いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場   作:コントラポストは全てを解決する

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Part29 神楽竜介という人は──:②

 今日はりんりんと一緒に音声チャットでNFOをしている。

 

「りんりん見て見て!りゅう兄がハイパーハイポーションくれた!」

「ふふっ……。良かったね、あこちゃん……」

 

 アイテム屋だと100万ゴールドは下らないハイパーハイポーションだ。りゅう兄に感謝カンゲキ雨嵐。やった。

 

「早速、使いに行く……?」

「ううん。これは取っておくんだ。りゅう兄がくれたプレゼントだから」

「あこちゃんは、本当にりゅっ君が好きだね……」

「だってあこの婚約者だもん。大好きで当然だよ」

 

 指輪もあげた、あこの婚約者。あこの大好きな人だ。

 

「羨ましい……」

「……りゅう兄は渡さないよ」

「あはは……。大丈夫だよ……」

 

 本当かなぁ。りんりんは一回りゅう兄を押し倒してるし、信用ならない。でもりんりんだから特別に信じてあげる。

 

「りんりんって、男の子と女の子、両方好きなんだよね?あことりゅう兄、どっちも好き」

「うん……。そうだね……」

「なんであこを好きになったの?」

「うーん……、そうだなぁ……」

 

 あこが中学三年生に上がった時、りんりんに告白された。それで、あこはその告白を断った。

 

「あこちゃんは、いつも元気で、私を引っ張ってくれる……から、かな……。こんな引っ込み思案な私を、あこちゃんは色んなところに連れてってくれた。それが嬉しかったんだ……」

「そっか。じゃあじゃあ、りゅう兄を好きになった理由は?」

「そうだね……──」

 

 りんりんがりゅう兄を好きになった理由、とっても気になる。悪い人から助けて貰ったりしたのかな。

 

「あこちゃんは、同性愛ってどう思う……?」

「どうせいあい?」

「男の子なのに、男の子が好きだったり、女の子なのに、女の子が好きな人の事だよ……」

「うーん…………。あこは良いと思うよ!誰かを好きになるって、とっても素敵な事だと思う!」

「うん、そうだね……」

 

 りゅう兄を好きになって分かった。誰かを好きになるってとってもとってもいい事だと思う。

 

「でもね、あこちゃん……。この世界にはね、それをよく思わない人達がいるんだ……」

「そうなの?」

「うん……。気持ち悪いって思われたり、変だって言われた事もあった……。お母さんやお父さんにもね、おかしいからやめなさいって言われた……」

「酷い!」

「うん、ありがとう……」

 

 どうせいあいだって素敵なのに、どうしてそんな酷い事を言うの。信じられない。

 

「誰も、味方はいないって思ってた……──」

「りんりん……」

 

 あこはどうせいあいに賛成だ。さっきも言ったけど、誰かを好きになる事はとても良いことだと思うもん。

 

「──でもね、りゅっ君は違ったんだ」

「りゅう兄が?」

 

 さすがりゅう兄。

 

「私の持つ歪な愛情を、当たり前だって言ってくれた……。それでね、あこちゃんが好きなことを打ち明けたら、私の事をライバルだって言ってくれたんだ……」

「りゅう兄……」

 

 あこの知らないところでそんな事してんだ。りゅう兄はいつでも優しい人だね。

 

「嬉しかった……。今まで誰も認めてくれなかったから……」

「良かったね、どうせいあいを認めてくれる人がいて」

「うん……」

 

 りんりんのどうせいあいが認めて貰えてあこは嬉しい。

 

「りゅう兄は、どうせいあいを受け入れてくれる人なんだね」

「うん……。本当に、りゅっ君は良い人だよ……。だからね、あこちゃん……──」

 

 なんだろう。

 

「りゅっ君の手、絶対に離しちゃダメだよ?」

「うん、当然だよ!りゅう兄の手はもう絶対離さないからね!」

 

 繋ぐ契約に誓って、りゅう兄の手は絶対離さない。

 

「あこちゃんがりゅっ君の手を離したら、私が貰っちゃうから……。気をつけてね……」

「りゅう兄は渡さないよ!」

「うん……。頑張って……」

 

 りゅう兄は絶対渡さない。いくらりんりんでも、負けたりなんかしてあげない。あこはこのままりゅう兄の手を引っ張って、一緒のお墓に入るのだ。だから、りんりんにも、他の誰にも、りゅう兄は渡さない。いつまでもいつまでも、りゅう兄はあこのものなのだ。

 

「ただいまー」

「あ、りゅう兄が帰って来た。りんりん、一回落ちるね」

「うん、また後で……」

 

 りゅう兄のお出迎えをしなくちゃ。

 

「りゅう兄、おかえり!」

「おう。ただいま──って、なんか嬉しそうだな。いい事でもあったのか?」

「なんでもなーい♪」

 

 りゅう兄が素敵な人だって改めて認識できた。それがたまらなく嬉しかったけど、このことはりゅう兄に内緒だ。あこの胸の内に留めておこうと思う。

 

「りゅう兄、今日の夕飯はどうしよっか?」

「うーん、そうだなぁ──」

 

 あこが掴んだりゅう兄との幸せな日常。絶対に手放さないようにしよう。

 

 

 

 

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