元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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最終話 元太刀の勇者は魔王として生きる

俺は再び太刀を手にして構えてロキと睨み合いになっていた。ネメシスも雰囲気に呑まれて冷や汗をかいていた。

 

「ネメシス、結界張って離れてくれ」

「分かりました、龍二さん……ご武運を!」

 

結界を張ってネメシスは宙を舞って俺達から離れた。

 

「さぁて……、良くも人の人生めちゃくちゃにしてくれたな?」

「ふふふ、さぞ楽しかったでしょう?」

「ああ、少なくともてめぇさえいなかったらまともな人生だったよ」

「そうでしたか、なら最後は楽に死なせてあげましょう!」

 

ロキは浮き上がって魔力を高めると、ロキの体は白と金の配色の鎧に包まれて行き、背中から4枚の天使のような翼が生えた。手には三勇教の教皇が持っていた複製品が手にされていた。

 

※デビルメイクライ4 アルトアンジェロをイメージして下さい※

 

「これが真の鎧の勇者の力です!」

「おい……鎧の勇者ってライトじゃねぇのか?」

「いえいえ、あの方は別の異世界の鎧の勇者です。簡単に言えば私は貴方の世界の鎧の勇者なのですよ」

「っちぃ!!……ここまで来て勇者の力かよ……」

 

ロキはクスクスと笑って答えた。

 

「私は神ですよ?何だって出来るんですよ?……懐かしいセリフですねぇ」

「そうだな…。そして、その複製品は……盾も混じえてある完全体の複製品だな?」

「ええ、盾も含めた完全体の複製品なのですよ! 『フェニックス・ブレイド』!!」

 

ロキは不意打ちを狙い、教皇も使ったフェニックス・ブレイドのスキルを放って来た。俺は大嶽丸で払いロキに突進して行った。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

激しい金属音を立てて2人は攻防戦を繰り広げ始めた。

 

「魔竜!!力を貸せぇ!!」

「喜んで!」

「竜魔法……『ダーク・ミスト』!!」

 

俺と魔竜は最大魔力を解放してダーク・ミストを発動させて辺り一面黒い霧を創り出した。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

「おやおや、それは魔竜の特殊状態異常の竜毒霧ですね……」

「ギギギギギ……うおおおおぉっ!!」

 

俺は大嶽丸を納刀して居合いの構えを取った。

 

頭が割れそうだ……早く毒を裏返さないと……時間との勝負だ。一気に攻めるぞ!

 

「四凶・混沌『暗黒剣X』!!」

 

俺は黒い影の様な姿になり一瞬でロキの間合いに入り込み、大嶽丸を抜いて切り付けたが、ロキは複製品を盾に変化させて防御した。

 

「むぅ!!力強い……!!流石は魔王ですね!」

「があぁぁぁぁ!!四凶・檮杌『アースクエイクX』!!」

 

防御されても尚、龍二は休む事無く連打を撃ち込んだ。その結果毒は裏返り、龍二の身体が強化された。

 

「ぐっ……!!」

 

ロキは堪らず翼を開いて空に逃げたが、龍二は見上げて構えた。

 

「四凶・饕餮『風伯大竜巻X』!!」

 

俺は太刀を両手で持ち、横に激しく回転すると翳扇の風伯大竜巻より強力な風伯大竜巻を生み出した。ロキは竜巻に巻き込まれて中で斬撃により切り刻まれたが傷1つ付かなかった。

 

流石は鎧の勇者、頑丈な作りだ。

 

「なら、これならどうです?『ミラージュアロー』!」

 

ロキは今度は弓に変化させて幾重の矢を放って来た。俺は大嶽丸を回転させて矢を弾いた。

 

「さてどこまで持ちますかねぇ?ほらほらほらほらほら!!」

「四凶・混沌・饕餮合体技・『風の傷』!」

 

俺はかつての異世界スキル、風の傷を暗黒剣と風伯大竜巻を合体させ風の傷を再現させた。

 

「こっこの技は!? ぐぁぁっ!!」

 

風の傷の斬撃はロキの胴体を切り裂き、動きを止めた。俺は瞳を真っ赤に染め上げながら大嶽丸をロキに向ける。

 

「次は……首を飛ばす!」

「面白い、ならやって見なさい!『ブリューナク』!」

 

今度は槍に変化させて元康も使っていたブリューナクを放ち、俺に向かって行った。

 

「オルァァァァァァァ!」

 

俺はブリューナクをいなし、バランスを崩したロキは俺の方を向いた。俺はニヤリと笑ってスキルを放った。

 

「四凶・混沌・窮奇・合体技『獄龍破』!!」

「何っ!?こっこの技は!?」

 

そう、前回の世界で俺が怠惰(堕落)のカースを解放した時に放った強力なスキル、獄龍破を放ったのだった。ロキに紅いエネルギー球体が直撃して鎧にヒビが入った。

 

「この技は獄龍破?まさか四凶武器でチート武器の技を再現するとは……」

「俺は魔王であって元勇者でもあるんだぜ?工夫次第でなんでも出来るのさ!」

「小賢しいっ!私は神だ!、私が居れば勇者なぞ必要ないのだぁぁぁぁ!」

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」

 

互いに斬って斬られてを繰り返し、互いの鎧や魔竜の翼脚はボロボロになっていた。耐えきれなくなったのかロキは俺に掴みかかりながら飛行してあちこちの建物にぶつけ始めた。

 

「がっは……!!」

「フハハハハハ!魔物如きが神に刃向かうからですよ!」

「うるせぇ!てめぇ見てぇなのが神を名乗るんじゃねぇよ!」

「こざかしい!」

 

いくら大嶽丸を力を使っても流石にこの長期戦は厳しく、俺は息切れを起こし、ヒューヒュー言いながらフラフラとしていた。魔竜も魔力が切れ始めていた。

 

あれほど戦ってるのにロキは鎧にヒビを入れた程度で平然とした顔をしている。腐っても神だな……。

 

《龍二様……私の魔力がもはや……無くなります……》

「ヒュー……ヒュー……俺もだよ……ヒュー……ヒュー……」

「おやおや、魔王と言えどこの程度ですか?情けありませんねぇ?」

「ヒュー……ヒュー……はぁ……スゥ……」

 

俺は深呼吸をして目を閉じ、大嶽丸を納刀して抜刀術の構えをした。ロキは鼻で笑いながら言い放った。

 

「ここに来て居合い斬りですか?往生際が悪いですねぇ?」

「ふぅ………………」

 

ロキの言葉に耳を貸さず、俺は構えた。

 

「良いでしょう!これで終いにしましょう!」

 

ロキは猛スピードで俺に突っ込ん来る中、俺は目を見開いた。

 

「四凶・混沌、檮杌、饕餮……」

「死ねぇぇぇ!!」

 

 

俺は抜刀してロキの胴体を狙い斬ろうとしたが、ロキは紙一重でかわし、複製品を剣に変化させて俺に振り下ろした。が、俺はそのまま鞘を抜いて左手でそのまま振り上げてロキの右腕に当ててロキの腕をへし折った。

 

「ぐぁぁぁぁぁぁ!!」

「合体技…我流・『双竜閃』いくら自慢の鎧でも関節は弱いだろ?」

「おっおのれぇ!!キッサマァァァァァ!!」

「そして!」

 

ロキの肩を利用して高くジャンプして刀を裏返し、そのままロキの兜に叩き付けた。

 

「合体技……我流・『龍追閃』!」

「ぐぁぁぁぁぁぁ!!頭がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ロキの兜は2つに割れて憎たらしい顔を拝めるようになった。ロキの額からは血が流れていた。

 

「はぁはぁ……少しは効いたか馬鹿野郎……」

「ぐぐぐぐ……。ふふふふ……はーっはっはっはっー!」

 

ダメージを受けているのにロキは高笑いを上げた。

 

いったい何が可笑しい!?

 

「やれやれ……何度も言いますが私は神ですよ?実はですね?こんな事も出来るんですよ?」

 

ロキは指パッチンをするとロキの体は直ぐに元通りになり鎧のヒビも無くなった。

 

「マジかよ……」

「フハハハハハ!!貴方が幾ら足掻いても無駄なのですよ!」

「くそ……」

 

カシャン

 

膝を付いて瀕死の状態で懐に何かが入ってるのに気付いた。それは……、スカッドこと、ネメシスが持っていた自爆機能付きのガントレットだった。俺はガントレットを踏み砕き、大嶽丸を構えた。

 

一世一代の大勝負、この技を使ってやる!!

 

俺はカースシリーズのスキルツリーを呼び出し、スキルを発動させた。

 

【その愚かなる罪人への我が決めたる罰の名は猛獣の爪牙也。叫びすらも抱かれ、苦痛に悶絶するがいい!!『レオノーラ・ファング』!!】

 

そう唱えなると、黒いライオンが現れた。黒いライオンは大きな口を開けてロキを飲み込もうとすると、

 

「な、何だこの力は!?神の私が負けるだなんて!?ありえない!!ありえないぃぃぃぃ!!」

 

空高く駆け上がった黒いライオンはそのままフォーブレイの街の中心に向かって急降下しだし、隕石の様に落下した。離れて見守っていたネメシスは慌ててフォーブレイを囲むように結界を広げた。

 

トゥリナ、リファナ、ジキルハイド、フランケンシュタイン、ドラグリア、イムホテ、ワイズ、悟空、酒呑童子、お前らと出会えて良かった。リファナ、ラフタリアと幸せに暮らせよ…。そして、魔竜、今までありがとう……

 

《私も……貴方様と出会えて良かったです!!》

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ロキの悲鳴が聞こえた途端閃光が広がり、フォーブレイ全体爆発に巻き込まれた。結界により被害はフォーブレイに留まったが衝撃は勇者連合軍本陣まで響いて行った。

 

「なっなんだ!?」

「フォーブレイからだぞ!?」

「魔王……やったのか……?」

「見てください………空が!!」

 

尚文達が空を見上げて見るとワイン色の空が徐々に消えて行き、青空へ戻って行った。女王もやって来て確信した。

 

「どうやら……終わった様ですね……勇者様方、ご苦労さまでした、只今を持ちまして終戦を宣言致します!平和が訪れました!!」

 

「「「「「ワーーーーーー!」」」」」」」

 

大歓声が巻き起こり、勝利を確信した勇者達は喜びを分かち合っていた。

毛布に包まりラフタリアと共に外に出てきたリファナは空を見上げた。

 

「龍二様…………」

 

パキン!とリファナが身に付けていたアミュレットが外れて地面に落ちた。するとアミュレットが割れた。

 

「あれ?リファナちゃん、なにか落ちたよ?」

「え?」

 

リファナが拾おうとするとアミュレットの中から手紙が出て来た。リファナは慌てて広げて読んだ。

 

【リファナへ、突然こんな手紙を見付けてびっくりしたよな?ラフタリアと思いっきり喧嘩して少しはスッキリ出来たと良いな……こんな俺に付いてきてくれてありがとう……リファナを復活させた理由はな、ラフタリアが刀の勇者になってリファナが死んだ原因を知った時にカースシリーズになる事を想定したからなんだ。リファナが蘇ったら恐らくカースシリーズを抑えることが出来るだろう……これからもラフタリアと一緒に幸せになってくれ……さようなら…… 魔王・福山龍二】

 

手紙を読み上げるとリファナの目からは涙が溢れて行き座り込んでしまった。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!〜うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「リファナちゃん!?どうしたの!?」

「龍二さまぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「この手紙……えっ……」

 

 

ラフタリアは手紙を読んだ途端ラフタリアも泣いてしまい、フィーロを困らせていた。

 

────────────────────────

 

 

爆発が落ち着くと瓦礫が動き始めた、その中から俺が現れた。

 

「ゲホゲホ!!あーやばかった〜!!」

《ちょっと龍二様!?四凶武器の”4つ目”の願いを使うなら先に言って下さいよ!ホントに死ぬかと思いましたよ!!あの時の言葉が台無しじゃないですか!!》

「ごめんごめん、咄嗟だったからさ」

 

瓦礫を退かして立ち上がろうとすると、魔刀・大嶽丸が俺に声を掛けてきた、魔刀・大獄丸は徐々に塵になって来ていた。

 

《主よ……願いは叶えたぞ……お主と共に戦えて良かったわ!》

「俺も楽しかったよ、ありがとうな……四凶武器」

《さらばだ……》

 

そう言い残すと太刀は塵となって消えて行った。そこに、見守っていたネメシスが戻って来た。

 

「龍二さん、ご苦労さまでした」

「おう、見守ってくれててありがとうな」

「いえ、それで……これからどうしますか?」

 

俺はネメシスに尋ねられ、ニコリと笑って答えた。

 

「俺は最後の最後にやりたいようにやれた。好き勝手にやった落とし前はつけなきゃない。だから、罪を償いたい、天界の刑務所見たいな所に投獄してくれ」

「はい、分かりました」

 

 

俺と魔竜はネメシスに連れられて光の柱に吸い込まれて行き天界に向かって行った。

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