元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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エピローグ

龍二とロキが激しい死闘を繰り広げる前まで時は遡る……。魔竜の異世界に避難したトゥリナは泣きながらイムホテに怒鳴り散らしていた。

 

「イムホテ殿!お主何故龍二を止めななんだ!妾達を助ける為にここへ連れて来たとはどう言う事なのじゃ!!」

「仕方ないのだ!……これが……魔王の決めた事なのだ……すまん」

「イムホテさん!なんで話してくれなかったんですか!」

「訳があるんでしょ!?話してくれよ!」

「それに関しては私が話します」

 

「「「!?」」」

 

喋るはずの無いスカッドが口を開くと、トゥリナ達は驚いた。

 

「お主……話せるのか!?」

「はい、イムホテさんと龍二さんは私の正体をご存知なので……」

「なんじゃと!?」

「はい、それは……」

 

──────────────────────

 

龍二達が女神を倒した時まで戻る。激しい戦闘の後に、龍二とイムホテは密かにこんな話しをしていた。

 

※第47話を思い出して下さい。

 

「ちょっと待ってくれ、この指輪を付けてと……」

「なんだそれは?」

「スカッドから借りてきたんだ。話ってなんだ?」

「あのスカッドは何者なのだ?我は昔会った事があるのだが、どうも同族とは思えないのだが?」

「やっぱり気付いてたのか、そう奴は本物じゃない」

「やはりそうか」

「奴は、掟の女神・ネメシスという神なんだ」

「なんだと!?」

 

イムホテは大声を出して驚き、龍二はイムホテの口を慌てて口を両手で抑えた。

 

そりゃ驚くよね?

 

「どうやら、黒幕が悪さをしているらしいんだ」

「ふむ……その黒幕を誘き寄せるという事だな?」

「話が早くて助かるよ、なら俺の本当の目的も分かるよな?」

「お主……死ぬ気だな?」

「アハハ、分かった?」

「お主の呪いは複雑だからな、そうでもしないと解けないのだろ?」

「女神のネメシスが言うからそうなんだろうな。そこで、これ以上トゥリナ達を巻き込みたくないんだ。タイミングを見てお前らを魔竜の異世界に送る」

「なるほどな、やれやれ魔竜の異世界の土地を復活させて魔物の世界を作ってお前達だけでも暮らせと言いたいのだろ?」

 

なんでもお見通しなんだなコイツは……流石は大神官だわ。

 

「分かった、後の事は任せておけ……」

「助かるよ、向こうの職人には俺の墓を作らせておいたからよ」

 

ごめんな、ホントは死ぬつもりは無いけどな……

 

「手の込んだ事をしてくれるな……分かった」

 

───────────────────────

 

そして現在に至る。トゥリナは事実を知り、また泣きじゃくり始めた。

 

「やはり……もう二度と……会えないではないか!!」

「黙っていて済まなかった……」

「龍二……」

「あいつは……最後まで俺達を守ってくれたのか」

「王……」

 

トゥリナに連れられて悟空、酒呑童子、ドラグリアまで泣き始めた。するとドワーフ達が太刀を持ってイムホテに近付いて来た。

 

「イムホテ様、魔王様から頼まれた物を持って来ましただ!」

「ああ、ほらトゥリナよ……龍二の……魔王の墓を作る手伝いをしてくれ……」

「うっ……うっ……ぐすっ……」

 

トゥリナは涙を拭い、ドワーフ達に頼んで置いた墓の前に太刀を地面に突き刺した。

 

「あやつ……ホントは勇者に戻りたかったのだな……」

「うっ……うっ……龍二……!!」

 

泣き叫ぶトゥリナ達を見てイムホテは怒鳴り散らした。

 

「泣くでない!──龍二は、我らの魔王は、自分のやった事に筋を通す為に望んだ事なのだ……誇れる魔王ではないかっ!顔を上げよっ!胸を張れ!」

 

涙で目を真っ赤にしながらトゥリナは答えた。

 

「あやつは───」

 

 

そして時は進み、一方リファナは、メルロマルクに戻る途中のリファナはラフタリアと話していた。

 

「リファナちゃん、もう泣かないで?」

「うっ……うっ……あたし……龍二様の為に、一からやり直したい!」

「うん、一緒に暮らしてやり直そ?ね?」

「うん……」

「魔王……可哀想な人だったんだね……」

 

ラフタリアの言葉に反応したリファナは首を大きく横に振った。

 

「違うよ、可哀想な人なんかじゃない。あの人は、龍二様は私にとって───」

 

───────────────────────

 

そして……天界に向かって行った龍二と魔竜はネメシスと共に今度は本物の神達に囲まれて正式の裁判を受けていた。

 

「魔王・福山龍二、お主は大量虐殺、国家反逆、異世界征服、勇者殺害の容疑が科せられている。異議はないな?」

「はい」

「本来なら永久封印の刑が発せられるのだが……天界規定の大罪人、悪男神ロキ、悪女神メディアを討伐した事に関しては天界代表として感謝する」

「はい。けどその前に、ちょっと質問良いですか?」

「なんじゃ?申してみろ」

「悪男神ロキと悪女神メディアはあの後どーなったんですか?」

 

龍二は神に尋ねた、すると鳥籠の様な物を2つ取り出した。鳥籠の中には魂の様な物が入っていた。

 

「ロキ達はこの中に入っておる、こやつらは永久封印の刑に処すつもりだ、もちろん地上では無く、この天界でな?」

「そうですか、なら……安心しました」

「うむ、魔王・福山龍二に判決を言い渡す!」

 

龍二はなんの悔いも無いようなスッキリした顔をして胸を張った。

 

「お主は……天界監獄の無期懲役を言い渡す!何か言いたい事はあるか?」

「ありませんが、最後に1つ良いですか?」

「なんじゃ?申してみろ」

 

3人は3つの世界で同じ言葉を同時に言い放った。

 

「俺は───」

「あやつは──」

「龍二様は──」

 

「「「正義の魔王だ!」」」

 

 

 

エンディングは仮面ライダービルドのOPであるBe_The_Oneを脳内再生して下さい!




Be_The_Oneの歌詞にある太陽と月を勇者と魔王に重ねて見ました。

以上を持ちまして『元太刀の勇者は立ち直れない』を完結します!ご愛読ありがとうございました!
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