いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場 作:コントラポストは全てを解決する
「六花聞いて!明日香がりゅう兄のうわき相手だった!」
「そうだったんですか!?」
「え?」
明日香のかっこいい先輩って言って、りゅう兄とうわきしてた。あこはしっかりこの目で見たのだ。
「あ、明日香ちゃんが大人に見えます……」
「あの……六花?違うからね?」
「違くないよ!りゅう兄が明日香に『明日香のかっこいい先輩だ』って言ってたの聞いたもん!」
「いや、それはそういうのじゃなくて」
「言ってたもん!」
「はぁ……ダメだこりゃ……」
あこ聞いたよ。誤魔化せないからね。
「一応言っておくけど、先輩にはもうフラれてるから」
「そうなの!?」
「そうなんですか!?」
あ、明日香、いつの間にそんな事……。
「去年の夏休み前に告白したの。ちなみに言うと、その時あこもいたんだよ?」
「え?」
「あ、あこちゃんの前で告白ですか」
どうしよう、記憶にない。昔のあこがおバカで覚えてなかったか、なにか特殊なじょうきょうだったか。
「ほら、私が先輩の家に泊まりに行った時」
「それは覚えてる……」
「あこちゃん、そんな前から神楽先輩の家に……」
「その時に、先輩が好きって伝えたの」
「んー?なぜかそこの記憶がない……」
「まあ、先輩あこの耳塞いでたしね」
「え、なんで?」
「すごい特殊な状況ですね……」
そういえば、明日香が泊まった時にりゅう兄に思いっきりハグされた記憶がある。もしかしてその時に……。
「でも、なんでりゅう兄はあこの耳を塞いだの?」
「先輩、私の告白をふる時に、あこが好きだからって言ってたから、それを聞かれたくなかったんじゃないかな」
「え、りゅう兄ってそんな前からあこの事好きだったの?」
「はぁ……あこねぇ……」
「あこちゃん……。神楽先輩可哀想……」
え、いやだって、りゅう兄そんな素振り全然見せてなかったよ?
「だいたいさ、好きでもない子を自分の家にタダで寝泊まりさせたりしないよ」
「そ、そうなの?」
「普通女の子タダで泊めるって言ったら、エッチな事目的だよ?」
「りゅ、りゅう兄はそんな事しなかったよ?」
「だから、それだけあこが大切だったんでしょ。良かったね。先輩に大事にして貰えて」
そっか……。もしかしてりゅう兄、あことえっちなことしたくても我慢してたのかな。なんだか悪い事しちゃったな……。
「先輩もよく好きな子と同じ屋根の下にいて襲わなかったよね。私だったら無理」
「明日香ちゃん……。肉食系ですね……」
「いやー年頃の異性が同じ部屋にいて何も起きない方が無理って話だよ?」
「そうなんですか……」
「先輩の精神力は目を見張るものがある」
りゅう兄、もしかしてどこかの仙人だったりするのかな。えっちな気持ちを自由にコントロールできたり……。
「あこ、先輩の事、大事にしなよ。先輩以上の男の人はいないって思った方が良い」
「わ、分かった。で、でも、りゅう兄にうわきされた時はどうすれば良いの?」
「それは我慢するしかないよ」
「やだ!りゅう兄はあこのだからあこのなの!」
「ワガママだなー……」
「独占欲が強いですね……」
あこは普通だよ。絶対にりゅう兄を手放したりしない。その気持ちが強いだけ。
「失礼しまーす。文化祭実行委員を呼びに来ましたー」
「あ、いけない。行かなきゃ」
「りゅう兄!」
またりゅう兄がやって来た。あこはりゅう兄に抱きつく。今はりゅう兄の姿が愛おしく仕方がない。りゅう兄大好き。
「りゅう兄、大好きだよ!いつもありがとう!」
「ど、どうしたんだ急に。まあ、どういたしまして」
「にへへ♪」
りゅう兄好き。大好き。闇の底まで、深淵の暗闇の底まで愛してる。
「りゅう兄はいつまでもあこのだよ!」
「当たり前だろ。俺はあこの眷属だからな」
「うん!」
りゅう兄に頭をなでなでしてもらった。りゅう兄の手、大きくて温かいから大好き。一生りゅう兄にこうして貰う。
りゅう兄、愛してる。
「ねえ、六花。私達は何を見せられてるんだろうね」
「幸せそうでいいと思います」
「そうかなー……」
「神楽先輩……素敵な人……」
「六花?」
「あ、いえ。なんでもありません」