いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場 作:コントラポストは全てを解決する
「竜君キスさせてー!」
「はーこれだから最近の若いもんは……」
こころが泊まった翌日。日菜ちーが家に遊びに来た…………と思っていたのだが、どうやら遊びに来た訳ではないらしい。家に来たと思ったら、いきなりりゅう兄にキスをせがんでいた。りゅう兄も困惑してる。
「あのですね日菜先輩、俺の恋人はあこなんですよ。あこ以外とキスするのなんてありえないんです」
「えーでも1回キスしてるじゃーん」
「してるじゃーん、じゃないです!ダメなものはダメ」
「えー」
うわき者のりゅう兄でも、さすがに日菜ちーのお願いは聞けないらしい。まあ、当然だよね。りゅう兄の恋人はあこなんだから。りゅう兄とちゅー出来るのはあこだけなのだ。
「まあ、いいや。それより竜君、タロット占いやらない?」
「唐突ですね。まあ、いいですけど」
「それじゃあ行ってみよー!」
日菜ちーはそういうと、どこから出したのか分からないタロットで占いを始めた。
「俺宝くじの当選番号が知りたいです」
「タロット占いはそういうのじゃないよ〜」
りゅう兄欲深い……(ちょっと引いた)
「なんだ、違うのか。あこにいっぱいゲーム買ってあげられると思ったのに」
りゅう兄大好き(大好き)
「よーし……それじゃあ…………ムム……これは!」
「何かありましたか」
「竜君に不吉な予感が迫ってる……しかも大きい」
「マジすか」
どうしよう。りゅう兄に危機が迫ってる。あこが何とかしないと…………。りゅう兄の主はあこだ。だからあこが何とかしなければ。
「で、回避方法は?あるんですよね」
「もぉ〜竜君せっかちだなぁ〜」
「はよ」
日菜ちー早く。早くりゅう兄を助ける方法を教えて。
「回避方法は、キス……だね」
あこの出番だ!
「あ、でも恋人以外でね」
えー……。なんで恋人以外なの……てゆうかそれうわきじゃ……。ダメだよりゅう兄、今月もう十一回うわきしてるんだからね。これ以上はあこも見過ごせないよ。
「恋人以外か、じゃあこころに……」
「「ちょっとりゅう兄(竜君)」」
何うわきしようとしてるの。こころとは昨日寝たからいいでしょ。それに恋人以外だったらお姉ちゃんがいるよ。お姉ちゃんだったら特別に見逃してあげる。だからお姉ちゃんを選んで。
「竜君、あたしがいるでしょー」
「えー、日菜先輩はちょっと」
「何それ傷つくんだけど」
日菜ちーがキレた。
「だいたい竜君はさー、いつもいつも乙女心がわかってないんだよー」
「彼女持ちの俺には関係ないですから」
「はーこれだから恋人持ちは……」
日菜ちーがりゅう兄みたいな事言ってる。でも、りゅう兄が正しいと思う。あこがいるりゅう兄にとって、他の女の子なんて関係ないよね。あこがいれば十分だもん。よし。
「もー竜君は──」
「はぁ……日菜先輩、もう良いですから」
「な、何が?」
「最初から仕組んであるんでしょ?そのタロットカード」
「ナ、ナンノコトカナー」
日菜ちー、すっごい棒読みだ。そっか、最初から仕組んであったのか。という事はりゅう兄の危機は嘘ということになる。良かった……りゅう兄安全なんだね。
「日菜先輩」
「あ、あははは!」
りゅう兄が怒っている。珍しく怒っている。すごいジト目だ。
「お邪魔しましたー!」
日菜ちーは帰った。結局何しに来たんだろう。
「はあ、まったく日菜先輩は……」
「りゅう兄、日菜ちーは何しに来たの?」
「うーん……俺をからかいに来たんだと思う。まあ、帰っちゃったけど。はあ……気晴らしにクッキーでも焼くか」
「あこ、チョコクッキー食べたい!」
「はいよ」
りゅう兄がクッキーを作ってくれた。美味しかったです。