いちばん小さな大魔王!せかんどし〜ずん:りゅう兄のうわき現場 作:コントラポストは全てを解決する
「竜介、遊びに来たぞ」
「おう。いらっしゃいませー」
有咲が遊びに来た。りゅう兄嬉しそうだ。りゅう兄と有咲は幼なじみらしいし、嬉しいのかな。あこも有咲と会えて嬉しい。それに、有咲だったら安全だから大丈夫。りんりんみたいにいろじかけしないし、りゅう兄も有咲だと何故かうわきしない。今日は安心して一日を過ごせそう。
「遊びに来たっつっても、うち何もないしな……。まあ、クッキーでも食べながらいとばた会議にでも洒落こむか。今紅茶入れるから」
「ゆっくりでいいぞ」
どうやらこれからあふたぬーんてぃーというものをやるらしい。なんか、おしゃれでかっこいい……。あこも混ぜて!(無邪気)
「はい、紅茶。さてと、なんの話からしようか…………そう言えば最近魚屋のおじちゃんが腰やってさー。奥さんが頑張って店仕切ってたんだけどやっぱり辛そうで。そんで俺がヘルプに入ったら近所のおばちゃん達が飴玉くれてな。それ食いながら商売してたらおつかいの沙綾が来てさ、パンくれたんだよ。食パン。それでトースト作ったら上手いのなんの。俺も沙綾ん家で一時期パンの作り方習ってたから調子乗ってたけど、本家を知って思い知らされたよ。やっぱり本物なんだなって。まあそれはそれとして。沙綾から貰ったパンで作ったトーストあこに食わせたらさ、めっちゃ幸せそうな顔するんだよ。もうこの世にないってほどの顔でさ、それはもう可愛いわけ。そんでさ、俺思ったんだよ。沙綾ん家で本気で修行すれば俺もこの顔を引き出せるのかなって。そしたらいつでもあこのあの顔を拝めるわけじゃん?最高じゃね?今度沙綾ん家に本気で交渉しに行こうかなって思うんだけどどう思う有咲」
「お、おう。良いんじゃねーか?」
りゅう兄、早口で何言ってるのか全然分からなかった……。これが主婦(夫)の力。でも、なんか最後あこの事話してなかった?あこの顔がどうって。なんだろう。なにか顔に付いてたのかな。
「やっぱり有咲もそう思うよな。けどさ、最近ネットで調べたんだけど、自営業の家に修行に行くのって、その家を継ぐ事が前提の話なんだよな。で、その方式で俺が沙綾ん家に行くと、やまぶきベーカリーを継がなきゃいけないわけだ」
「……ん?待てよ?という事は?」
「俺が沙綾に頼んだ瞬間、俺の二股が確定する」
「うわー……」
つまり、りゅう兄うわきするって事?なに、あこに正座されられるから事前告知ってことなの?りゅう兄、後で正座ね。
「何とかして沙綾の家を継がずに、沙綾の家の技術を盗める術はないだろうか?」
「普通に、友達として沙綾に頼んでみれば良いんじゃねーか?沙綾だったらそれくらい引き受けてくれるだろ?」
「勘違いされたりしないかな?」
「勘違い?」
「ほら、沙綾って俺の事好きらしいし……」
「おま……知ってたのか?」
「去年知った」
確かにさーやはりゅう兄が好きだ。ほうようりょくもあるし、きっとりゅう兄との相性も良いのだろう。けど、それはそれ、これはこれ。りゅう兄はあこのものだ。うわきは許さないよ。
「まあ、沙綾ならそこら辺わきまえるだろ」
「うーんまあ、そうか。よし、今度頼んでみよ」
りゅう兄がさーやとうわきする事が決定した。絶対に阻止してやる。