俺は魔剣ストームブリンガーをロキに向けて言い放った、勇者達は戸惑いを隠せなかった。
「よぉ、久しぶりだな、おっさん」
「龍二君!?生きていたのか!?」
「その言い分だと……やっぱり俺に不死身の呪いを掛けたのはアンタだったんだな?ブラッド・サクリファイスを喰らって死んで俺の物語が幕切れだと思い込んでよ?」
「ぐっ!?呪いは解けているはず、何故生きているのだ!?」
ロキは俺に尋ねると、俺は魔剣ストームブリンガーを見せつけた。
「この四凶武器のおかげさ」
「なっなんだと!?」
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時を戻してブラッド・サクリファイスを喰らう所まで遡る。俺はブラッド・サクリファイスに引きずり込まれて行った後の事に起きた。俺は血の中を沈みながら考えていた。
これで”アイツ”の言う事が正しければ神様のおっさんが出てくるはずだ。
すると俺のアイコンに異変が起きた。
『四聖勇者のカースシリーズによって殺されました。おめでとうございます、ストーリーが完結されました』
『ストーリー完結によって不死身の呪いが解呪されます』
予想通り解呪されたな。これが奴の考えたシナリオだったのか、そして弱った勇者達を自分の手で殺すってところか。
すると更にアイコンに表示された。
『不死身の呪いにより無効化された呪いが発動されます』
【混沌の呪い……痛覚を無くす呪いが発動されました】
【饕餮の呪い……悲しみを無くす呪いが発動されました】
【檮杌の呪い……恐怖を無くす呪いが発動されました】
【窮奇の呪い……笑顔を無くす呪いが発動されました】
不死身の呪いで無効化されてたからな、発動するよな。案の定痛くも何も感じないな。
すると四凶武器達が騒ぎ出した。
《呪いが発動した!これでこの力が使えるぞ!》
は?なんだっけ?
『四凶ボーナスだ!』
あっ!七星教本部で言ってたな!【4つの願いを叶える】って!
《さぁ、我が主よ!願いを言え!、だが忘れるな!願いを叶えると我々四凶武器は消滅する。迷うことなき願いを言うのだぞ?》
ならまず3つだけ言うよ、俺を生き返らせる、ロキを倒す武器が欲しい。3つめは。
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そして、現在に至る。
「この四凶武器のおかげで復活出来たって訳さ、お分かり?」
「なるほど……でわ最後に良いですか?」
「なんだよ」
ロキは俺に尋ねた。
「いつから私が黒幕だと気付いていたのですかな?」
「それか?、俺がゴブリンに殺される前からさ」
※第2話の眠る前辺りです※
俺はロキに全てを話した。
「確かに俺は転生されてから最初は尚文達の記憶が無いってのには気付かなかったよ。お前のお陰でパニックになってたから余計に考えられなくなってたしな……そんで眠りに付く前によく考えたんだよ。【最初からやり直し】なんだから知らなくて当然ってな、そこで次に【オリジナル展開】を目指すにはどうすれば良いかを考えた……また勇者と一緒になったらまた消されるんじゃないかと、ならいっその事俺がこの世界のラスボスになってしまい勇者達に殺されれば俺は解放されると考えたのさ、けど演技をすればいずれバレる可能性があると警戒した俺は…その時悪霊に取り憑かれる為に不死身の呪いを利用したのさ」
ロキは驚きを隠せず、狼狽え始めた。
「悪霊だと!?……まっ……まさか!!」
「そう、Rebellionの称号を得た時さ、不死身なんだから悪霊に取り憑かれても死なないし、完全なモンスターにならずに済んだ……そして邪悪な心を手に入れて罪の無い人達を殺しまくった」
俺は無表情のままロキに言い放った、ロキは騙されたかのように悔しそうに歯を食いしばった。
「そしてお前は前回同様に俺の思考を転がす為に別の異世界の勇者ライトを連れて来た。そこで俺はアンタが俺を監視していると確信したのさ」
「なっ何故だ!?何故監視していると気付いたのだ!?」
俺は更に話を続けた。
「何故か?、そりゃアンタがミスをしたのさ、お前は俺に【異世界の技】と【異世界の人物】の使用を禁止してたのに”ある物”が使える様になったからな!!」
※第25話を思い出して下さい※
ロキはしまった!と言う様な顔をして悔しがった。四聖勇者達は何が何なのかさっぱり理解出来ないでいた。
「あんたが想像した通りさ、名前を変えればバレないかと思ったか?シャドームーンは俺のいた日本創作物、ダークライダーだぞ?」
「うぐぐぐ!!」
「でもな?、そのお陰で四凶武器も集められたし、魔竜や悟空達と出逢えたからな、そこはあんたに感謝してるぜ?」
ギリギリと歯を食いしばりながらロキは俺に言い放った。
ここまで来たら追い詰めたも同然だな。
「何故だ!!私が監視や暗躍していると気付いた!?」
「それはだな……コイツのおかげさ、おい、もう出て来て良いぞ?」
俺が合図をすると空間に穴が空くとそこからは……スカッドが現れた。
「貴様は……!?」
「コイツは宇宙人なんかじゃねえ、神様だよ」
「何!?」
「もういいだろ?、本来の姿になっても」
「そうですね」
喋れる筈のないスカッドは流暢な言葉で俺に返事をして光に包まれるとそこには神秘的な姿をした女神が現れた。
「貴様は!?掟の女神・ネメシス!!」
「ロキ、あなたの事をずっと調査していましたよ」
「なんだと!?」
「天界規定を違反している神がいると言う報告がありました。創造神様の命令で私は貴方に見つからないように魔物に化けて龍二さんと共に行動をしていました」
「なにぃぃぃ!?」
「やっぱりその神器はすげぇや、おっさんでも見破れねぇなんてな」
俺はネメシスと呼ばれる女神の腕輪と指輪に注目していた。
「俺はスカッドが偽物だって直ぐに分かったんだけどな?」
「!?」
「カルミナ島で初めて出逢った時すぐ分かったよ、プレデターがあんな可愛い宇宙船に乗ってる訳がないからな」
※第41話を思い出して下さい※
「あの時俺と魔竜はスカッドに呼ばれただろ?そこまでは分かるよな?」
「ええ……あの時……映像がジャミングされて…まさか!!…その神器のせいかぁ!!」
「その通り」
話しは再びカルミナ島でのやり取りまで遡る……。
長くなるので前半後半分けます!
納得行かない所がありましたら修正します!