いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場 作:コントラポストは全てを解決する
「あ、あの!神楽先輩!一緒にギターを弾いてくれませんか!?」
「俺と?良いけど、俺そんな上手くないよ?」
「全然大丈夫です!私もまだまだなので!」
六花がりゅう兄とギターを弾くらしい。楽しみだな、りゅう兄と六花のギターセッション。でも、なんでだろう。胸の奥がもやーんってする。一応警戒はしておこう。
「神楽先輩、ギターはいつから?」
「ざっと半年前ぐらいからかな。先輩達に教わり始めたのがきっかけ。六花ちゃんはいつから?」
「わ、私は中学の時からです!」
「そっか」
「はい!」
六花、りゅう兄と話せてすごく幸せそうだ。六花はりゅう兄のファンって言ってたし、嬉しいのかな。
「あ、あの、神楽先輩。一つだけ、聞いてもいいでしょうか?」
「うん。どうしたの?」
「そ、その……マリオネットさんのライブって、もうないのかなって……ずっと思ってまして……」
マリオネット──りゅう兄がリサ姉と闘うために組んだバンド。あこも入りたかったなぁ……。なんであの時入れなかったのか、あこは今でも分からない。
「マリオネット、か。あのバンドはさ、守りたいものがあったから組んだバンドなんだ。そして、俺は守りたいものを守れた──」
りゅう兄があこの方を見た。どうしたんだろう。あこの顔になにか付いてたのかな。
「──だから、マリオネットの出番はもうない、かな。まあ、出番がない方が良いバンドなんだ。ごめんね」
「そ、そうですか……。変な事聞いてしまってすいません……」
「ううん、全然いいよ」
りゅう兄は六花の頭をなでなでした。
「神楽先輩に撫でられると、昔おじいちゃんに撫でられた時の事を思い出します……」
「そっか。似てるのかな?」
「はい……。温くて大きい手……おじいちゃんそっくりです……」
六花をなでなでしているりゅう兄を見ていると、胸の奥がモヤモヤしてくる。うわきしてる……しかも今までで1番大きいうわきだ……。
「神楽先輩の手、好きです……」
「うん。ありがと」
……ギター弾かないの?六花、りゅう兄とギター弾きに来たんじゃないの?りゅう兄のうわきも止めたいし、早くギターを弾かせよう。
「りゅう兄!TAB譜持ってきたよ!」
「ん?おお、悪いな──ってConnection rloadのTAB譜か」
「い、嫌だった?」
「全然。むしろ今の状況にピッタリだ。ありがとな」
りゅう兄が頭なでなでしてくれた。幸せだぁ……。
「それじゃぁ、弾こうか。いきなり合わせて大丈夫?」
「はい!大丈夫です!」
あこもギターを覚えたら、ああやってりゅう兄と一緒に演奏出来るのかな。ドラムは場所取っちゃうからね。大変なのだ。
____
「神楽先輩、今日はありがとうございました」
「全然良いよ、またおいで。今度はクッキーでも食べながらゆっくり話をしよう」
「はい!」
六花の目がキラキラしている。
「あ、あの、神楽先輩」
「うん?どうしたの」
「え、えっと……また来た時も、な、撫でて貰ってよろしいでしょうか?」
「うん、いいよ。それくらいお安い御用さ」
「ありがとうございます!」
六花の目、恋する女の子の目だ。そっか、六花もうわき相手になっちゃったんだね。りゅう兄は渡さないから。
「では、神楽先輩。また今度」
「うん。今度学校であったら声かけるね」
「はい、ありがとうございます。では」
こうして六花は帰って行った。さてと、りゅう兄にお話を聞きましょうかね。
「りゅう兄、せいz──」
「それにしても、あこは良い友達を持ったな。安心したよ」
「……そ、そう?…………安心?」
「いやー、高校に上がってもあこに友達が出来なかったらどうしようって考えててさ。杞憂だったから良かったよ」
「りゅう兄……」
あこの事、そこまで考えててくれたんだ……。
「さてと、夕飯の準備でもするか。何作ろーかなー」
「ま、待ってりゅう兄!」
「ん。どした?」
あこはりゅう兄がいちばん好きだ。この世にないくらいの好きをりゅう兄にあげることが出来る。けど、それを言葉に纏めるのは難しい。だから、りゅう兄の主として、恋人として、あこに出来る感謝と大好きを送ろう。
「りゅう兄、いつもありがとう!大好き!」
「うん。どういたしまして。俺もあこの事、大好きだよ」
好き(好き)