元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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今日で最後の四凶武器、窮奇の篭手を手に入れます!


第51話 窮奇の篭手・ハーデス

ジキル博士の死後、俺達はフォーブレイが見渡せる丘まで辿り着いた。俺はイムホテと共に偵察するために岩陰から眺めて見ると、フォーブレイ周辺には近代的な戦車や飛行船などが辺りを警戒していた。

 

「見た事のない兵器だな」

「なぁに、あんなもん鉄の塊だよ」

「ほう?では、聞くがこの布陣をどうするつもりなのだ?」

 

俺は兜をかぶり、立ち上がった。

 

どうするかって?

 

「こうすんだよ」

 

俺は は指パッチンをすると丘全体に黒く禍々しい影に満たされるとそこからは亡者の尖兵、Gゴブリン、オーク、コボルト、サハギン達が現れた。

 

「お前ら、良く聞け。俺は最後の四凶武器を手に入れてからタクト一派に殴り込みに行く。悟空、酒呑童子、ドラグリア、スカッドを筆頭にして戦って欲しい。恐らくだが四聖教会本部か、七星教会のどちらかにあるはずだ」

「分かった、龍二……気を付けろよ!」

「タクトって奴の城で落ち合おう!」

「王よ……ご武運を!」

「いってきまーす★」

「カララ……」

「龍二よ、カースの技に気を付けるのだぞ!」

 

悟空達は各自散開して進軍して行った。

 

「魔竜、俺達も行くぞ」

《はい!龍二様!》

 

俺は翼を広げて空から攻め込んだ。俺を確認したフォーブレイ軍は飛行船から機銃で弾幕を張りながら迎撃して来た。だが俺は弾幕をすり抜け、何食わぬ顔をしながら飛行船を魔剣で切り裂き、飛行船を撃墜した。それに負けじとドラグリアも次々と飛行船を撃墜して行った。

 

目的地周辺に近付いた途端、四凶武器達が話しかけて来た。

 

《主よ、どうやら七星教会の方から奴を感じる!!急げ!》

「OK〜行くぜぇ!」

 

俺は急降下して行き、七星教会を見張っていた兵隊達を一蹴した。

 

「ここか、案内頼むぞ!」

《任せろ》

 

俺は教会の門を蹴り開けて突入し、四凶武器の案内により四凶武器を発見する事に成功した。

 

「禍々しい篭手だな。これが最後の四凶武器か?」

《左様、コレ!起きんか!》

《うるせぇなぁ……混沌の魔剣か?久しぶりじゃねぇか》

 

篭手が禍々しいオーラを放った途端喋り出した。

 

どうやら窮奇は少し若い神の様だ。

 

《そいつ、新しい魔王か?》

「ああ、黙って俺の物になれ、お前が最後の四凶武器なんだからよ」

《俺が最後か!はは!良くみんな集めたな!それだけでもすげぇよお前!気に入った!俺を使いこなしてみな!》

 

篭手は勝手に俺の腕に装備した。篭手の見た目は……黒い手甲の様な見た目であちこちに禍々しい棘が付いていた。手の甲の所には『魔』と書かれていて腕辺りには翼が生えた虎の魔物が描かれていた。

 

《俺の名は窮奇(きゅうき)の篭手ハーデス。我が魔王よ!俺達四凶武器を使いこなし勇者達を倒して見せよ!》

「勿論さ……ハーデス、よろしくな」

 

窮奇の篭手ハーデス LR 熟練度0

装備ボーナス 格闘攻撃威力(特大) 同時装備可能

装備ボーナススキル 『魔王翔吼拳』『悪魔(デビル)ブロー』

四凶ボーナス ???

 

「おいハーデス、四凶武器全部揃ったのになんで四凶ボーナスが解放されねぇんだ?」

《あーそれ?それは四凶武器を全て集めると……》

 

────────────────────────

 

俺はハーデスとストームブリンガーを装備した状態で七星教会から出て来た。

 

「さて……他の奴らどうしてるかな」

 

俺は念話で酒呑童子達に連絡を取った。

 

《おーい、聞こえるかー?》

《こちら悟空、もう少しで城に辿り着くぞ》

《酒呑童子だか、俺ももう少しだ!》

《ボクは城の裏側が見えるよー★》

《こちらドラグリア。今王の上を巡回しております》

 

どうやら無事の様だな、ゴブリン達が頑張って悟空達を先に行かせた様だな……マジでいい部下を持ったよ俺は。

 

《よし、窮奇の篭手は手に入れた!合流するぞ!!》

 

《了解!!》

 

俺達は再び合流してフォーブレイの城に辿り着いた。そこにはGゴブリン達が周りの兵隊達と戦闘を繰り広げていた。

 

「ギャウ!ギャウ!」

「何!?リファナ達がこの中にいただと?おい!リファナ達を探すぞ!」

 

俺達は城の扉を蹴破り、中に入った。

 

「ちぃ、この広さだと面倒だ。手分けして探すぞ!」

「分かった、どこにタクト達がいるか分からねぇからな!気を付けろよ!」

 

俺とイムホテは玉座の間へ向かうと、ドラグリアは地下、悟空と酒呑童子は左側城内部、スカッドは右側城内部、ワイズは城内の庭を捜索を始めた。

 

俺とイムホテは玉座の間に辿り着き、ドアを蹴り開けた。そこには、見た目は一言で表現するなら美少年。顔の作りが良く、髪は金髪、目の色は青、典型的な外国人って感じだった。

 

そう、コイツがタクトだ。ジキルを殺した張本人だ!

 

「おいタクト。てめぇがジキルを殺したのか?」

「やぁ、君が噂になってる不死身の化け物かい?」

「だからなんだよ」

「あっそうそう、リファナって子とトゥリナっていう子は俺が貰うからさ、帰ってくれる?君らだってまだ死にたくないだろ?」

 

タクトは舐めきった態度で俺に挑発して来た。するとイムホテが先にタクトに話し掛けた。

 

「貴様、フランケンシュタインはどうした?」

「フランケンシュタイン?ああ、このガラクタの事か?」

 

タクトはフランケンシュタインの首をボールのようにポンポン弾ませていた。それを目の当たりした俺は我慢出来ずに魔剣ストームブリンガーを振り下ろした。

 

「『デスブリンガー』!」

 

デスブリンガーの飛ぶ斬撃がタクトに向かって飛んで行くと、タクトの仲間達がバリアを張って攻撃を防いだ。

 

「おいおい、いきなりかよ」

「よくも俺の大事な仲間のフランケンを殺りやがったな。ぶっ殺してやる!」

「おいおい。良いのか?ここに来たならまずは他の仲間の心配しろよ」

「何だと?貴様、リファナとトゥリナを何処へやった!?」

 

イムホテがタクトに尋ねるとタクトはニヤニヤ笑いながら答えた。

 

「今頃仲間に別れの挨拶でもしてるんじゃないかな?」

「なん……だと?」

 

────────────────────────

 

俺達がタクトと話している時。ワイズは城内の庭先をくまなく探していた。

 

「おーい、リファナちゃーん、トゥリナちゃーん」

 

ワイズがキョロキョロしていると噴水がある所にレイピアを抜いているリファナを発見した。

 

「あっ★リファナちゃん!探したよー!龍二くんが待ってるよ?帰ろ?」

 

リファナが振り向くとニコリとワイズに微笑んだ。

 

「さっ、帰」

「『グラス・レーヌ・グルナード』!!」

 

リファナは……ワイズに向けて必殺技を繰り出した。完全に油断していたワイズは体を貫かれた。

 

「えっ……なん……で?……リファナ……ちゃ」

「『ネージュ・コンポゼ』 アン、ドゥ、トロワ、キャトル、サンク!」

 

リファナはワイズの体を無惨にも5連撃で切り刻まれてしまい、膝を付いた。

 

「そんな……リファナ……ちゃん……」

 

リファナは無言のままワイズの首を切り落とした。




次回タクトと決着を付けます。

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