いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場   作:コントラポストは全てを解決する

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Part33 りゅう兄の愛は重い:けどあこの愛はもっと重い

「あこが可愛いのおおおぉぉおおおッ!!!!」

「りゅ、りゅっ君……?」

 

 どうしよう、りゅう兄が壊れた。

 

「見て!この可愛い俺の彼女を見て!くるくるくせっ毛ツインテに綺麗な赤いお目目、抱きしめたらすっぽり収まるこのちっちゃい身体を見て!好き!好きッ!!!(挨拶)」

「も、もう……。やめてよりゅう兄……」

「りゅっ君、落ち着いて……」

 

 あこの身体を抱きしめて、りゅう兄がいっぱいなでなでしてくれる。あ、これ以上されたらあこダメになっちゃうぅ……。

 

「なんでこんな可愛くなっちゃったんだよー……昔は俺より背が高くてかっこよかったくせに……ずるいぞ!この魔王様め!」

「あ、あこに言われても……」

「りゅっ君、どうしちゃったの……?」

 

 りゅう兄があこを抱きしめて離してくれない。嬉しいけど……りんりんの前だとちょっと恥ずかしい……。

 

「うー可愛い、可愛いよ〜。いっぱいギューってしてやる。それギュ〜」

「りゅ、りゅう兄……苦しいよ……」

「お、そうだったか。でもやめなーい」

 

 本当はそこまで苦しくないけど、りんりんの前だから恥ずかしくて言ったのに……。りゅう兄はやめてくれない。恥ずかしい……。

 

「あこの唇はプクッとしてて可愛いな」

「え、りゅうに──」

「んっ……」

「んむッ!?」

 

 りゅう兄にちゅーされちゃった。りんりんの前なのに……。

 

「りゅ、りゅう兄、どうしたの?なんかおかしいよ?」

「そうか?俺はいつも通りだぞ?いつも通り、あこを大事にして、あこだけを見て、あこの事だけを想って、大好きをいっぱいあこに送る。そうしてるだけだ」

 

 やっぱりりゅう兄がおかしい。いつもは一言好きって言うだけなのに、今日は凄く細かく言ってくる。あことりゅう兄は通じあってるから、一言好きと言えばそれで良いのだ。なのに、今日は言葉にして来た。絶対おかしい。なにか裏が──

 

「あこちゃん、これ……」

「りんりん?」

 

 あこがりゅう兄の態度に困惑していると、りんりんが台所からなにかの包み紙らしきものを持ってきた。紙には英語でなにか書いてある。

 

「りんりん、これなんて書いてあるの?」

「これは……ウィスキーボンボン、だね……」

「うぃすきーぼんぼん?」

「お酒入りのお菓子の事だよ……」

 

 お酒入りのお菓子?それが今のりゅう兄となにか関係があるの?

 

「もしかしてりゅっ君、これを食べたんじゃ……」

 

 うぃすきーぼんぼんを食べただけでこうなっちゃうの?どういうこと?あこおバカだからわかんないよ……。

 

「りゅっ君、酔っ払ってる……」

「よっぱ……え?」

「あこー膝枕してー」

 

 りゅう兄、酔っ払ってるの?飲み会帰りのお父さんみたいになってるって事?

 

「どうすればりゅう兄は元に戻るの?」

「こればっかりは、時間に任せるしかないかな……」

「膝枕ー」

 

 時間……あとどのくらいりゅう兄の相手をしていればいいんだろう。

 

「あこー膝枕ー」

「りゅっ君、私で良かったら、膝枕しよっか……?」

「やだ。あこが良い」

「……」

 

 りゅう兄が、うわきをしなかった……。どういうこと……あ、酔っ払ってるからか。酔っ払ってると、りゅう兄はうわきをしな、い?

 

「膝枕ー」

「……ちょっとだけだよ?」

「やったー」

 

 あこに膝枕を頼むりゅう兄の姿は、子供みたいでなんだか可愛いかった。ずっとこのままでもいいかもしれない。

 

「あこー、撫でてー」

「もう、甘えん坊さんなんだから」

 

 子供みたいなりゅう兄を撫でる。なんだかお姉ちゃんになった気分だ。

 

「……Zzz」

「……寝ちゃった」

「あこちゃん、私もりゅっ君に膝まくr──」

「ダメ」

「最後まで、言わせて欲しいな……」

 

 うわきはあこが許さない。

 

 

 

 

 

 

 

 _____

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかしい、さっきまでの記憶がない……」

 

 あこの膝枕から目覚めたりゅう兄は、いつも通りのりゅう兄に戻っていた。

 

「あこ、俺今日何してたっけ?」

「……内緒」

「えー、気になるなー……」

「りゅう兄、好き」

「ど、どうしたんだ急に……。まあ、俺も好きだよ」

「うん。いつも通り」

「???」

 

 良かった。いつも通り、通じあってるりゅう兄との関係に戻れた。酔っ払ってるりゅう兄も良かったけど、やっぱりいつものりゅう兄の方がいいや。

 

「りゅっ君……!」

「おう、燐子……って、何で正座してるんだ?あこに説教でもされてたのか?」

「違うよ……。膝枕……!」

「え?」

「膝枕、してあげる……!」

 

 おっと。

 

「え、良いのか?俺何もしてないぞ?」

「良いよ……。おいで……」

「じゃあ、ちょっと失礼して」

 

 まあ、いつものりゅう兄ならうわきもするよね。でも、あこはりゅう兄がうわきをしない方法、もう知ってるんだから。

 

「りゅう兄、あーん」

「あむッ……なんだこれ、変な味がする。あこ、何食わせたんだ?」

「ふふっ、それはね──」

 

 あこはりゅう兄がりんりんに膝枕される前に、台所から持ってきたあるものを食べさせた。それは──

 

 

 

「うぃすきーぼんぼん、だよ♪」

 

 

 

 

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