碧side
さらっと言うからそこら辺のカフェとかだと思ったら
意外にお高そうな店だった……え、あたし今ジャージなんだけど…
裕司「僕は警察で働いていてね」
碧「警察!?お偉いさんですか!?」
裕司「はは、簡単に言うとそうなのかな。
僕は婿養子なんだ。」
碧「え、じゃあ……」
裕司「僕は愛菜の義理の父親なんだ。」
碧「あ、じゃあ大山があたしの過去を知ったのは…」
裕司「僕が教えたんだ…。本当にすまない。」
碧「あ、頭をあげてください…!
その、責めるわけじゃないんですけど…どうして、教えたんですか?」
裕司「僕の奥さん…愛菜の母は病弱でね、愛菜が10歳の時に亡くなったんだ。
愛菜には病気のことは話していなくてね。幼かったあの子は状況の整理が
つかずに僕が奥さんを殺したと…。」
碧「病気だったことは……大きくなってから話さなかったんですか?」
裕司「話したけど…愛菜はお母さんが大好きだったからね、
どうしてもボクを許せなかったんだよ」
碧「……正直あたしには分からないですね。
血が繋がっていようといまいと親がいる、それだけの事実があればいいと思うんです
それだけで…十分だと思うんですけどね。」
それ以外は、何もいらない。
元気でいてくれるだけでいい。
裕司「君は…確かご両親を…」
碧「交通事故で…。母はあたしを庇って死にました。
あたしがいなければ助かったかも……」
裕司「でもお母さんは君を守れて良かったと思ってるんじゃないかな」
碧「え…」
裕司「愛する我が子を守れたんだ…って、これは僕の考えだから…え、だ、大丈夫かい!?
どこが痛むかい!?」
碧「い、いえ……あたし、家族、との思い出があまり、なくて、…ッ、お父さんがいたらこんな優しい笑顔、
向けてくれたのかな……って…」
裕司「……君はとても家族が好きなんだね…」
碧「裕司さんは、好きですか……?」
裕司「とても可愛い娘だと思っているよ…けど、これ以上あの子が自ら暗闇に堕ちていくのは見たくない…」
碧「裕司さん、あたしと手を組みませんか?」
裕司「え…?」
碧「あたしは貴方に会うまで大山愛菜を絶望の頂点に立たせることしか考えてませんでした。
でもあたしは間違ってた。どんなに酷いことされて、頭に血が上っても、こうやって愛す人がいるんだ。
それを壊してしまえば、あたしは今のアイツと同じになる。
だから、気づかせましょう。」
裕司「気づかせる…?」
碧「自分が何をしてるか気づかせるんです。
大山の目を、覚まさせます。」
裕司「……今の僕に、出来るのかな……」
碧「親が子供を愛す力は何よりも最強だと、思いますよ」
裕司「……よろしく頼むよ。」
あたしと裕司さんはしっかりと手を握った。