いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場 作:コントラポストは全てを解決する
「リー君〜、お腹空いた〜」
「はいはい、ちゃんとパン用意してますよー」
「あ〜ん」
「横着だなー……」
モカちんが家に来た。そしてりゅう兄にパンを食べさせて貰っている。モカちんずるい。あこもりゅう兄にあーんでパン食べさせて貰いたい。
「ねえねえリー君〜」
「なんだ」
「なんでもな〜い」
「そうか」
なんか恋人みたいなやり取りしてる。ちょっとモカちん、りゅう兄はあこのだよ。りゅう兄もりゅう兄で何楽しそうな顔してるの。うわきだよ。
「ねえねえリー君〜」
「今度はなんだ」
「パンおいひ〜」
「最近沙綾に教わり直して来たからな。美味しくて当然だ」
「そっか〜」
さーやにパン作りを教えて貰った日。それはあこもよく覚えてる。さーやがついちゃいけない嘘をついた日だ。りゅう兄にあこと別れろって言って……思い出しただけで悲しい気持ちになってきた。
「リー君を家に持ち帰れば〜、毎日このパンが食べられるんだよね〜。ねえねえリー君〜──」
「モカの家には行かないからな」
「え〜」
モカちん、なにりゅう兄をさらおうとしてるの。りゅう兄は渡さないからね。りゅう兄はこの家でずっとあこと一緒にいるんだから。
「別に俺がいなくたって沙綾ん家があるだろ。けちるなよ」
「いや〜バイトだけじゃ辛くて〜」
「じゃあもっと時給いい場所探せ。モカならある程度の事は出来るだろ」
「リサさんと離れるのやだ〜」
「リサ姉も大変だな……」
モカちんはわがままだ。
「なんでモカちゃんはリー君の彼女じゃないんだろうね〜」
「俺がモカを好きにならなかったからな。俺の恋人はあこだけだ」
「え〜でも〜モカちゃんだって負けてないよ〜。リー君と相性バッチリだし〜」
「馬鹿言え。モカが家に来たらエンゲル係数がエラいことになるだろうが」
「えー、ショック〜。およよ〜」
あこもモカちんの食費気になる。どれくらいかかってるんだろ。二万円くらい?
「リー君って〜ほんとあこちん以外の女の子見てないよね〜。眼中に無いって感じ〜」
「まあ、恋愛的な意味ではどうでもいいな。もう初恋もかなっちゃったし」
「刺されちゃえ〜」
りゅう兄にはあこがいればいいもんね。
「リー君は幸せものだね〜」
「まあ、幸せだな」
「そんなリー君にお知らせで〜す」
「なんだ」
お知らせ。なんだろう。
「明日リサさんがここに来るってさ〜。良かったね〜」
「…………は?」
……え?りゅう兄とリサ姉って、確かあの時からそんなに会ってないんだよね。た、大変だ。リサ姉はりゅう兄が好きだし、もしかしたらまた告白されちゃったり………。
「頑張ってね〜」
「はぁ……マジか……」
明日は修羅場だ(確信)