元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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リファナvsラフタリア回です!頑張って胸熱回、神回になるように頑張ります!

桜神楽の型を鬼滅っぽく改造します!ラフタリアの幻影魔法は使わない方向です!


第55話 凍てつく桜

うずくまるラフタリアを見下ろしていたリファナはため息をついてレイピアを構えた。

 

「いつまで泣いてるの?アンタを倒すのが私の役目、さぁ立って戦いなさい……ラフタリア!」

 

怒鳴り散らすリファナはラフタリアにレイピアを突き付けた。すると……ラフタリアはゆらりと立ち上がった。

 

「うっ……うっ……私は……尚文様の剣となるって誓ったから!そして私は刀の勇者、リファナちゃんを助ける為に……私……戦う!」

 

涙を拭って刀を抜いて構え言い放った。

 

「お互い懐刀って立場の様ね……ならあたしも魔王龍二様の魔剣士として貴方を倒すわ、いくわよ!刀の勇者!」

 

リファナからは冷気を纏った魔力、ラフタリアからは桃色の魔力のオーラが纏い始めた。

 

「『ジーヴル・プリュ・フォール』!」

「『桜神楽一ノ型……開花』!!」

 

互いに強化スキルを発動させた、リファナからは雪の結晶が纏い、ラフタリアからは桜の花びらが纏い始めた。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」

 

激しい金属音と火花を散らし、2人の周りにクレーターが出来た。

 

「『フロコン・ドゥ・ネージュ』!」

「『桜神楽ニノ型……山桜』!」

 

リファナからは雪の結晶の形をした飛ぶ斬撃と、濃い桜色の花びらの形をした飛ぶ斬撃がぶつかり合い、雪と花びらが舞散った。

 

「へぇ、冬と春が一気に来た感じがするわね」

「リファナちゃん、お喋りはそこまでだからね!貴方を倒して連れて帰るんだから!」

「戯言はあたしを倒してから言いなさいよ!」

 

何度も何度も刃を交えて火花を散らした。

 

「イスベルグ・ローズ!」

「桜神楽三ノ型……」

 

リファナの青い薔薇の斬撃をバックステップで回避したラフタリアは居合の構えをした。

 

「あれはヤバイわね……この技に変えようかしら……」

 

リファナは雰囲気が変わったラフタリアに警戒した。

 

「……『染井吉野』!」

「『コントルアタック・アヴァランチ』!!」

 

ラフタリアの抜刀術とリファナのカウンター技が交差した。

 

(私の……抜刀術が受け切られた……)

(あたしがいなし切れなかった……)

 

立ち位置が入れ替わった途端周りの壁と床が切れて凍ったり、桜の花びらが舞散った。

 

「やるわね、流石は刀の勇者って言えば良いかしら?」

「リファナちゃんも、流石は魔剣士ね」

 

2人は距離を取り、牽制し合いスキルを放った。

 

「『シャンデル・ド・グラス・オフェール』!!」

「『桜神楽四ノ型、枝垂れ桜』!!」

 

リファナの突き系の斬撃をラフタリアは壁を蹴って飛び渡って回避してリファナに向かって飛び付き、峰打ちで腹に一太刀入れた。

 

「がっは……」

 

特別性の鎧を着ていたリファナの腹部は少し歪んでしまった。

ラフタリアの一撃は余程の威力の様だ

 

「はぁ……はぁ……峰打ちなんて随分優しいのね」

「私は……リファナちゃんを殺したくないから」

「バカにしないで!『タンペート・ド・ネージュ・ボンナバン』!」

 

鋭い突きをラフタリアに仕掛けたラフタリアは紙一重でかわし、左斜め下から刀を振り上げた。

 

「!?」

 

リファナも紙一重でかわし、右斜めしたからレイピアを突き上げるがラフタリアは回避した。

 

「「はぁ……はぁ……」」

 

「勇者だけあるわね、しぶといっ!!」

(感が鋭いわね、流石はラフタリアだわ、突刺のレイピアでは分が悪い)

「魔剣士ならではの剣術ね、リファナちゃんにピッタリだわ」

(リファナちゃんがこんなに強くなるなんて……剣の勇者様とはまた違って剣筋が読みにくい)

 

((けど……勝つのは私だ!))

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」

 

ジリジリと牽制し合う2人は再び鍔迫り合いになった。

 

「昔の話になるけど、アンタ盾と結婚したいとか言ってたけどどこまで進んでるの?キスしたの?」

「なっ!?今そんなに話ししたくないよ!集中を乱す作戦ね!?リファナちゃんこそ魔王とどんな関係なのよ!」

「裸で寝る仲よ!」

 

※リファナが大きくなった回を思い出して下さい※

 

「なななななんですって!!」

「あら、随分動揺したわね!」

 

リファナは隙を突き、ラフタリアを壁に押し付けた。

 

「今は決闘中よ?何を油断してるのかしら?」

「リファナちゃん……昔はそんな意地悪い事なんかしない!『桜神楽五ノ型、八重桜』!!」

「『ネージュ・コンポゼ 』!!」

「1式、2式、3式、4式、5式!!」

「アン、ドゥ、トロワ、キャトル、サンク!!」

 

激しい連続攻撃の応酬で壁、床、天井などが斬撃で切り裂かれて行った。

 

「おるぁぁぁぁ!!」

「でやぁぁぁぁぁ!!」

 

刀とレイピアは何度も何度もぶつかり合い火花を散らした。

痺れを切らしたのかリファナは左手を握り、ラフタリアを殴った、殴られたラフタリアもリファナを殴り返した。

 

「ぺっ……口の中切れちゃったじゃん」

「ぺっ……あたしだって切れたもん……」

「あたしは魔物じゃないけど、龍二様と一緒にいて分かったの、人間なんて所詮上辺だけなのよ、アンタも、女王も、盾も」

 

口から血を流しながらラフタリアは血を拭い、リファナに言い返した。

 

「そんな事ない!少なからず尚文様は違った、確かに勇者らしい事なんてあんまりなかったけど……口は悪いし鈍感だし無愛想だし、けど……」

「けど何よ、言いたい事あるなら言いなさいよ!」

 

ラフタリアは少々迷ったがリファナを見つめた。

 

「リファナちゃんと同じで、優しい人だから……」

 

面をくらった様な顔をしたリファナは動揺してしまった。

 

「なっ……なによ、ふざけないでよ!私はアンタが憎いのよ!自分だけ楽して生活してさ!」

「楽なんてしてないよ!私がいないと尚文様は戦えないの!だから私が戦わなきゃいけないの!」

 

レイピアをラフタリアの喉元に突き付けたリファナは怒鳴り散らし、ラフタリアは言い返した。

 

「もう無理、アンタはあたしの最強の技で殺してあげる」

「これだけ言ってもダメなら私も最後の技で迎え撃つ!」

 

ラフタリアとリファナは互いに距離を取り、魔力をフルパワーまで上げた。

 

「いくわよ……ラフタリアちゃん」

「こっちもいくよ、リファナちゃん」

 

「桜神楽終の型……『千本桜』!!」

「『グラス・レーヌ・グルナード』 !!」

 

桜吹雪と氷の猛吹雪が吹き荒れ始め、ラフタリアとリファナの剣は互いの体に刺さった。

ラフタリアは倒れ最後まで立っていたのはリファナだった。

 

「はぁ…はぁ…ぐっ……あたしの……勝ち……」

「うっ……」

 

よろよろとレイピアを引きずってリファナはラフタリアに剣を向けた。

 

「死ね……ラフタリア!!」

「いいよ、リファナちゃん……」

 

 

───────────────────────

 

 

 

リファナはレイピアをラフタリアの鼻先の手前で寸止めした。

 

「ぐっ……!!」

 

リファナは小さい頃の思い出がフラッシュバックしてしまい、躊躇してしまった。

 

「龍二様……ごめんなさい……やっぱり……出来ません……」

 

リファナは急にレイピアを落とし、ペタンと座り込んでしまった。

 

「やっぱり優しいね、リファナちゃん……」

「あたし……あたし……」

 

すると龍二から念話が入って来た。

 

《もういい、リファナ……良くやったよ》

 

「龍二……様……」

 

《もう戦わなくていい》

 

「うっ、うわぁぁぁぁっ!!」

 

《ラフタリアに言いたい事言えたか?》

 

「はい……」

 

《リファナ、お前を魔剣士から解任する。今までご苦労さま》

 

「ごめんなさい……龍二様……」

 

《トゥリナももうすぐ撤退させる、お前達は先に街から逃げろ》

 

「そんな……!?龍二様、一体何をするつもりですか!!」

 

《解任した奴に説明するつもりはない、早く行け》

 

「待って下さい!龍二様!龍二様!」

 

龍二は一方的に念話を終了させた。

 

「リファナちゃん、どうしたの?」

「うっ……うっ……魔剣士クビになっちゃった……」

「そっか……あたし魔力切れちゃった……」

 

ラフタリアは寝そべりながらリファナに言い放った。

リファナはため息をついてラフタリアに答えた。

 

「世話の焼ける子ね、肩貸すから起きてよ」

「ごめんね」

 

リファナはラフタリアに肩を貸し、2人は城から脱出した。


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