ!!跳ねるやつ出せ!」
「はーい★」
ワイズはポケットからどういう構造になっているか分からないが袋を取り出し膨らませると大きな球体を作り出した。
「鬼ちゃん出来たよー★」
「おう!」
酒呑童子はボールの上に飛び乗り、そのまま跳ね上がり低空度の鳳凰に向かって行った。
「鳳凰は火属性……。ならこれだ!『夜叉車』!!」
酒呑童子は縦に高速回転して低空度鳳凰の翼を斬り裂いた。
「キュイイイイイイイイイ!?」
「へへ!効いたか!?」
「油断しちゃちゃダメだよー★」
酒呑童子が重力で落下してる瞬間に低空度鳳凰は炎の雨を降り注いで酒呑童子に集中砲火を浴びせた。
「ぐおぉぉぉぉ!」
「ほら言わんこっちゃない〜★ドキドキジャグリング★」
ワイズは小さめのボールを数個取り出すと酒呑童子に投げてぶつけた。
すると、ボールの中には液体が入っており、燃えていた体が鎮火した。
「なっなんだこれ……水か!?」
「そうだよー★大丈夫?」
「すまねぇ、ワイズ!」
ずぶ濡れになった酒呑童子は仕切り直し、ワイズと共に武器を構え直した。一方高高度鳳凰を担当していた悟空とスカッドは筋斗雲に乗りながら空中戦を繰り広げていた。
「スカッド!お前の肩に付いてるやつで撃ってくれ!」
「カララ!!」
ズギュュュュュュュン!ズギュュュュュュュン!
スカッドは肩に付いてる銃の様な物を発射して高高度の鳳凰に撃ちまくった。
「キュイイイイイイイイイイ!!」
「効いてるぞ!撃ちまくれ!」
ズギュュュュュュュン!ズギュュュュュュュン!
スカッドは連射して高高度鳳凰を撃ち落とそうとした、高高度鳳凰が弱り始めた。
「ギュ……ギュイ……」
「効いてる!酒呑童子!!そっちの様子はどーだー!?」
悟空は酒呑童子の様子を伺い下を覗いた。
「悟空ー!こっちはもう少し掛かりそうだ、待っててくれ!」
「猿くん!危ない!」
低空度鳳凰は酒呑童子を翼を羽ばたかせて吹き飛ばし、山に叩き付けられた。
「ぐはっ!!」
「鬼ちゃん!?大丈夫!?」
「このっ……」
「酒呑童子!!」
よそ見をしていた悟空達も高高度鳳凰に翼で叩き付けられスカッドと共に地面に叩き付けられた。
「ぐぇぇ!」
『大丈夫?』
「お前、それわざわざ書く必要あるか!?めんどくせぇから喋ろよ!」
地面にめり込んだ悟空は起き上がって立ち上がった。悟空の顔は怒りに満ちていた。
「酒呑童子!!俺はもうキレたぜ」
山にめり込んだ酒呑童子も顔に血管を浮き立たせて悟空の言葉に応えた。
「……ああ、龍二にゃ悪ぃがな。ウォォォォォォォ!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
酒呑童子と悟空は魔力を解放させて巨大な鬼と猿に変化した。大鬼と大猿になった2匹は高高度鳳凰と低空度鳳凰に向かって行った。
「「ヴォォォォォォォ!」」
「「キュイイイイ!?」」
大鬼になった酒呑童子は低空度鳳凰を掴みかかってそのまま殴り、マウントを取った。大猿になった悟空も筋斗雲に乗って高高度鳳凰を追いかけて行き、高高度鳳凰を捕まえた。
「悟空!行くぞ!」
「おうよ!酒呑童子!」
2匹の鳳凰を掴んだ大鬼と大猿は互いに向かって走り始め、鳳凰達を投げ合いそのまま2匹の鳳凰を渾身の一撃で殴り付けた。
「『鬼神爆裂拳』!」
「『岩猿爆豪拳』!」
悟空と酒呑童子の最強の技を繰り出された2体の鳳凰は首が折れたのか2匹の拳の中で息絶えていた。勝利を確信した2匹の大鬼と大猿は咆哮を上げた。
「わぁー★鬼ちゃん、猿くんやったね★」
「カララ!!」
その後、待機していた下級魔物達に解体作業をさせて悟空達は鳳凰国から後にしようとした……。だが。その鳳凰国には、小手の眷属器がある事に気付かなかった4匹、小手は祀られていた場所から光となって消えていった。
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その頃、フォーブレイ付近では予想もしない出来事が起きていた。麒麟を倒したトゥリナ組が解体作業をしていた時に起きた。
「リファナさん、前から聞きたかった事があるんですが良いですか?」
「なんじゃ?」
「あの、女性の魔物はその……みんな美人なんですか?」
「なんじゃ!?藪から棒に、そうじゃの〜噂に聞いた事があるが、他にも美人の魔物がいるようしじゃよ?」
「へぇー!どんな方なんですか?」
「実際に名前も知らんし、会ったことはないがリッチーとか?言うらしいぞ?アンデッドの王だとか?」
「へぇー、会ってみたいですね!」
ドッカーーン!!
麒麟の解体作業が終了した瞬間、爆発が起きた。ジキル博士は吹き飛ばされ、フランケンシュタインはリファナとトゥリナを庇っていた。
「なっなんじゃ!?」
「なんですか!?この爆発は!?」
「2人とも……危ない」
「フランケンシュタイン!そこをどくのじゃ!」
フランケンシュタインを振り払うと、コボルトの兵隊は全滅していた。
「これは……」
「そんな!ジキル博士はどこですか!?」
リファナとトゥリナが辺りを見渡した時に謎の男が立っていた。
「貴様か?妾達に仕掛けたのは?」
「うん」
「トゥリナさん!この方、物凄い魔力を感じます!貴方何者ですか!?」
トゥリナとリファナは武器を構えて警戒した。
「俺の名前は…… タクト=アルサホルン=フォブレイ」