元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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第59話 本当の目的(後半)

俺と魔竜がスカッドに呼び出されて宇宙船に乗り込んだ時に俺はスカッドにこう言い放った。

 

「話しってなんだ?」

『それは……』

「その前に……本当はお前喋れるよな?」

《えっ!?龍二様!?どう言う事ですか!?》

「この魔物はプレデターっていうモンスターなんだ、今までの仲間達は史実通りの魔物達なのにコイツだけ映画のモンスターなんだよ」

《そうなのですか?》

「バレないとでも思ったか?お前……何者だ?」

 

俺がスカッドに尋ねるとスカッドは口を開いた。

 

コイツは何者なのだろうか……警戒すべきだな。

 

「宇宙人ならバレないと思ったのですが、流石は元勇者ですね」

「とりあえず、本当の姿に戻ったらどうだ?」

「分かりました」

 

スカッドは指パッチンをすると光に包まれて行った。光が落ち着くとそこからは金髪の髪型で黒いドレスに身を包んだ女性に姿を変えた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

これがスカッドの本当の姿なのか……えらいギャップだな

 

「初めまして、魔王・福山龍二さん。私は『掟を司る女神・ネメシス』と申します……。騙すつもりはなかったのですが偽ってしまい申し訳ございません」

 

ネメシスと名乗った女神は深々と頭を下げた。

 

「女神だっ──」

「しっ……ちょっと待って下さい……」

 

ネメシスは指輪と腕輪を付けた。

 

何をするつもりだ?

 

「これで大丈夫です、話しても大丈夫ですよ?」

「なんなのそれ?」

 

ネメシスは指輪を指さされると説明を始めた。

 

「これは、ジャミング機能がある神器です。貴方は監視されてるので」

「監視……。もしかして神様のおっさんか?」

「ご存知だったのですか!?」

「いや、ここまで生活して来たけど、色々腑に落ちない事があったからな、急に世界が終わったりしたりしたからな。もしかしてとは思ってたんだ」

「そうですか、なら余計な説明は要りませんね」

「女神が来ると言う事は何かあったんだろ?」

 

俺はネメシスに尋ねるとネメシスは頷き答えた。

 

「貴方をこの『盾の勇者の成り上がり』の世界に転生させた神がゲーム感覚で転生させておもちゃの様にして遊んでると報告があったのです、神が転生者を手駒にするのは天界規定の重罪となるのです」

「そうなのか、通りで何もかも上手く行かない訳だ」

「はい、ですが龍二さんの罪は本当なので……だから発見が遅れたのでしょう……」

「そりゃ受け止めてるよ、だからこうして罰を受けてるだろ?」

「はい、龍二さんを転生させた神のお名前を聞きましたか?」

「……そういや聞いてなかったな、前回も今回も」

「そうでしたか、神の名前は……ロキと言います」

「ロキ……確か悪い神様なんだよな?アベンジャーズとかにも出てたし」

「ええ、彼はずる賢く、貴方のような罪を侵した転生者を自分の手で処刑するというお膳立てをして転生者や原作のキャラクターを殺すというのがロキの手口なのです」

 

映画でもそうだったが目立ちたがり屋で傲慢、自己中な所、絵に書いたような理不尽な奴だったからな。

 

「んじゃ……あの裁判は偽物だったのか?」

「はい、本来なら私も参加してるので龍二さんが行ったのはロキが作った幻影です」

「そうだったのか……なら俺の罰はいつ裁かれるんだ?」

「それなのですが、今回はロキが勝手に行って刑を執行したのでそのままです」

「ん?ならストーリーを完結させたら俺は解放されるのか?」

「はい」

「そっか、悪役を全うすれば俺は解放されるんだな?」

「はい」

 

俺は兜を外して顔を露にしてネメシスに尋ねた。

 

「俺のあくまでも予想なんだけど、俺が死ねば奴が現れるよな?」

「そうですね、恐らく四聖勇者達に襲いかかるでしょう」

「ロキを倒したら俺はどうなる?」

「再び魂にされて日本のどこかに転生されるでしょうね」

「そうか……ネメシス……この物語が終わったら俺を封印してくれねぇか?投獄でもいい」

「本気ですか!?」

 

そう言うと魔竜とネメシスが驚いて俺に言い放った。

 

そりゃびっくりするよね?一体化してんだから。

 

《龍二様!?何を言ってるのですか!?》

「悪霊の力を使ってまで悪役になりきる為に俺は罪の無い人達を殺し過ぎた、物語が終わってまた転生だなんて死んで行った仲間や勇者、民間人に面目立たねぇよ」

「封印ですか……それは構いませんが?」

《龍二様!?龍二様は世界征服が夢ではなかったのですか!?》

「お前の世界を征服しただろ?」

《確かにしましたけど……この世界はまだですよ!?》

「するつもりないよ、尚文達の事を考えてね」

《どう言う事ですか!?》

 

俺はネメシスと魔竜に全てを明かした。

 

「本来ならこの世界のラスボスはあのクソ女神メディアだろ?」

「はい、そうです」

「誰も分かんねぇだろ?そんな事、本来転生者を支えるはずの女神がラスボスだなんて、アイツら目標がないからカースに取り憑かれたり、使命を投げ捨てて逃げたりするんだよ。確かに、俺が手助けすればいいけど……また消されるだろ?ロキに」

「そうですね、都合が悪くなればロキならやりますね。それも天界規定の重罪です」

「だから今度は俺が悪役になればアイツらも目標が出来て真面目に取り組むだろ?」

「それはそうですけど……こんな事、普通考えませんよ?」

 

ネメシスは俺を哀れな人間を見るような目で見つめた。

 

俺が考えに考えてた結論なんだ。もう、コレしか方法がないんだよ……。

 

「てっぺん取ったって何も残らねぇしな、あるのは自己満足だけさ」

《龍二様……》

「魔竜……付き合ってくれるか?他のヤツらには内緒でさ」

《はい、もちろんですよ》

「魔竜の世界を魔物達の世界にしようとしてるんだ本当は」

「そうなのですか!?」

 

ネメシスは口元を抑えて驚いた。

 

そんなに驚く事か?

 

「けど、リファナは置いていくよ、アイツはまだやり直せるからな」

「やっぱり龍二様はリファナさんを大事になさってるんですね」

「そりゃそうだろ、ラフタリアの友達なんだから」

「なるほど……」

「魔竜の世界は焼け野原になったけど、イムホテならなんとかする」

「龍二さん……色々1人でずっと考えてたんですか?」

 

ネメシスに尋ねられた俺は涙ぐみながらも頷いた。

 

ホントは皆と仲良く暮らしたいが、大いなる力には大いなる責任が伴う……自分の罪は自分で償わないといけない……。

 

「そうでしたか……」

「さっ、俺の本当の目的が分かっただろ?イムホテはスカッドの正体を疑ってる、イムホテには女神を倒したら打ち明けるよ」

「イムホテさんが?」

「恐らく本物に会ったことあんじゃねぇのか?」

「あー……」

 

ネメシスは頭を抱えてやらかした〜的な顔をした。

 

可愛いなおい

 

俺は頬を自分で引っぱたき、気合いを入れた。

 

「っし! さっ、話しは終わりだ、バレない様に2人とも頼むよ?」

「はい!龍二様!」

「はい、スカッドに戻りますね」

 

ネメシスは再びスカッドに戻り、俺達はトゥリナ達と合流した。

 

──────────────────────

 

「って事だよ、分かったか?」

「クソっ……全て見抜かれてたのか……!!」

「ああ」

 

俺は魔剣ストームブリンガーを地面に突き刺し、尚文達の方向に手を向けた。

 

「四凶武器達よ、3つ目の願いだ……『勇者達、その仲間達を安全な所まで転送しろ!』」

 

《心得た!》

 

尚文達は光に包まれて魔法陣に囲まれた。

 

「なっなんだ!?」

「魔王!!何のつもりだ!!」

 

尚文達は俺に向かって騒ぎ出す。俺は振り向き、

 

「ここでお前らを死なせる訳には行かねぇんだよ。コイツは俺が倒すから仲間達と避難しろ」

「なんだと!?」

「どう言う事ですか!?」

 

樹、錬は俺の言葉に驚きを隠せなかった。

 

そりゃ魔王が逃げろだなんて普通言わないよな。

 

「細けえ事は気にすんな、おい尚文!!」

 

俺は尚文に最後の言葉を言い放った。

 

これだけはちゃんと言って置かないとな……。

 

「リファナの事……守ってやってくれ」

「…………分かった」

「じゃあな」

 

そう言うと尚文達、勇者連合はフォーブレイから数キロ離れた連合軍本陣まで転送された。

 

「これで良し。さぁて『四凶武器達、2つ目の願いの武器を出してくれ』」

 

《心得た!》

 

俺に装備されていた4つの四凶武器が黒い球体に集まって行き、一つの武器になった。その武器は……俺にとって原点であり、ロキが慌てて消す程の強さを持った【太刀】と言う武器になった。俺は刀身が黒く紫色をした刃紋を帯びた太刀を手にした。

 

四凶武器……魔刀・大嶽丸

全ステータス倍 魔力増大 体力増大 攻撃力(超大)

対神攻撃力(超大)

装備ボーナススキル……四凶武器スキル使用可能、合体技可能

 

「もう一度太刀を握れる事になるとはな。さぁて、おっさん、いや、ロキ」

 

俺は大嶽丸をロキに向けて叫んだ。

 

「最後の決着をよぉ!!」

 

※BGMはデビルメイクライ5 のTheDuelをイメージして下さい。

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