いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場   作:コントラポストは全てを解決する

29 / 53
Part27 モカモカ:ユビワ

「ねえねえリー君ー、モカちゃんと恋人ごっこしな〜い?」

「キスはなしな」

「当然だよ〜。じゃあスタート〜」

 

 モカちんがりゅう兄と恋人ごっこ?許さんぞ!りゅう兄の恋人はあこだ!モカちん、早くりゅう兄から離れて──

 

「あこちんにこれあげる〜。だからちょっとだけリー君貸してね〜」

「これは──」

 

 近くのイベント限定のNFO超レア装備ストラップ……。わいろのつもりなのだろうか。こんなものであこが……こんなもので…………こんな、もので………………

 

「……ちょっとだけだよ」

「ありがと〜」

 

 くっ……わいろに負けてしまった……。

 

「じゃあリー君ーモカちゃんと手を繋いで欲しいな〜。恋人繋ぎね〜」

「ああ、いいぞ」

 

 あこもモカちんの恋人ごっこに混ざれないかな。

 

「リー君の手、あったかいね〜」

「モカの手はやけに冷えてるな。はぁ〜」

「おぉ〜あったか〜い」

 

 りゅう兄がモカちんの手に息をはぁーってやった。ちょっとりゅう兄、何モカちんにサービスしてるの。余計な事しないで。あとあこにもやって。

 

「なんでこんなに冷えてんだ?」

「さあ〜?」

「まあ、手が冷たい人は心があったかいって言うしな。このままでも大丈夫だろ」

「いい事言いますな〜」

 

 あこはりゅう兄によく手が温かいって言われる。ということは、あこの心はもしかして……。いや、そんなことは無いはずだ。

 

「リー君の手はあったかいね〜」

「じゃあ俺の心は冷えっ冷えだな」

「リー君は心も身体もポカポカだよ〜」

「そう?じゃあ平気だな」

「だね〜」

 

 あこも心と身体がポカポカだよね。大丈夫だよね。

 

「あ、そうだ。リー君にこれあげる〜」

「お、なんだこれ──指輪?」

「指輪だよ〜」

 

 あ、あれは!NFO誓いの指輪色違いバージョン!キャンペーンのお店をスタンプラリーしなきゃ貰えない限定品だ。なんでモカちんが……。

 

「パン屋さん回ってたら貰ったんだ〜。二つあるよ〜」

「まあ、くれるって言うなら貰うけど、どこにはめれば良いんだ?」

「右手の薬指は〜?」

「もう埋まってる」

 

 えっへん。

 

「じゃあテキトーにつけとけば良いよ〜。モカちゃんは薬指につけるけどね〜」

「じゃあ、俺は左手の薬指につけとくか」

 

 りゅう兄の指輪が増えちゃった……。あことりゅう兄だけの誓いの指輪だったのに……。

 

「これでリー君とモカちゃんは夫婦だね〜」

「悪いが先約がいるんでな」

「じゃあハーレムだぁ〜。リー君モテモテ〜」

 

 あ、あっという間にりゅう兄を取られちゃった……。どうしよう……。

 

「仕方ない。まとめて面倒みてやるよ」

「わ〜い」

 

 りゅう兄はあこのなのに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ______

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モカちんが帰った後、りゅう兄は指輪を微笑みながら見つめていた。

 

「りゅう兄、その指輪外して」

「え、なんでだ?」

「りゅう兄はあこがあげた指輪だけつけてればいいの!だから外して!」

「……もしかして、妬いたのか?」

「なっ!?…………そ、そうだよ。嫉妬してるんだよ。だから外して」

「ははっ、そっか」

 

 あこが打ち明けると、りゅう兄はモカちんから貰った指輪を外した。

 

「じゃあ、この指輪はあこに預かっといて貰うよ。嫉妬しなくなったら返してくれ」

「……分かった」

 

 多分だけど、りゅう兄に指輪を返すことはないと思う。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。