名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿   作:三柱 努

16 / 82
三年前に殺された望月美奈子さんの仇を取るため、その犯人候補になる教師3人を呼び出した私・米原晃子。
三年前の事件をしつこく取材していた記者を呼びつけて3人に三年前を思い出させて、ミ・ナ・コのミ・ナまで用意したところで、あと一押し。

殺人犯を揺さぶり炙り出す一押しを。

夕飯前に準備してやるわ。


ベッドシーツを敷いてからね!


スキーロッジ殺人事件 【後編】(コナン)

さて、今からトリックを仕掛けるわ。

仕掛けは簡単。タコ糸と輪ゴムで死体を固定。

寒さで劣化した輪ゴムが切れたら、呼び鈴を押す位置に倒れるようにセッティング。

こうすると、時間差で“皆で団欒中に、外部犯が死体で呼び鈴を押させて逃げた”ってことになるの。

 

 

その後、みんなで夕食。もちろん記者も一緒に。

「すみませんねェー、あたしの分まで用意してもらって。だが、あたしゃ三年前の事は忘れませんぜ」

うん、記者が良い仕事してくれてる。3人とも三年前の事件を思い出して嫌な顔してる。

望月さんのことが脳裏に浮かんでる。

もっと煽って煽って。

 

 

ピンポーン

 

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン

 

 

待ってました杉山死体。

首に縄の跡と手の甲の「コ」の文字。

私と鈴木さんの襲撃事件と同一犯ってメッセージも伝わって。

 

「うあああああ」

判明しました。殺人犯は下田先生でした!

顔を真っ青にして部屋に閉じこもったわ。確定ね。

 

 

良かったのは、やっぱり3人の中に殺人犯がいたこと。

殺人犯がちゃんと反応してくれたこと。

もしこれで無反応だったら、殺人犯が3人の中に居なかったのか、リアクションしないくらいの冷酷人間ってこと。

どっちにしても、私の今までの苦労が無意味になるところだったもの。

 

残念なのは、下田先生だったこと。

笑い話が台無し・・・なんてのはどうでもいい話で。

嫌なのは下田先生の部屋が階段のすぐ隣の、見通しの良い場所にあることよ。

このせいで殺すために部屋に入ったときに、誰かに目撃されちゃうリスクがあるの。

 

リスキー。

それでもやらなきゃ。

 

 

とはいえ急がなくてもOK。どうせ逃げ場なんて無いんだし。できそうなときに殺る。

 

まずは下田先生に「犯人が分かった。教えてあげるから部屋に入れて」って電話して。

それから皆に『部屋にカギをかけて仮眠を取りましょう』って提案して。

下田先生の部屋に入って、カツラでキュキュッと絞殺。

あとは携帯のアラームをセットして退室。

 

 

「きゃああああ」

 

予定通りにアラームホイホイされた中村先生の悲鳴が別荘に響き渡る。

予定外に、眼鏡のボウヤがずっと階段の下にいたってことで、記者がズケズケと割り込んできたわ。

「なるほど、そのガキがいってる事が本当なら、犯人は、おたくら三人のうちの誰か。しかも御丁寧に、まだ凶器の縄を持ってるって事になりますねぇ」

 

あんなに準備したトリックが・・・無駄骨!?

しかも、私が呼んだ記者が急に探偵に変貌!?

殺して数分で大ピンチよ。

 

 

だけどまだ終わりじゃないわ。

だって凶器は縄じゃなくてカツラだもの。

それさえバレなければ問題なし。

 

そして始まる身体検査。

毛利さんの手でこの寒いのにスッポンポンにされて、カツラを守りきったわ。当然、3人とも無罪。

「となると考えられるのはただ一つ。このガキがウソをついてるって事だ」

記者の迷推理が炸裂して、ボウヤをウソつき呼ばわりで一件落着。

でもね、ボウヤは多分ウソついてないわ。それなのにこんな悪人面の大人に責められるなんて、嫌な思いさせちゃったわね。ゴメン。

 

 

その後、目を覚ました鈴木さんが予定通りに私のアリバイを証言してくれたわ。

「ホントよかった。先生が無事で」

さらに私のことを褒める褒める。

襲ったの私なのに。巻き込んじゃって本当ゴメン。

 

「悪いのは犯人ですよ」

「そうそう、そうやって三年前も生徒にかばわれてましたよね?」

こんなしんみりムードに割り込んでくるのが探偵記者。

割り込んでくんなお前!

 

というか、もう記者の役目は終わりなんですけど。

用済みなのに、すっごいストレス源。

誰よコイツ呼んだの。

私よ!

 

 

その後、殺人鬼が別荘の周りに潜んでいるから、みんなでリビングに集まって警察が来るのを待とうってことになったわ。

やっと終わる。

ウザい記者と一緒に夜を明かすのはストレスだけど、あとちょっとの我慢。

そんな頃に、ボウヤを探しに行った毛利さんが戻ってきたわ。

「犯人が分かった」ってね。

 

 

 

 

 

ん???

 

「三つの事件を起こした犯人が、たった今わかったのよ」

『        …』

「そしてその犯人が…」

『           !!』

「この中にいるって事もね!!」

なんか妙な間を置いた話し方で、毛利さんが急に探偵を始めたわ。

この娘、さっきまで幼馴染の高校生探偵がいてくれたらなって、他力本願してたばかりじゃない。探偵してた素振りなんて一切見せなかったのに!?

 

そこに出しゃばってくるのは、私の迷探偵・新聞記者。

「まちがっていた時の覚悟はできてるんでしょーな? 名誉棄損で訴えられるのは当然の事。あたしが新聞で書きたてれば、ヘタすりゃ退学だ。そのくらいの覚悟はできてますよねぇ?」

記者は毛利さんの推理に対してプレッシャーかけ始めたわ。ウザっ。

 

 

一つ良いかしら? もちろん私が犯人ってことを差し置いて。

これって、言論の自由への干渉じゃない? 退学なんて大きすぎるデメリットを提示して、高校生の自由な発想を抑え込もうとしてるの?

ヘタすりゃ退学なら、ヘタしないようにあなたが新聞で書きたてなければいいだけの話。小学生でも分かる解決策あるのに。

 

このBADなマスコミュニケーション。いつも自分たちが逆の立場で嫌な思いしてるからって、女の子を言葉でいじめて。

だから”マスゴミ”って揶揄されるのよ!

 

 

でもそんなストレス社会の厳しい風に立ち向かうのが、私の元・教え子の毛利さん。

「フッ、書きたければ書きなさいよ。『名探偵・毛利小五郎の娘、雪山の別荘で殺人事件を見事解決する』ってね!」

大見得切ったわね毛利さん。

 

だけど、もし正解なら私にとって最悪。

不正解なら毛利さんにとって最悪。

そして記者はどっちにしても記事になるから百利あって一害なし。

 

うわぁ・・・最悪すぎる状況。

 

 

そんな中でもお構いなしに咲き乱れる毛利さんの推理。

正解してる。

百点の花丸ものの正解率よ。

鼻高々にドヤ顔して、私を追い詰めてくる毛利さん。恐ろしい子!

反論するとすれば、あくまで“外部犯でなくても再現可能”って範囲だけ。ってことね。

 

 

「杉山先生と下田先生を殺害し、そして米原先生と園子を襲ったその犯人とは」

来る!? 

毛利さんの推理が

 

 

 

 

・・・来ない?

 

今まで饒舌だったのに、ここに来て急に口が止まったわ。どうしたのかしら?

 

 

すると毛利さんは急に目に涙を浮かべて言い放ったわ。

「は、犯人は、米原先生あなたです!」

 

そこから悲しげに語られ始める毛利さんの名推理。

決定的な証拠はカツラに付着した下田先生の血。

 

 

 

こうして、謎は全て解かれた。

 

 

 




いかがでしたでしょうか? ストレス満載のスキーロッジ殺人事件。


こうやって解かれたことでやっと楽になったわ。


敗因は絞殺にこだわった事かしら? 
望月さんの仇を討つには、これしかなかったから。
まさか抜けた毛を見落としていたなんてね。

あとは手元が狂って下田先生を瞬殺できなかったことも。

そうよ。焦っていたのが敗因!
つまりストレスのせい!
つまり、あの記者のせい!
真の敗因は、呼んだ記者のチョイスミスなのよ。


わたしに次ぐ犯人たちに警告するわ。
殺人事件に誰か呼ぶなら、呼ぶ人はちゃんと吟味しなさい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。