俺達がタクトと睨み合う中。地下を捜索していたドラグリアはトゥリナとリファナを探していた。
「トゥリナ、トゥリナはいるか?リファナ、返事をしろ!助けに来たぞ!!」
ドラグリアは薄暗い地下を歩いていると、手足を拘束されていたトゥリナを発見した。
「トゥリナ!無事か!?」
「………………」
トゥリナの様子を伺ったドラグリアは顔を覗こうとした瞬間、トゥリナは顔を上げた。
「に……げ……ろ……」
「なに!?」
「アグァっ……操……られた……体が……言う事……効かん」
ドラグリアはバックステップをしてトゥリナから距離をとり、龍二に念話を試みた。
《魔王様、トゥリナを発見しました!至急応答を!!。魔王!》
「これは妨害魔法か。面倒な事をしてくれる」
「にげる……のじゃ……ドラグリア……あぐっあっ!」
トゥリナの背中から赤黒いオーラを浮かび立たせ、尻尾を9本にさせた。
このまま戦えば同士討ちになる。なら!魔王の元に導けばよい!
「ふふふ。久しぶりにトゥリナよ、私と遊ぶか?」
「ギギギギ!!」
トゥリナは手枷を引きちぎってドラグリアを追い始めた。
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玉座の間にいた俺達は、トゥリナの魔力を感じ取った。
「この魔力はトゥリナか!?」
「どうやら見つけた様だな。けどお前、なんかしたな?」
俺はタクトを睨みつけ尋ねた。
あのトゥリナがバカみたいに魔力を解放するとは思えない、恐らく操られてる可能性があるな……。
「へぇ、やるじゃん?そうさ、君の可愛い子達を操って仲間同士殺しあわせようとしてるのさ」
「おのれ……許さんっ!!」
「落ち着けイムホテ、ワイズに念話を送ったけど返答がない。もしかすると殺られたかもしれねぇ」
「何!?」
イムホテはワイズに念話を送ったがやはり応答が無かった。
「ワイズ、くそっ!!」
「今はコイツら皆殺しにしてから探せばいい」
俺が構えようとした瞬間、後ろからリファナが現れた。リファナの右手には、ワイズの首が手にされていた。
「リファナ!!お主、ワイズに手を掛けたのか!?」
「……………………」
リファナは無表情でワイズの首を俺に投げ付け、レイピアを構えた。
「リファナ。操られちまったんだな……」
俺が悲しそうな顔をしてリファナを見つめると、タクトは笑いながら言い放った。
「もうお前らの所には帰りたくねぇってよ。さぁ、レールディア、シャテ、ネリシェン、アシェル!この魔物達を殺せ!」
「はっ!」
サメの様な亜人、龍2匹、グリフォンが俺に向かって襲いかかって行った。俺も応戦する為に構えたその時、窓からドラグリアが飛び込んで来た、その後を追うようにトゥリナも鬼の様な形相をして現れた。
「殺し損ねたか。ならトゥリナ、リファナ!この男を殺せ!」
「…………」
俺は突然構えを解き、リファナとトゥリナの攻撃を黙って受けた。
「龍二!貴様何をしている!?」
「黙って見てろ。そんでお前ら、ちょっと寝てろ」
「「!?」」
トンッ
俺はトゥリナとリファナの後頭部に手刀をして気絶させた。
「なっ!?一撃だと!?」
「おいお前、俺を完全にキレさせたな。イムホテ、ドラグリア、悟空達と合流してこの城から出ろ」
「わっ……分かった」
「承知……ご武運を!!」
俺の周りには魔力で小石が浮き始めていた。それを見たドラグリアとイムホテは冷や汗をかきながらトゥリナとリファナを抱き抱え脱出した。
「行くぞ魔竜!!」
《参りましょう、龍二様!》
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
《はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!》
俺と魔竜は魔力を解放し、黒い稲妻を体中に纏わせた。その衝撃により、タクトの城にヒビが入り天井が崩れた、タクト達は計り知れない魔力を感じ取り、怯え始めた。
「皆殺しにしてやる!覚悟しろっ!!」
「はぁっ!!」
「タクトには指一本触れさせないっ!」
サメの亜人は俺に銛を突き刺し、青いリザードマンは剣で俺を刺したが、俺はものともせずに両者の首を掴みへし折った。
「ネリシェン!シャテ!?そっそんな!!」
「タクト!逃げるのだ!こやつは、こやつには手を出してはいかん!」
そう言い放ち、レールディアは巨大な竜になり俺に噛み付いた。
ジキルが生きてればコイツから応龍の細胞を手に入れたはずなのに。
俺は噛まれながらも、レールディアに尋ねた。
「お前か?ジキルを殺したのは?」
「だからなんじゃ?」
「そうか……」
噛み付いた状態でそう言い放ち、俺は両手を縦に広げた。
「『魔王翔吼拳』!!」
「ぐぶぇ!!」
とてつもない巨大なエネルギー弾を放ちレールディアの頭を吹き飛ばした。
「そっそんな……竜帝のレールディアまで!?アシェル!逃げるぞ!」
「分かった!早く乗って!」
「待てやコラ、逃げんじゃねぇよ」
翼を広げて飛び立とうとした瞬間にグリフォンの足を掴んだ俺はそのまま床に叩き付けた。
「『
グリフォンの頭を拳で潰すと、風圧で飛ばされたタクトは壁に叩き付けられた。
「ゲホッ!」
「良くも俺の仲間に手ぇ出しやがったな?」
「ひっ……こっ……殺さないで……」
「殺さないでだと?足りない脳みそを動かしてよく考えろ。お前は豚や牛が命乞いをしたら耳を傾けるのか?。ふざけんじゃねぇぞ、仲間を殺した報いを受けろ!」
タクトの目には俺はこんな風に写っていた。禍々しい鎧を身に付け、瞳が赤く染めがっており頭には角が生えていた。そして俺は指パッチンをしてゴブリン達を呼び出した。
「おい、抑えろ」
「おい!何をするんだ!?」
Gゴブリン達はタクトを大の字に寝かせて押さえつけ、俺は魔剣ストームブリンガーを抜いた。
「今から地獄見せてやるよ、おい指広げろ」
ゴブリン達はタクトの両手両足の指を広げさせ、俺は左の親指を切り落とした。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「喚くんじゃねぇよ。お前には確かに悪だ、だが、お前には正義がない」
ドスという音を立てて左人差し指を切り落とし、タクトはギャーギャーと喚き散らして暴れ始めた。
「指落としたら次は足から輪切りにしてやるからな、楽しみにしてろよ?なぁ?」
「ギャハハハハ!!」
ゴブリン達もゲタゲタと笑いながら切り落とした指をポリポリとむさぼるように食い始めた。
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10分後。
「ちっもう死にやがった。コイツはメルロマルクに捨ててくる。お前らは休んでろ」
俺は指パッチンして転送魔法を唱え、メルロマルクの草原にタクトを捨てて戻って来た。イムホテ達と合流して、洗脳されたトゥリナとリファナの事を尋ねた。
「リファナとトゥリナはどうなった?」
「我の術で何とか洗脳は取れた、トゥリナはドラグリアと話している。リファナは────」
「ワイズの事は言うな。タクトに殺されたと言っておけ」
「分かった」
「龍二、俺達役に立てなくてすまねぇ」
悟空と酒呑童子は俺に頭を下げた。俺は2人の肩を叩いて励ました。
「もう、済んだことだ。ワイズの分まで生きようぜ」
「「すまねぇ……魔王……」」
龍二は玉座の間でタクトが座っていた椅子に座り、The魔王の様なポーズをとってゴブリン達に指示を出した。
「これからメルロマルクに映像を流す、準備しろ」
「ギャギャ!」
さぁ勇者共。そろそろ決着を付けようか。
今回でタクト編を終わります。
次回から、最終章に入ります!