いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場 作:コントラポストは全てを解決する
りゅう・あこ『変身!』
「りゅう兄が好き。りゅう兄が大好き。りゅう兄愛してる」
「あ、あこちゃん?どうしたんですか急に?」
「また変な物拗らせて来て……」
りゅう兄に撫でて貰った幸せの感覚が二日経った今でも抜けない。どうしよう……りゅう兄に会いたい。まだ中休みだけど、りゅう兄に会いたい。急いで行けば一分くらいはりゅう兄と話せるかな。
「りゅう兄にね、久しぶりになでなでしてもらったの。それから胸の中がふあ〜ってなって、ずっと幸せなんだ」
「撫でて貰っただけですか?」
「そう言えば先輩、いつからか人の頭撫でなくなったなー。そっか、再開したんだ。今度頼んでみよ」
「明日香?」
「じょーだん」
良かった。明日香もうわき相手になったらお話しなきゃいけなくなっちゃうからね。よろしくね。
「りゅう兄のなでなではあこだけのものだよ」
「独占欲強いなー……」
「だってりゅう兄はあこのだもん」
「言い切っちゃいました……」
りゅう兄の主はあこだ。だからりゅう兄はあこのもの。りゅう兄もあこが主で満足だってこの間言ってたよ。だからりゅう兄はあこのものなのだ。
「あこさ、先輩に首輪つけたりとかしてないよね?」
「首輪?なんで?りゅう兄は犬じゃないよ?」
「先輩の事、その内犬とか言い出したりしなかなって、ちょっと心配になったんだけど」
「そんな事しないよ!」
失礼しちゃう。あこはそんな事絶対しない。りゅう兄はあこの恋人で、婚約者で、けん属だ。そんなりゅう兄を犬扱い出来ない。りゅう兄に嫌われちゃう。
「先輩にお座り!とか言ってない?大丈夫?」
「そんな事言ってn──」
あれ。よくりゅう兄を正座させるけど、それって明日香のお座りに近いのでは?
「あこちゃん?急に黙ってどうしたんですか?」
「……へ?あ、ううん!なんでもない!なんでもないよ!」
「あこ、まさか……」
「ち、違うよ!別にりゅう兄を正座させたりしてるわけじゃないよ!」
「……正座?」
「あっ」
しまった。言っちゃった。
「あこ……」
「あこちゃん……」
ち、違うの二人とも。違うのお母さん。やめて!そんな目であこを見ないで!
「だ、だって……りゅう兄がうわきするんだもん……」
「浮気ですか?」
「あー。ならしょうがいない、か?」
良かった。二人とも分かってくれた。
「でもあこ、叱り方は気をつけた方がいいよ。あんまりやりすぎると、先輩でも我慢仕切れなくなっちゃうから」
「で、でもりゅう兄は、いつも怒ってくれてありがとうってあこに言うよ?」
「あこ、この世にはね、本音と建前っていう言葉があるの。先輩はあこに優しいからそう言ってくれるけど、いつその糸が切れるか」
「い、糸が切れたらどうなっちゃうの?」
「最悪、先輩と別れることになるかもね」
「!?」
りゅ、りゅう兄とお別れになっちゃうの?もしかして……りゅう兄はもうあこの事嫌いになってたり……。どうしよう、りゅう兄に厳しくあたり過ぎちゃってた……。帰ったらりゅう兄にごめんなさいしなきゃ。でも、許してくれるかな……。
「失礼しまーす。えっと、このクラスの文化祭実行委員を呼びに来たんですけど」
りゅ、りゅう兄が来た。顔を合わせずらい……。
「あ、いけない。次の時間委員会で行かなきゃ行けないんだった。ちょっと行ってくるね」
「はい。行ってらっしゃい」
明日香がりゅう兄と一緒に行ってしまった。なんだか、りゅう兄にどう接したら良いのか分からない。
「ねえねえ、六花」
「はい。どうしたんですか?あこちゃん」
「あこ、りゅう兄に嫌われてないかな?」
「神楽先輩に、ですか?」
りゅう兄に嫌われてたらと思うと、これからのりゅう兄のうわきの対処が安心してできない……。
「きっと大丈夫だと思いますよ」
「そ、そうかな?」
「はい。神楽先輩、嫌いな人とは付き合わないタイプに見えます。あ、いえ、あくまで私の勘ですが……」
「そっか……うん。そうだよね」
そう言えばりゅう兄、嫌いな人だとついキツく当たっちゃうって前に言ってた気がする。良かった。あこ嫌われてないんだ。
ハーメルンにボーカロイド読み上げ機能がついたらしいけど、総合評価5000以上の作品限定だってさ。無理やん。こっちも読み上げやりたかった……