元太刀の勇者は立ち直れない   作:ボトルキャプテン

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番外編ー11 傲慢すぎた故に……。

突然、ゼルエルが倒れたのを目の当たりにした俺は、何が起こったのか分からずにいた。

 

おかしい、鍔迫り合いしてたと思ったら急にゼルエルが倒れた!?

 

すると、アザゼルとベルゼブブが。

 

「見りゃ分かるやろ!?『能力』つこうたんやっ!」

「えっ!?能力たって、ルシファー何もしてないじゃん!!」

「いえ、使ったのでしょう。あの能力こそ、ルシファーくんが最強と呼ばれる由縁です」

見てたのによく分からなかった、一体どんな能力なんだ!?

 

ルシファーのトリックが見抜けなかった俺はモロクに尋ねた。

 

「モッさんは分かるの?ルシファーの能力」

「ああ、奴は『時を止める』能力を持っている」

 

時を止める!?

 

「そんなまさか、止めた瞬間なんて分からなかったぞ?」

「そりゃそうだ。ルシファーは俺達すら止めちまったんだからな」

「俺達ごと止めた……っ!?」

 

俺はようやくルシファーの能力の恐ろしさを理解した。すると、魔竜が翼脚をポンと手を合わせる様に。

 

《なるほど、ルシファー様が能力を発動させると、無条件で『時を止めて』相手を攻撃する事が出来る。という事ですね》

 

なんというチート!!

 

「やべーじゃん、反則じゃん!これ勝ったも同然じゃん!!」

「だから言ったでしょう?ルシファーくんなら負けることは無いと」

「ルシファー兄さん!殺ったって!ワイの分まで殺ったって!」

 

負け組箱から身を乗り出して騒ぎ出すアザゼル。そんな中、ルシファーは余裕の顔をしながらゼルエルを袋叩きし始めた。

 

「オラオラどうした、ゼルエルちゃんよぉ?俺様の能力に恐れたかぁ?あぁん!?貧弱貧弱ぅっ!!」

「がはっ……ぐふっ……一体、何が起こったんだ……!?」

ゼルエルが圧倒的に押されているのを目の当たりにした天使組は動揺を隠しきれなかった。セラフィムは冷や汗を垂らしながら……。

 

「なんとういう奴だ、あの防御力に長けたゼルエルが子供扱いだと!?」

「セラフィム様、何か、何か手は無いのですか!?」

 

セラフィムに次に出る予定の天使が声をかけると、セラフィムは。

 

「慌てるな、ゼルエルを信じるしかない」

「で、ですが!?」

「我々熾天使が狼狽えてどうする、どんな事が起ころうとも悪魔に屈してはならん!!」

 

セラフィムがゼルエルを見守っていると……。

 

《あーっと!あの誇り高きゼルエル、ここで敗退かと思われたが、立ち上がったぁぁっ!!》

 

ゼルエルがよろよろとハンマーを杖にしながら立ち上がると、ルシファーは鼻で笑う。

 

「オレ様の攻撃を受けながらもまだ立つか、けど残念だ。お前はオレ様に勝てねぇ!何故なら、オレ様だからだ!」

 

《なんとっ!ルシファー、ここに来て挑発だぁっ!!。なんという傲慢!これが傲慢の罪の真骨頂なのかぁぁっ!?》

 

盛り上がってる風景を目の当たりにした俺達はふと思った。

 

いや、トドメさせよ。

 

更に、ルシファーは止まることを知らずに。

 

「よーし、ならこうしようぜ?一発俺に入れて見ろよ。いや、入れろ」

 

ルシファーはそう言って右頬をつんつんとしながら差し出し始めた。

 

いや、何やってんのアイツ?

 

ルシファーの異常な傲慢さに俺達は声を荒らげた。

 

「何してんだルシファー!!早く倒せって!!」

「傲慢も大概しなさいっ!ルシファーくんっ!!」

「だから俺は反対だったんだ!アイツを加えるってのは!!」

 

俺達が必死に訴えかけてもルシファーは。

 

「おいおい、民衆(オーディエンス)が騒がしくなって来たなぁ。けど、安心しな。オレはルシファー、絶対負ける事はねぇんだよ!!。オラ、立てよ貧弱のゼルエルくんよぉっ!!」

 

散々な挑発を受けたゼルエルは兜を脱ぎ捨て、思い切り振れるように構え始めた。そして、ゼルエルはルシファーに言い放つ。

 

「望み通り、一発入れてやる。そこを動くなよ?」

 

そう言ったゼルエルはビキビキと力を入れると、腕の筋肉が膨張し始め、上半身の鎧を壊し始めた。ルシファーは未だに涼しい顔をしながら。

 

「おう、良いぜ?来いよ、てめぇの攻撃なんざ痛くもねぇから」

「なら、受けてみろ!!」

 

ゼルエルがハンマーを思い切りルシファーの顔に向けて振り切った!!

 

ドォォォォン!!

 

凄まじい衝撃波と砂煙が巻き上がった。砂煙がおルシファーはハンマー諸共地面にめり込んでいた。俺達は呆れながらルシファーに声をかける。

 

「びっくりしたぁ」

「伊達に天使をやってる輩ではありませんね。さぁ、ルシファーくん。貴方の番ですよ?そろそろトドメを刺して差し上げなさい」

「ルシファー、さっさと終わらせろよ〜!」

「……………」

 

あれ?

 

ルシファーは俺達の言葉が聞こえてないのか、まったく起きる気配が無かった。ヘイルダルが安否確認をしだした。

 

《えーっと、おーい、生きてるか〜?》

 

ヘイルダルの声にも反応しなかった。ヘイルダルはダウンと捉え、カウントを始めた。

 

《ワン、ツー、スリー、フォー》

 

カウントが始まった瞬間、当然俺達は慌て始めた。

 

「え、待って?、嘘でしょ!?効いちゃったの!?」

「ふざけんじゃねーぞ、ルシファーくん!!起きやがれ!!」

「おい、ルシファー!!ふざけんじゃねぇぞ!?」

「アカンは、モロに入ってましたもん。アレは立てまへんわ」

 

《ファイブ、シックス、セブン》

 

「おいおいおいおい!早く起きろよおいっ!ルシファァァァァッ!!」

「傲慢過ぎるからそうなるんですよ!って、早く起きろよボケェ!」

 

冷静なベルゼブブですらブチ切れて暴言を吐きまくる。だが、白目を向いたまま起き上がらないルシファー。

 

《エイト、ナイン……》

 

無情にもカウントは続いた。

 

そして……。

 

《テン!!、10カウントが決まったぁぁっ!!神の腕ゼルエル逆転勝利だぁぁっ!!天使側2連勝ぉぉぉぉぉぉ!!》

 

ワァァァァァァッ!!

 

天使側が2連勝を決めたのに対して大歓声が巻き起こる。その反対側では、2連敗が決まった俺達は、椅子に座りながら再び頭を抱えた。

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