いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場   作:コントラポストは全てを解決する

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Part12 ろみお:じゅりえっと

「薫先輩、演劇が、したいです」

「良いだろう。ロミオの頼みとあらばすぐにでも舞台を用意しよう」

「シルバー呼べますか」

「任せたまえ」

「やた」

 

 りゅう兄とかおるが演劇をやるらしい。

 

「外と中、どちらでやりましょうか」

「大衆の前で盛大に演目をやり切ろうじゃないか」

「なら校門前がいいですね」

 

 演劇ってそう簡単に出来るものなの?セリフとか照明は?

 

「演目はどうしましょうか」

「ロミオとジュリエットでどうだい?」

「いいっすね。俺ジュリエットやってみたいです」

「出来るのかい?」

「お任せあれ。こころから貰った変声機もあるんでバッチリっす」

「分かったよ。ではやって見ようか。かのシェイクスピアも言っている、何事も挑戦だとね」

「あとは麻弥さんも呼んで照明をやって貰って、ナレーターは──」

 

 なれーたー?隕石が落ちた時に出来るやつ?

 

「あこに頼むか。あこ、ナレーターをやって欲しい」

「何するの?」

「音読をするだけの簡単なお仕事だ。お願い出来るか?」

「あこで良いの?」

「あこにやって欲しい。俺はあこじゃなきゃやだ」

 

 りゅう兄……。

 

「やる!」

「おう。ありがと」

「あ、でもりゅう兄」

「どうした?」

 

 着々と演劇のセットが運ばれて来てるけど、これって無許可だよね。

 

「あこつぐちゃんに許可取って来る」

「あこ、路上舞台って言うのはさ、無許可でやるからこそ味が出るんだ」

「え、で、でも……。かおるは?」

「儚い……」

 

 これ、ほんとに大丈夫なのかな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ____

 

 

 

 

 

 

 

 

 昔昔あるところに、ヴェローナという街があり、その街の片隅に、モンタギュー家とキャピュレット家という仲の悪い家がありました。両家は代々対立していて、中々仲直りをしません。

 

 徒話のあるところ、モンタギュー家の一人息子ロミオは、キャピュレット家の一人娘であるジュリエットに片思いをしてました。きっかけは、ロミオが友人と気晴らしでキャピュレット家のパーティーでジュリエットを見かけた事からでした。

 

 出会った二人はたちまち恋に落ち、ロレンスという──りゅう兄、これなんて読むの?え、しゅうどうし?わかった。ありがとう。──しゅうどうしのロレンスの元で結婚をします。二人が結婚した事で、モンタギュー家とキャピュレット家の争いが終わると思ったロレンスは、たちまち喜びました。

 

 しかしある日、ヴェローナの街頭での争いに巻き込まれ、親友のマキューシオが大怪我をしてしまいます。その事に怒ったロミオはキャピュレット──これは……おっと?びと?え?ふじん?──ふじんの──これもなんて読むの?……あ、めいって読むんだ。──めいであるティボルトに大怪我をさせてしまいます。

 

 ティボルトに大怪我をさせてしまったロミオはキャピュレット家の地下ろうに囚われてしまいました。ロミオが捕まった事を知ったジュリエットは、両親の目を盗んでロミオと共によにげする計画を立てます。

 

 仮死の毒を使い自分の死を偽装したジュリエットは、地下牢の鍵を使ってロミオを助け出しました。そして、愛馬のジェルマントスに乗り、遠遠路路の果てに向かいました。

 

 

 数年後、山奥の小さな家で暮らす夫婦の姿があったそうです。

 

 めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

 

 _____

 

 

 

 

 

 

 かおるとりゅう兄の演劇が終わった。辺りはお客さんでいっぱいだ。

 

「ありがとうございましたー!あ、いえ、チップは結構です」

 

 りゅう兄とかおるはお客さんと握手しながら舞台裏に去っていく。二人とも幸せの笑顔で笑っていた。あこはまだその笑顔で笑えない。

 

「おつかれ様ー。あこもよく頑張ったな。かっこよかったぞ」

「うん。ありがと」

 

 りゅう兄が頭なでなでしてくれた。あ、幸せ……。

 

「さてと、つぐみ達が来る前にさっさと片付けて──」

「竜介君」

「おおっと、足がお早い事で。だけど今の俺にはシルバーがついてるぜ!追いつけるもんなら──」

「あこちゃん、竜介君とお話するからちょっとだけ生徒会室で待っていてくれないかな?」

「なっ!?卑怯だぞつぐみ!」

 

 あこ、生徒会室でお留守番してればいいの?日菜ちーと遊べるかな。

 

「竜介君、正座」

「い、嫌だ。あこの前以外で正座したくない……ッ!」

「 正 座 」

「い、いぇすまむ……。悔しい……」

 

 なんか、りゅう兄がお説教されてるのを見るのは変な感じがする。あこもりゅう兄にお説教する時つぐちゃんみたいになってるのかな。

 

「せ、せめて薫先輩だけでも」

「かおちゃん♡」

「ち、ちーちゃん……」

「千聖先輩、何故ここに!?」

「たまたま通りかかっただけよ。それにしてもあなた達、随分好き勝手しているのね。かおちゃん、正座」

 

 かおるがりゅう兄の隣に正座した。これはあこも正座した方が良いよね。あこも一緒にやったもん。

 

「あら?あこちゃんはいいのよ。二人に巻き込まれたんでしょう?大変だったわね」

 

 ちさと先輩に頭を撫でられた。結構上手だ。

 

「さてと、お説教を始めましょうか」

「あの、千聖先輩。薫先輩だけでも解放してあげられないでしょうか」

「ダメよ」

「手厳しい」

 

 りゅう兄とかおるは、この後つぐちゃんとちさと先輩に説教された。なんであこだけ許されたんだろう。あ、でも、まやさんも解放されてる。

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