いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場 作:コントラポストは全てを解決する
今日はりんりんと一緒に音声チャットでNFOをしている。
「りんりん見て見て!りゅう兄がハイパーハイポーションくれた!」
「ふふっ……。良かったね、あこちゃん……」
アイテム屋だと100万ゴールドは下らないハイパーハイポーションだ。りゅう兄に感謝カンゲキ雨嵐。やった。
「早速、使いに行く……?」
「ううん。これは取っておくんだ。りゅう兄がくれたプレゼントだから」
「あこちゃんは、本当にりゅっ君が好きだね……」
「だってあこの婚約者だもん。大好きで当然だよ」
指輪もあげた、あこの婚約者。あこの大好きな人だ。
「羨ましい……」
「……りゅう兄は渡さないよ」
「あはは……。大丈夫だよ……」
本当かなぁ。りんりんは一回りゅう兄を押し倒してるし、信用ならない。でもりんりんだから特別に信じてあげる。
「りんりんって、男の子と女の子、両方好きなんだよね?あことりゅう兄、どっちも好き」
「うん……。そうだね……」
「なんであこを好きになったの?」
「うーん……、そうだなぁ……」
あこが中学三年生に上がった時、りんりんに告白された。それで、あこはその告白を断った。
「あこちゃんは、いつも元気で、私を引っ張ってくれる……から、かな……。こんな引っ込み思案な私を、あこちゃんは色んなところに連れてってくれた。それが嬉しかったんだ……」
「そっか。じゃあじゃあ、りゅう兄を好きになった理由は?」
「そうだね……──」
りんりんがりゅう兄を好きになった理由、とっても気になる。悪い人から助けて貰ったりしたのかな。
「あこちゃんは、同性愛ってどう思う……?」
「どうせいあい?」
「男の子なのに、男の子が好きだったり、女の子なのに、女の子が好きな人の事だよ……」
「うーん…………。あこは良いと思うよ!誰かを好きになるって、とっても素敵な事だと思う!」
「うん、そうだね……」
りゅう兄を好きになって分かった。誰かを好きになるってとってもとってもいい事だと思う。
「でもね、あこちゃん……。この世界にはね、それをよく思わない人達がいるんだ……」
「そうなの?」
「うん……。気持ち悪いって思われたり、変だって言われた事もあった……。お母さんやお父さんにもね、おかしいからやめなさいって言われた……」
「酷い!」
「うん、ありがとう……」
どうせいあいだって素敵なのに、どうしてそんな酷い事を言うの。信じられない。
「誰も、味方はいないって思ってた……──」
「りんりん……」
あこはどうせいあいに賛成だ。さっきも言ったけど、誰かを好きになる事はとても良いことだと思うもん。
「──でもね、りゅっ君は違ったんだ」
「りゅう兄が?」
さすがりゅう兄。
「私の持つ歪な愛情を、当たり前だって言ってくれた……。それでね、あこちゃんが好きなことを打ち明けたら、私の事をライバルだって言ってくれたんだ……」
「りゅう兄……」
あこの知らないところでそんな事してんだ。りゅう兄はいつでも優しい人だね。
「嬉しかった……。今まで誰も認めてくれなかったから……」
「良かったね、どうせいあいを認めてくれる人がいて」
「うん……」
りんりんのどうせいあいが認めて貰えてあこは嬉しい。
「りゅう兄は、どうせいあいを受け入れてくれる人なんだね」
「うん……。本当に、りゅっ君は良い人だよ……。だからね、あこちゃん……──」
なんだろう。
「りゅっ君の手、絶対に離しちゃダメだよ?」
「うん、当然だよ!りゅう兄の手はもう絶対離さないからね!」
繋ぐ契約に誓って、りゅう兄の手は絶対離さない。
「あこちゃんがりゅっ君の手を離したら、私が貰っちゃうから……。気をつけてね……」
「りゅう兄は渡さないよ!」
「うん……。頑張って……」
りゅう兄は絶対渡さない。いくらりんりんでも、負けたりなんかしてあげない。あこはこのままりゅう兄の手を引っ張って、一緒のお墓に入るのだ。だから、りんりんにも、他の誰にも、りゅう兄は渡さない。いつまでもいつまでも、りゅう兄はあこのものなのだ。
「ただいまー」
「あ、りゅう兄が帰って来た。りんりん、一回落ちるね」
「うん、また後で……」
りゅう兄のお出迎えをしなくちゃ。
「りゅう兄、おかえり!」
「おう。ただいま──って、なんか嬉しそうだな。いい事でもあったのか?」
「なんでもなーい♪」
りゅう兄が素敵な人だって改めて認識できた。それがたまらなく嬉しかったけど、このことはりゅう兄に内緒だ。あこの胸の内に留めておこうと思う。
「りゅう兄、今日の夕飯はどうしよっか?」
「うーん、そうだなぁ──」
あこが掴んだりゅう兄との幸せな日常。絶対に手放さないようにしよう。