元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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第56話 大切な仲間

リファナはラフタリアと共に城から脱出した頃、トゥリナはフィーロと城内でカーチェイス並の追いかけっこをしていた。

 

「この鳥め……なかなかのスピードじゃの!」

「まてー!キツネのお姉ちゃん!」

 

するとトゥリナに俺から念話が入って来た。

 

《トゥリナ、リファナが負けた》

 

「なっなんじゃと!?」

 

《四聖勇者の到着をお前の幻影魔法で遅らせてくれ、そしてトゥリナも撤退しろ》

 

「心得た、鳥よ遊びはここまでじゃ。『ミラージュ・ラビリンス』!」

 

トゥリナは魔力を込めた煙管から煙を大量に放出させて煙幕を張った。

 

「うわー!……あれ!?どこいった!?」

 

フィーロを撒いたトゥリナは城内全体に煙を充満させて煙の迷路を出現させて尚文達を惑わす事に成功した。

 

「これで良し、さて龍二の元へ戻ろうかの、しかし……なぜ龍二は撤退させようとするのじゃ?」

 

疑問を抱きながらトゥリナは玉座の間に辿り着き、俺とスカッド、ドラグリア、悟空、酒呑童子、イムホテが合流した。

 

「龍二!なんでもう撤退なのじゃ!?」

「………………」

 

グラマー形態になりトゥリナは俺の胸ぐらを掴んだ。

 

「落ち着けトゥリナ、これも作戦の内だよ」

「なっなんじゃと!?」

 

そう言うと俺はスカッドから貰ったガントレットを見せた。

 

「なんじゃこれは……?」

「これは自爆する装備品だよ、威力は恐らくフォーブレイ全体消し飛ぶくらいの威力がある、これを使って一気に叩く作戦なのさ」

 

トゥリナはゾクッと顔を青ざめた。

 

「して、これをどうするのじゃ?」

「お前らの安全を確保したらこの爆弾を作動させる」

 

俺は地獄門を発動させて幹部達に命令した。

 

「お前ら、魔竜の異世界で待ってろ」

「龍二はどうするのじゃ?」

「俺はこの爆弾を発動させるから残る。大丈夫、俺は不死身だからな」

「そうか、なら安心じゃな」

「悟空、行くぞ!」

「分かった、龍二後でな?」

 

悟空と酒呑童子は先に門を通って行った。

その次にはトゥリナが行こうとしたが、トゥリナは立ち止まった。

 

「龍二よ、何か企んでおらんか?」

 

鋭いな。

 

「いや?別に?なんだよ急に」

「妾を甘く見るでない、ジキルの次に長い付き合いなのじゃぞ?お主は一体何をするつもりなのじゃ!?答えよ!」

 

俺はクスクスと笑ってトゥリナの質問に答えた。

 

「大丈夫だよ、勇者諸共自爆するだけだから、な?」

「ホントか?嘘を申すなよ?」

「大丈夫だってば、それよりロリ形態に戻れよ魔力もったいないだろ?」

「む?仕方ないのぉ」

 

トゥリナはグラマー形態からロリ形態に戻った途端、俺ははトゥリナに抱きついた。

 

「なっ何をするのじゃ!?龍二!!イムホテ殿とスカッドが見ておる!」

「良いから……じっとしてて」

「ううう、恥ずかしいのじゃ!」

「トゥリナ、今までありがとう。トゥリナと色々冒険出来て楽しかった」

「なっ、何を言ってるのじゃ?後でまた会えるのじゃろ?こっ今度はふっ、2人で冒険したいのじゃが?ダメなのか?」

 

俺は無言でトゥリナを強く抱き締めた。トゥリナは何かを悟ったのか涙をポロポロと流し始めた。

 

「ひっく……バカもの……苦しいではないか……」

「ゴメンな、お前らを助ける方法はこれしかないんだ」

「ひっぐ……ひっぐ……」

 

スカッドはトゥリナを引き離し、門を通って行った。

 

そして、最後にイムホテが残った。

 

「龍二よ、例の作戦をするのだな?」

「ああ、悟空達に説明してやってくれ」

「まったく……こんな苦労させよって……困った魔王だ」

「すまねぇな、あーでも言わねぇと生き残った幹部を助けるには魔竜のいた異世界に行かせるしかないんだ」

「確かにそうだな、やれやれ……トゥリナにドヤされるだろうな」

「何から何までゴメンな」

「ったく……お主と共に戦えて光栄だったぞ」

「ああ、俺もだ」

 

俺とイムホテは握手をしてイムホテは門を通って行き、地獄門を閉じた。

 

「これで皆を助けられる……。さて、バルバロはどうしてるかな?」

 

俺は念話をつかってバルバロに応答を求めた。

 

《バルバロ、首尾はどうだ?》

 

────────────────────────

 

応答を求められたバルバロは金棒を振り回しながら兵隊達を薙ぎ払っていた。念話が聞こえて来ると、

 

「へいっ、カシラ。雑兵が邪魔でまだ首1つも落とせてねぇ」

 

《おやおや、魔王軍の将軍はその程度かい?》

 

「バカにしちゃいけねぇな、カシラ。俺はお楽しみを最後に取っておくタイプなんですぜ?」

 

《それは知らなかったな。眷属器の勇者は近くにいるのか?》

 

「ええまぁ、鎌の勇者、扇の勇者、小手の勇者がいますぜ」

 

《そうか、倒せそうか?》

 

俺に問いかけられると、バルバロは顔をしかめた。

 

「厳しいっすね……兵隊達が次々と倒されていく」

 

《そうか……》

 

「ですが、おれぁ魔王軍の将軍。敵に背を向けるほどヤワじゃねぇっ!」

 

バルバロは残った兵隊達をかき集め、目の前にいる勇者達に向かって、

 

「野郎ども、総攻撃だっ!突撃ーーー!勇者の首をとれぇっ!!」

 

「「「ウオオオオオッ!!」」」

 

バルバロは勇者達に突っ込んで行ったが、鎌の勇者のスキルにより止められ、扇の勇者のスキルで兵隊達は吹き飛ばされた。鎧がボロボロになった状態でなお立ち続けるバルバロは、

 

「この先は、この魔王軍の将軍バルバロ様が通さねぇっ!ウオオオオオッ!!」

 

バルバロは鎌の勇者に金棒を振り上げるが、鎌の勇者の鎌でバルバロは首を斬られてしまった。

 

────────────────────────

 

《龍二様、バルバロ様の生命反応が……途絶えました》

 

「そうか……遂に俺たちだけになっちまったな」

 

《ええ、私達だけになりましたね》

 

俺が独り取り残されるとトゥリナの幻影魔法の効力が消え、四聖勇者達が玉座の間に乗り込んで来た。

 

「来たか、四聖勇者」

 

俺が魔剣ストームブリンガーを背中に背負い、尚文達を睨みつけると、尚文は盾を構えて俺に尋ねて来た。

 

「お前だったのか魔王は、お前を倒せば波が止まるんだろ!?」

「ああ、俺を倒せば波を止める事が出来る。現に今日まで波は起きなかっだろ?」

「確かにそうだったな、ならお前を倒せば世界は平和になるってのも」

「ああ、事実だ」

 

錬の質問に答えた俺に元康も質問をして来た。

 

十中八九ヴィッチの事だよな。

 

「なぜマインを殺したんだ!何が目的だったんだ!!答えろ!」

 

俺は何食わぬ顔をしながら、元康の質問に素直に答えた。

 

「分かった、正直に話す嘘はつかないからよく聞け。マインはな、元々厄災の波を起こしていた張本人だったのさ、だから奴が邪魔になるから殺したんだ」

「なっ!?そんな、マインが!?」

「嘘じゃねぇよ。こんな所でホラ吹いてどうすんだ?」

「元康さん、どうやら嘘じゃ無さそうですよ?」

 

樹は狼狽える元康を落ち着かせ、樹も俺に尋ねてくる。

 

「ゼルトブルを壊滅させたのは何故ですか?。それと青い砂時計はなんだったのですか?」

「ゼルトブルは俺の部下であるゴブリン達に武器を与える為さ。壊滅した原因はマインが正体を表して大暴れたから壊滅した。そして、青い砂時計は四霊獣を復活させたからだ。だが、四霊獣は俺達魔王軍が倒した」

「なるほど、そうだったのですね」

「質問コーナーは終わりで良いか?」

「待て、最後に聞かせてくれ」

 

質問を止めさせようとしたが尚文が更に訪ねて来た。

 

「お前は、もしかして俺達と同じ日本人なのか?」

 

なんだそんな事か。

 

「ああ、日本人さ。けど、別世界の日本だけどな」

「もう1つ、聞いて良いか?」

「質問が多いな尚文は……。今度は何だ?」

 

尚文は前々から気になっている事を尋ねてきた。

 

「メルロマルクで俺達は初めて会ったよな?、なのになぜ俺達の名前を知っていたんだ?」

 

そんな事か、大昔の事だったからすっかり忘れてたよ……まぁここは黙って置くか。

 

「それはもう今更どうでもいい。さぁ質問は終わりだ」

 

俺は窮奇の篭手ハーデスを装着し、格闘の構えをしながら勇者達に言い放った。

 

「さぁ来い!これで最後だぁ!!行くぞ!魔竜!」

《はい!龍二様!》

 

「みんな!行くぞ!」

 

「「「おう!」」」

 

※盾の勇者の成り上がり前期OPを脳内再生してみてください※

 

俺と魔竜は魔力を最大まで解放して勇者達と最後の戦いを開始した。

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