いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場 作:コントラポストは全てを解決する
「あこ宇田川!竜介神楽をかけて勝負しなさい!」
「あれちゆちゃん、また遊びに来たの?」
「シット!遊びに来たんじゃないわよ!あなたを貰いに来たの。それとCHU2よ!何度言ったら分かるの竜介神楽」
友希那さんをスカウトしてたチュチュという子がやって来た。りゅう兄のギターの腕を気に入ったらしくて、今まで何度かあこに勝負を仕掛けて来ている。ちなみに言うとあこがちゃんと勝つ(ドヤ顔)
「今日という今日は、あこ宇田川に勝って竜介神楽を──」
「れおなちゃんもいらっしゃい。あ、最近できた駅前の洋菓子店でマカロン買って来たんだ。どうぞ」
「ありがとうございます。いつもいつもすみません」
「ちょっと!竜介神楽、うちのパレオをたぶらかさないでくれるかしら」
そうだそうだ。りゅう兄なに新しいうわき相手作ってるの。りゅう兄にはあこがいれば充分でしょ。早くその女から離れて。
「まあいいわ。あこ宇田川!今日はこれで勝負よ!」
「……人生ゲーム?」
「わー子供っぽーい」
「竜介神楽!あなたは黙ってなさい!」
人生ゲームって……音楽関係ないじゃん……。
「いやーそれにしても、ちゆちゃんもお熱だねー。俺の何がいいんだか」
「ふふっ。竜介さんのギター、私は結構好きですよ?」
「れおなちゃんみたいな可愛い子に言われると照れるなー」
「もう。お上手ですね」
…………。
なにいちゃついてるの。りゅう兄、早くその女から離れて。その女からは他の人達より危ない匂いがする。ていうか前まで神楽さんだったのに、なんで竜介さんになってるの。りゅう兄、いつの間にそこまでうわきしたの。
「あ、そうだ。れおなちゃん、前言ってたお菓子作り教室だけどさ、いい材料が昨日入ったんだ。今日やってかない?」
「本当ですか!やりますやります!」
りゅう兄と料理できるのはあこの特権だった筈なのに……なんで……。リサ姉ならともかく、正月に出会ったばっかのぽっと出の女なんかに……。
「あこ宇田川!次はあなたの番よ!ルーレットを回しなさい!」
「はあ……」
仕方なくあこはルーレットを回す。出た数は六で、進んだら六万円貰えた。あこは人生ゲームなんてしてる場合じゃないのに……。早くりゅう兄のうわきを止めなきゃ。れおなとかいうぽっと出からりゅう兄を引き剥がさなきゃ。
「クッキーを作る時は室温に注意するんだよ。あんまり高すぎると、生地のバターが溶けちゃうからね」
「わかりました。室温に注意っと」
「そしたら次は、生地を好きな形に切り抜いて──」
りゅう兄とれおなが隣あってお菓子作りをしている。れおな、なにりゅう兄にピッタリくっついてるの。お菓子作るだけなんだからそんなくっつかなくていいでしょ。もっと離れて。りゅう兄の半径2m以内に入らないで。
「あこ宇田川!早くルーレットを回しなさい!」
「ねえ、もうあこの勝ちで良くない?ちゆ、借金してるじゃん」
「ま、まだ分からないじゃない!勝負はこれからよ!」
れおなの事が気になりすぎて、あこの闇のオーラが溢れ出そうだ。そろそろ我慢出来なくなってきた。
「あとは生地をオーブンに入れてクッキーは完成だ。次にアイスクリームだが、今回は時短のためドライアイスを使う」
「ドライアイスですか?」
「そ。これ使うと一分でアイスが出来るんだ」
りゅう兄が取り出したドライアイスを、れおなはりゅう兄の隣でまじまじと見ていた。だからなんでそんな近いの。もっと離れてって言ってるでしょ。
「あこ宇田川!何してるの。早くしなさい!」
「あこもうゴールしちゃうよ?いいの?」
「ま、まだまだこれからよ!」
これからって……ちゆ、借金が九千万あるじゃん。それに対して、あこは一億稼いだんだよ?もうあこの勝ちでいいじゃん。あこ早くりゅう兄の所に行きたい。
「コーンフレークを砕いたらワイングラスに適量入れて、コーヒーゼリーに、今作ったアイスクリームと、さっき焼いたクッキーを乗せてミニパフェの完成だ」
「わー!こんな簡単にパフェが作れるんですね。参考になりました!チュチュ様ー、見てください!パフェですよパフェ!」
やっとれおながりゅう兄から離れた。早くりゅう兄の所に行ってれおなの匂いを取らなきゃ。他所の女の匂いが染み付いちゃったら大変だ。
「りゅう兄、お風呂入って来て」
「え、でもまだ風呂洗ってないぞ?」
「シャワーだけで良いから。一時間ちゃんと入って来て」
「一時間は長くないか?」
「なに。あこの言う事聞けないの?」
「あいあいさー」
よし。これでれおなの匂いが──
「竜介さん、どこ行くんですか?」
「ちょっとお風呂に」
「お背中お流しします!」
「パレオ!?」
──は?(ド低音)
「いやいや悪いよ」
「まあそう言わずに♪裸の付き合いとも言いますし」
「いやー、さすがに付き合ってもない女の子と一緒に入るのは……。それにれおなちゃん、まだ14でしょ?いかんよ、すぐ男の人に裸見せちゃ」
「では水着を着ましょう」
「…………まあそれなら」
ちょっとりゅう兄。
「ちょ、ちょっとパレオ!あなた何してるの!」
「何って、親睦ですよ?あ、チュチュ様も一緒に入りますか?」
「そ、そんなのはしたないわよ!」
ねえ、なにあこのりゅう兄にいろじかけしようとしてるの。それで、なんでりゅう兄は満更でもなさそうなの。どういうことなの。なんでりゅう兄はすぐうわきするの。
「りゅう兄、正座」
「え、いやでも、お風呂は?」
「正座」
「いぇすまむ」
りゅう兄とれおなをお風呂に入れさせないため、あこはりゅう兄を、れおなとちゆが帰るまで正座させた。りゅう兄が悪いんだからね。
ちなみに勝負はあこが勝った。
チュチュ様は可愛いな。
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