いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場   作:コントラポストは全てを解決する

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Part31 キスキス:ひなちー

「竜君キスさせてー!」

「ひなちー……」

「あれ。竜君お留守?」

 

 ひなちーが来た。りゅう兄とちゅーするつもりで来たらしい。残念だけど今はりゅう兄がいない。

 

「りゅう兄ならこころに連れられて南アフリカにいるよ。ヘラクレスオオカブト取るんだって。今日は帰って来ない」

「へー面白そうだねー」

 

 りゅう兄がいない家はなんだか寂しい。ニャン吉しかいない。

 

「ひなちー、泊まってく?」

「着替えないよ?」

「りゅう兄の着る?ちょっとダボダボだけど」

「いいの!?」

 

 すごい食いつきだ。

 

「竜君のパジャマかー。いい匂いしそうだね」

「りゅう兄はいい匂いするよ。甘いお花の香り」

「楽しみー。今夜はパジャマパーティーだ!」

「わーい!」

 

 パジャマパーティー。なんていい響き。りゅう兄とかお姉ちゃんとかでは出来ない特別なイベントだ。今日の夜が楽しみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜になった。今はあこの部屋でひなちーと話してる。

 

「ねえねえあこちゃん」

「なに、ひなちー」

「男の人の身体って、どうなってるのー?」

「男の人の、身体?」

 

 そんなのあこにもよく分からない。

 

「あこちゃん、竜君の裸見たことあるんだよね。どうだった?」

「あこの身体とそんなに変わらなかったよ?」

「でも男の人ってちんちんついてるよねー。どんな感じ?」

「えっと、普通の時はフニフニしてて、触るとすごく大きくなる」

「へー」

 

 15センチ定規に収まりきらないぐらいに大きくなるよ、りゅう兄のは。

 

「精液ってほんとに白いの?」

「白いよ。それと、苦くてドロドロしてる」

「あんまり美味しくないんだね」

「うん。美味しくない」

 

 あこもせーえきはそんなに好きじゃない。

 

「うーん……あとあこちゃんに聞きたい事……。あこちゃんって竜君とエッチする時どうやってしてるの?竜君が動いてる?」

「あこが動いてるよ」

「へー。竜君、あんまり男らしくないね」

「そう?」

 

 りゅう兄が動かないと男らしくないのだろうか。

 

「はー、あたしも彼氏欲しいなー」

「あこのクラスに男の子少しだけいるよ?」

「竜君みたいな人いるー?」

「……いない」

 

 りゅう兄みたいに可愛くて、家事ができて、優しい人なんてあこのクラスにはいない。皆男の子って顔してるし、料理はしないって言ってたし、割とすぐ怒る。そしてめんどくさがり屋さんが多い。

 

「あー竜君みたいな彼氏欲しいなー。ねえねえあこちゃん、竜君ちょうだい」

「ダメ」

「ケチんぼー」

 

 ケチとかそういう話しじゃないと思う。

 

「あたしも竜君とキスするところまでは行けたんだけどなー。エッチが出来たら完璧だったのにー」

「……ねえ、なんでりゅう兄とひなちーはキスしたの?」

「内緒♪」

「教えて」

「あ、あこちゃん?目が怖いよ?」

 

 ねえ、なんでりゅう兄とキスしたの。

 

「ねえ、なんで」

「わ、わかった。言うよ、言うから」

「……」

「もう、強引だなぁ」

 

 早く教えて。

 

「あたしがね、無理やりキスしちゃったんだ。竜君は悪くないよ」

「そっか。りゅう兄からしたわけじゃないんだね」

「うん。竜君は無実」

 

 良かった。りゅう兄はうわきしてなかったんだね。

 

「それにしても、竜君ってほんとお人好しだよねー。バカなあたしを気遣って天文部に入ってくれちゃうんだから」

「そうなの?」

「そうそう。竜君が天文部に入ってから、だいたいの事は竜君に任せきりになっちゃってさー。竜君に部長の座を渡しちゃいたいよ」

 

 天文部……あこも入ってみようかな。

 

「あ、ちなみに言うともう部員は募集してないよ」

「え、なんで?」

「だって、せっかく竜君と2人きりになれる場所があるのに、それを壊すバカな事するわけないじゃん」

「ひなちー、りゅう兄の事そんなに好きなの?」

「当たり前じゃん」

 

 堂々と言わないでよ。

 

「竜君とあたしは相思相愛なんだよ」

「りゅう兄とそーしそーあいなのはあこだよ」

 

 あことひなちーの間にヒバナが散る。

 

「じゃあ、勝負しよっか」

「どうやって?」

「竜君に選んで貰うの。電話で」

 

 りゅう兄に電話……でも、りゅう兄は今外国にいる。どうやって電話するのだろうか。

 

「りゅう兄にどうやって電話するの?」

「あたしのスマホ、国際通話できるからかけてみよう!」

 

 ひなちーはそう言うと、スマホをスピーカーモードにしたあとりゅう兄に電話を掛けた。

 

『もしもし日菜先輩?どうしたんですか?』

「あ、竜君?ちょっと聞きたいことがあるんだけどさー」

 

 少しノイズが入ってるけど、りゅう兄と繋がった。

 

「あたしとあこちゃん、竜君はどっちが好き?」

『究極の2択ですね』

 

 あこって言ってよ。りゅう兄のばか。

 

『うーん……好きってどういう好きですか?友達としてなら日菜先輩ですけど、恋人としてならあこですよ?』

「心の底から愛してるのはどっち?」

『難しい事言いますね』

 

 難しくないよ。あこって言えばいいんだよりゅう兄。さあ、早く。早くあこの名前を出して。かもん。

 

『まあ、強いて言うなら、俺は皆愛してますよ。友達も恋人も、俺が持つ交友関係の全てを』

「誰か1人を選んでよー」

『そうなるとあこになりますが──』

「ダメ。あたしにして」

 

 ちょっとひなちー、邪魔しないで。今りゅう兄があこを選ぼうとしてくれてるんだから。

 

『もしかして日菜先輩、自分の名前を言って欲しいだけ──』

「……好きな人には愛してるって言って欲しいじゃん……」

『可愛いですね、日菜先輩』

「か、かわ──もう!竜君!」

 

 …………。

 

『はぁ……しょうがないですね。今回だけは特別に日菜先輩を選んであげますよ。あこには内緒ですよ?』

「……そ、そうだねー……」

「……」

 

 へぇ、ほぉ、ふーん。

 

「りゅう兄」

『…………あ、あこ?え、なんで……。日菜先輩、今どこにいるんですか』

「竜君の家」

『あー……なるほど……。え、いや、違うんだあこ』

「違くないでしょ。りゅう兄のばか」

 

 りゅう兄なんかもう知らない。

 

「りゅう兄、もう家に入れてあげない。こころとカブトムシでも取ってればいいじゃん」

『い、いや、これには深い訳が──』

「知らない」

 

 あこは電話を切った。りゅう兄なんてアマゾン川に流されたあと、サハラ砂漠で遭難しちゃえばいいんだ。

 

「あ、あこちゃん……良かったの?」

「りゅう兄が反省するまであこは許さないよ」

「そ、そっか……」

 

 さてと、いい時間だしそろそろ寝ようかな。

 

「ひなちー、そろそろ寝よう。もう0時回っちゃったし」

「そ、そうだねー」

 

 あこは布団を2人分敷いて、電気を消した。いい夢が見られるといいな。

 

 りゅう兄はあこよりひなちーが好きな人だ。あこは怒である。

 

 

 

 

 

 

 

 それから1週間後にりゅう兄は帰ってきた。家にりゅう兄を入れないと意気込んでたあこだったが、りゅう兄のいない寂しさに耐えられず、帰って来たりゅう兄を家に通してしまった。あこも精神修行が足りない。

 

 

 

 

 

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