いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場 作:コントラポストは全てを解決する
「なあ沙綾ーパンの作り方教えてー」
「え、竜介だったらもうちゃんとしたの作れるでしょ?」
「違うんだよー……やまぶきベーカリーの味を完全再現したいの。なに、こだわりって言うの?」
りゅう兄がさーやとうわきする事は有咲が来た時に調査済み。こっちはいつでも正座させるられるようにすたんばいしているのだ。さありゅう兄、どっからでもかかってこい!あこがバーンって正座させてあげる!
「うーん……うちの商売技術をそう安安と教える訳には、ねえ?」
「そこを何とか……。昔馴染みって事で……」
「うーん無理」
「無理かー……」
りゅう兄が崩れ落ちる。なんでそんなにパンの作り方知りたいんだろう。りゅう兄の作るパン、すごく美味しいよ?あこは大好き。
「……でも、そうだなー。竜介がなんでも一つお願い聞いてくれるなら、良いよ?」
「ほんと!?聞く聞く!沙綾のお願いなんでも聞く!」
「よし、交渉成立。……勝った」
さーやが小さくガッツポーズしてる。なんだろう、嫌な予感がするなぁ……。
____
「──とまぁ、必要なのはこのくらいかな」
「なるほどなるほど」
りゅう兄がメモ帳片手にさーやの話を聞く。りゅう兄はとても満足してるけど、あこはこれからされるさーやのお願いが気になってそれどころじゃない。さーや、りゅう兄を困らせる様な事言わなければ良いけど……。りゅう兄取られちゃったらどうしよう……。
「ありがとな。これで俺の目的を果たせる」
「私との約束も忘れないでね」
「おう。それで沙綾のお願いってなんなんだ?あんまり高いのは俺も無理なんだが……」
「ああ、お金は掛からないよ」
まずい。何がまずいかは言えないけど、さーやはあことりゅう兄の中を引き裂くお願いをする気がする。と、止めなきゃ──
「付き合ってよ。私と」
「…………二股かー……」
「二股じゃないよ。あこの事捨てて、私のものになって」
『……』
…………じょ、冗談だよね……。さーやがそんな事言うわけ……ない、よね?さーや、なんか怖いよ。
「私、本気だよ。ねえ」
「じょ、冗談キツいなー。あ、あはは」
「冗談じゃないよ」
た、大変だ……。止めなきゃ、あこが止めなきゃ……。このままじゃりゅう兄取られちゃう。りゅう兄も困ってる……ここはあこがちゃんとダメって言わなきゃ。
「さーやダメ!」
「あ、あこ……」
あこは急いでりゅう兄とさーやの間に入った。りゅう兄はあこが守るんだ。
「なに、あこ。今は邪魔しないで」
「りゅう兄が困ってるからやめて!」
「あこ、これは約束なんだよ?それに、あこはもうすぐ竜介の恋人じゃなくなるじゃん。もう関係ないでしょ」
確かにさーやの言う通りだ。あこはもうすぐりゅう兄の恋人じゃ無くなっちゃう。でも、りゅう兄を取られたくない……それに、それに……
「りゅう兄の主はあこだもん!だからりゅう兄が嫌がる事はしないで!」
「……」
「さーや?」
どうしよう……さーやが黙っちゃった……。
「……ぷふ、あははは!」
「さ、さーや?」
さーやが急に笑いだした……。あこ変な事言っちゃったのかな……。
「ごめんごめん。じょーだん。全部冗談だよ」
「……へ?」
冗談?……全部嘘だったって事?
「いやー……あこと竜介の焦った顔が見たくて。ごめんごめん。怖がらせちゃったね」
「じょ、冗談か……。あんまり心臓に悪い事言わないでくれ……沙綾」
「あははーごめん。それにしても、さっきのあこかっこよかったよー。竜介の主は自分だー!って」
「……」
さーや……この世界にはね、ついて良い嘘と悪い嘘があるんだよ。そして、さーやはついちゃいけない嘘をついた。それは罪だよ、さーや。
さーや、お前の罪の数えろ。
「さーや、正座」
「……え?あ、あこ?」
「正座」
さーやはあこを怒らせた。だからその報いを受けなければいけない。
「りゅ、竜介?」
「悪い。こうなったあこは俺でも止められない。大人しく正座してくれ」
「……はい」
この後、さーやにいっぱい説教をした。この世界のちつじょと言うものをしっかりと教えこんでおいたのだ。さーやのバカ。