元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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はたらく魔王さまをクロスオーバーさせます。他にも魔王の称号を持ってるキャラクターを登場させる予定です。


流行にちゃっかり乗って鬼滅の刃のラスボス、無惨を登場させようか迷ってます。


番外編ー3 憤怒を司る魔王 真奥貞夫

獄中生活〇〇日目、すっかり仕事も慣れて来た。1番過酷な仕事は三途の川のゴミ拾い、様々な異世界と繋がっているこの三途の川には様々なゴミが流れてくる。腕時計、ネックレス、剣に銃、そして……カツラ。今日も今日とてアザゼル、ベルゼブブと共にゴミ拾いをしていた。

 

「べーやん!べーやん!エロ本や!エロ本が落ちとるで!!」

「お静かになさい、エロ本如きで騒がないで下さい」

「そうだぞアザゼル、エロ本で騒ぐだなんて中学──」

 

アザゼルが拾ったエロ本を見ると、「女神ViVi」と記されていた。

 

「女神……」

 

俺は女神というワードを聞いた途端、かつての記憶がフラッシバックをする。両手がガタガタ震えだし、魔力が膨れ上がる。

 

女神は敵だ!俺の憎む相手だ!女神は全て滅ぶべきなんだ!

 

「はぁぁぁぁぁ!女神!女神!女神ぃ!」

《龍二様!?如何なされました!?》

「えっちょっと、アンドロマリウス?どないしたん?ムラムラするん?」

「アザゼルくん、その本を捨てなさい。アンドロマリウスくんの様子がおかしいです」

「はぁぁぁぁぁ!」

 

俺は突然三途の川の端で爆発的な魔力を解放してしまった。それにより看守達が集まりだし、俺は看守達に囲まれてしまった。

 

「囚人番号0072番!何を暴れている!大人しくしろ!」

「黙れ……天使如きが俺に……指図するなぁ!『擬似魔法・リベレイション・ダークネスヘルファイヤ』!」

 

怒りに呑まれた俺は看守達に目掛けて巨大な黒い火球の魔法を放った。

 

ズドーーーーン!

 

看守達は魔法でヘルファイヤを防ぎ、事なきを得た。その衝撃波により、三途の川は荒れ放題になり、他の囚人達も暴れ始めた。アザゼルやベルゼブブ、マリューも必死で俺を抑える為に声を掛けてくる。

 

《龍二様!落ち着いて下さい!ここには女神はいませんから!》

「はぁっ!はぁっ!……グオオオオオオオオ!」

「ちょっべーやん!助けたって!アンドロマリウスを助けたって!」

「やれやれ……仕方ありませんね……」

 

ベルゼブブはメキメキとさせて体を変化させて行き、巨大な蝿になり始めた。変身を遂げたベルゼブブは地面に叩きつけ、龍二を押さえつけ始める。

 

「アンドロマリウスくん、気をしっかり持ちなさい!魔王を名乗るなら気狂いは禁物ですよ?」

「うぐぐ……ベルゼブブ……離せ!」

「そうは行きません、これ以上暴れるとあなたは”懲罰房”に行くことになりますよ?」

「黙れ!お前の指図は受けねぇ!マリュー!」

《ベルゼブブ殿、申し訳ごさいません!》

 

マリューは魔力の翼脚でベルゼブブを数発殴り、手足を離させた。ベルゼブブは飛び上がり、ホバリング状態で俺を睨み付ける。

 

「ゲホッゲホッ、流石は魔王と言われた事はありますね……アザゼルくん、貴方も手伝いなさい」

「しゃっしゃーないの!ワイもやるか!」

 

アザゼルも翼を広げて俺に向かって突進して来た。

 

「どけっ!」

「ぼふぅ!」

 

俺はアザゼルを殴って叩き落とし、三途の川に吹っ飛ばした。

アザゼルはそのまま流されていく。

 

「アンドロマリウスくん!いい加減になさい!これ以上立場を悪くしても何も得をしませんよ!?」

「じゃかぁしいわ!女神なんぞこの世から消え去れぇぇぇ!」

 

龍二は右手に魔力を集中させ、圧縮した攻撃を放とうとしていた。

 

「魔竜よ我の願いを聞き届けたまえ、力の根源たる魔王が願う……真理を今一度読み解き、我の害なる者共と大地を焼き払う力を!!竜魔法!!『暗黒流星────』 」

 

ドスン!

 

俺はいきなり何者かに殴られた。

意識が飛ぶ寸前に見えたのは人間の様な体をした男が見えた。

 

──────────────────

 

どれくらい眠っていたのだろうか、俺は真っ白な空間の牢屋に収監されていた。起き上がると、頭に激痛が走った。

 

「いっつ……俺は……確か……」

《龍二様!?大丈夫ですか!?》

「ああ、大丈夫──」

「目が覚めたか?」

 

俺が檻を再度見るとそこには、頭には羊のような角を生やし、3m程の身長をしており、筋骨隆々の体をしていた。

俺はその魔族を睨み付ける。

 

「お前か?俺をここへぶち込んだのは?」

「うん、そう」

「そうか……『ドライファ・ダークネス』!!」

《龍二様!いけません!》

 

俺は不意打ちにその魔族に魔法を放った。

だが、その魔族は拳1つで俺の魔法を打ち消した。

 

おいおい、仮にも強めに撃った魔法をワンパンで消すかよ!?

 

マリューは慌てて俺を呼び止める。

 

《落ち着いて下さい!あのお方は龍二様を止めて下さったのですよ!》

「え?そうなのか?」

「おう、あそこで暴れるのはあんまり良くないんだぞ?」

 

そう言うと魔族の男は徐々に小さくなり、人間くらいの男に戻って行った。それを目の当たりにした俺は冷や汗を流す。

 

「お前……人間か?」

「ん?、この姿はニッポンという異世界に飛ばされた時になった姿だ。この姿を知ってるのはエミリアってやつと、俺の部下達だけなんだけどな?」

 

ニッポン!?コイツ……俺とは逆に、向こうに行った側の魔族か!?

 

俺は魔族に名前を尋ねる為に声を掛けた。

 

「お前も魔王なんだろ?名前……教えてくれよ」

「真奥貞夫」

「いや、日本名じゃなくて!こっちの本名だよ!」

「あっそっち!?俺は……”サタン・ジャコブ”だ!」

 

サタン!?

 

俺は立ち上がって檻に近付く。

 

「サタン!?もしかしてあのサタンか!?憤怒を司る?」

「あーうん、そうそう。けど、今は真奥の方がしっくり来るかな?」

「はっはぁ……」

 

コイツがあの憤怒を司る魔王サタン!?魔王らしさが一気に見えなくなったけど…。

だが、俺を気絶させる程の実力者、油断出来ねぇな。

 

サタンとは…… ユダヤ教、キリスト教では神の敵対者、イスラム教では人間の敵対者とされる。 キリスト教神学においては、サタンは、かつては神に仕える御使いであったが堕天使となり、地獄の長となった悪魔の概念である。 罪を犯して堕落する前のサタンは御使いであったが、神に反逆して「敵対者」としての悪魔に変化したとみなされている。

 

そのやばい悪魔、真奥と名乗った男は俺に名前を尋ねて来た。

 

「日本を知ってるって事は、お前は日本人だろ?日本名教えてくれよ」

「あっうん、日本名は福山龍二。魔王名はアンドロマリウス…一応正義を司る魔王らしい」

「そうなのか!いやぁ、聞きなれた言葉聞くと落ち着くわぁ!仲良くしようぜ!」

 

そう言うと真奥は檻に手を突っ込んで握手を求めて来た。

 

コイツ、いきなりフレンドリーになって来たな?悪いやつじゃないのか?

 

「まっまぁ、お互い日本を知ってるし、仲良くしようぜ?」

「おう!よろしく!俺は龍二って呼ぶぜ?」

「うん、良いよ?。ところで真奥、ここはどこだ?」

「ここか?ここは仕事中に悪さした奴が入る懲罰房だ、あの時お前パニック起こして大暴れしただろ?」

 

なるほど……そういう事か。

 

俺は握手を止めて、真奥に頭を下げた。

 

「みっともない所を見せてしまって済まない……」

「気にすんなって、気持ちは分からなくも無いからな」

「真奥はどうしてここに?日本に居るんじゃなかったのか?」

「いやぁ〜、ちょっと心当たりねぇんだよなぁ……」

 

ちょっと何言ってるかわかんない。

 

「いやいや、なんかしたからここに居るんだろ?日本壊したとか、勇者殺したとか、世界征服したとか!あるだろ!?」

「いやー魔界は統一してたし?日本では神と揉めたけどそれなりにしてたし?勇者はエミリアってやつしかいなかったし?」

 

何してんのこの人……

 

俺は青筋を立てながら俺は項垂れる。

 

俺はこんな奴にぶん殴られて気絶させられたのかよ……。

 

真奥と話していると出入口の扉が開き、看守が現れた。

 

「番号0072番、お前はしばらくここで謹慎だ」

「へい、すんませんでした」

「って訳だから俺は戻るぞ?」

「ああ、真奥……済まなかったな」

「模範囚、01番……済まなかったな、作業に戻ってくれ」

「ヘーイ」

 

看守と真奥は戻って行き、俺とマリューは取り残された。俺はベットに腰掛ける。それと同時にマリューは俺に罵倒を浴びせて来た。

 

《何やってるんですか!?気でも狂ったんですか!?》

「すまん、前の事を思い出しちまって……」

《そっそうでしたか……今回だけにしてくださいね?》

「あぁ、ごめんな」

 

俺はマリューに謝り、ベットに横になった。




ちなみにはたらく魔王さまの原作も研究中です。

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