名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿   作:三柱 努

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友情、恋愛、ミステリー。その約束があるから頑張れる!
今日の事件はトラウマ事件。そしてコナンの最後の日?
たった一つの真実隠す。見た目は平気、中身はドキドキ。それは犯人!



図書館殺人事件(コナン)(リクエスト回)

ここは米花町。日本屈指の犯罪発生率を誇る犯罪都市。

殺人事件は週1、傷害・窃盗等の重犯罪は週2、爆破等のテロは月1の頻度で発生している。

検挙率は9割9分を誇るとはいえ、それでも心の平穏なんて訪れないし、安心して熟睡できない。

全国的平均7~8倍の行方不明者発生、という町がどこかにあるらしいがかわいいものだ。

 

そんな町の図書館で、私・津川秀治は館長をしながら、麻薬の密売をしている。

サラッと凄い話をブッこんできたなぁ。と思った貴方は“正常”だ。

 

 

前置きした通り、この町は“異常”だ。

犯罪者の溜まり場であることもそうだが、それは犯罪者以外の一般町民についても言える。

慣れてしまっているのだ。事件に。犯人に。

普通の町なら殺人事件が発生して犯人が逮捕されるまで2~3日かかったとして、その間は殺人犯が逃亡していることで町中が騒然とするもの。小学生は保護者同伴の集団登下校が通常だろう。

ところが米花町は騒がない。子供だけで平気で街を出歩き、近所で殺人事件が起きたら周囲に野次馬が群がる。

だから、麻薬を見つけても背後を警戒しない。

 

 

この日の残業時間中、図書館職員の玉田が密売麻薬を見つけてしまった。

だから私は玉田の首を絞めて殺した。

殺せた。

職場で麻薬見つけたら、普通は「同僚に犯人が!?」って警戒心MAXになってもおかしくないだろう。

なのに無警戒。年配の私でも簡単に背後取れるくらいの無警戒。

もはや殺した側が驚く事態。この町じゃ突然殺されるなんて驚かない事態なのかもしれないが、逆のパターンはむしろドン引きだ。

 

さて、ここで疑問に思う人もいるだろう。

冒頭説明した通り、この町の犯罪検挙率は9割9分。犯罪者にとって住みにくい町第1位。

そんな町で、私がどうやって麻薬の密売を継続できているか。

発想は非常に簡単。児童書コーナーの棚に隠しているのさ。

用意するのは背表紙の無い本。それを棚の本と本の間に挟めば、子供が本を手にとってもソコに見えるのは奥の本。“絶対に誰も手に取らない”。あとはその無背表紙本の中に麻薬を隠すだけ。

これにより、本棚1つに200冊(1列20冊×5列×2行)の100gくらいの麻薬を隠すことができる。末端価格にして1棚10億はくだらないだろう。

 

えっ? 子供が棚の本を抜いて『トンネル』遊び始めたらアウトだって?

大丈夫。何故ならこの町、小学生の素行不良率は非常に低い。みんな良い子。イジメ問題の1つも起きない。

だからそういうお行儀の悪いイタズラは起きない。断言できる。現に一度も麻薬本だってバレていないじゃないか。

 

 

 

さて、話を戻そう。

玉田を殺した私はひとまず死体の隠し場所としてエレベータの天井をチョイス。扉を手動で開けて死体を投げ落とした。

が・・・これで正解なのか?

 

エレベータの上から血が垂れてこないか?

死体が腐って臭ってこないか?

そもそも死体を永遠に放置するわけにいかないから後日捨てに行くんだけど、回収大変じゃない?

 

 

・・・・・不安だ。

不安な時にはコレ、麻薬♪ すべて忘れて明日まで楽しもう。

朝が来れば、いい事がある。夢見るだけで、辛いこともいつか忘れる。寂しくて憂鬱な夜は、胸を張って歌うのさ。明日は幸せ。

 

 

 

そしてあっという間に2日経過。

今日も通常業務が終わったら、残業時間に麻薬入りの輸入本を棚に隠すのが楽しみだ。

と思っていた矢先に、隠す前の麻薬本にイタズラしようとしている眼鏡の子供を発見。

叱りつけていると警察が到着。

玉田の捜索願が家族から出ているそうだ。当然、私は図書館館長にしておくには勿体ない演技力でしらばっくれて、「無断欠勤しています」と回答。

警察は「図書館内にいる場合、すでに殺されている可能性が高い」と名推理を炸裂させながらも、結局は館内をサラッと探しただけで帰っていった。

馬鹿者wwwなのだが、そういう悪口は言いたくない。何故だろう? あの太った警部さんは他人とは思えないと言うか、何か日曜日に家族的な大事なポジションを託すことになるというか・・・

まぁいいか。

 

 

 

さて、時間は流れ夕方。図書館の営業時間は終了。他の職員も帰っていったから、今から残業時間の麻薬を隠すタイムだ。

ところで、夕日って見てると寂しくならないかい? 私は少し不安な気分になる。

不動芸術高校の女子生徒に聞いた話だが、人って不安になると喋るらしい。長尺の説明口調の独り言が、サラサラと口からこぼれるらしい。

だから私もこの通り。

「ふんっ玉田も馬鹿な奴だ。この中身を見なきゃ殺されずに済んだものを」

出るわ出るわ説明口調の独り言。そして思わず出てしまう高笑い。

 

ギィッ

 

その時、この部屋の入り口の扉から音が聞こえた。気がした。いや、鳴った?

幻聴ならいいが、もし誰かがそこにいて、さっきの私の独り言を聞かれていたら・・・

マズい! 怖い!

「誰だ!?」

私は叫びながらドアを開けた。不安だから思わず声も大きくなる。

しかし廊下には誰もいなかった。階段にも。となると、トイレか?

「ここか?」

人の気配がある個室を開けたが当然誰もいない。気のせいか・・・

どうやら不安になりすぎていたようだ。(ちなみに『人は不安になりすぎると逆に独り言が出ない』を今発見した)

 

その後、麻薬を棚に隠し、いくつか自分の鞄に入れて、今日の仕事は終了。

明かりを消して鍵をかけて、後は家に帰るだけ・・・

パッ

突如、私の目の前の地面が照らされ、私の影が伸びた。

 

 

 

 

!!??

 

目の錯覚じゃなければ今、図書館の2階に明かりがついた。例の麻薬の隠し場所の部屋から。

そしてすぐに消えた・・・幻視じゃなければ。

 

可能性は3つ。誰かがまだ図書館にいる。玉田の亡霊の仕業。麻薬の症状。

前者なら、もしかすると夕方の物音はやっぱり誰か人がいて、独り言も麻薬も聞かれて見られていたってこと。ヤバイ。後者2つならそれはそれで怖い。

要対処事案発生。悪霊退散。薬物駄目絶対。

私は気力と勇気と正気を振り絞って図書館に戻ることにした。

 

 

そこで私が見たものは、麻薬本を隠した児童書棚の本を根こそぎ抜き取り調べている子供たちの姿だった。

これは・・・どう判断と解釈をすればいいんだ?

 

麻薬についてバレているなら、棚から本を全部出しているのはおかしい。

バレていないなら、そもそもこんな夜遅くに図書館に侵入しているのはおかしい。

謎すぎる

と思っていた矢先、麻薬は発見されてしまった。

 

 

 

その後、子供たちは通報するため1階ロビーの公衆電話へ。(だが私はすでに電話を無力化していたのさ)

私は子供たちが交番に通報しに行く前に殺せるように、入り口前の物陰に隠れて待機。

だが子供たちは全然外に出ていこうとしない。

むしろ玉田の死体を見つけてしまおうとしているようだ。

四葉のクローバーでも見つけるような感覚。

私の常識が通用しない。

 

でもまぁ、不安の芽は摘んでおくのが常識。

靴紐がほどけて座り込んで、他の子供たちに置いてけぼりにされた女の子を、背後からヌッと紐を通して首を絞めて・・・

「歩美ちゃん! 何やってんの」

眼鏡の子が女の子を呼びに戻ってきた。その気配を察知した私はギリギリ隠れることに成功。危なかった。もし4人中1人でも私が殺人鬼だと知ってしまったら、4人ともバラバラに逃げ出して通報されていたに違いない。

殺すなら1人ずつ密かに殺す。それか4人まとめて殺す。それしかない。

 

 

 

その後、4人の子供たちは死体を探しに図書室を物色しはじめた。当然そこに死体は無い。この調子なら少し目を離しても、部屋から離れたりしないだろう。

この間に私は“図書館業務に絶対に使わない長い鉄パイプ”を取りに行った。

 

子供たちの所に戻ると、「分かったぞ!死体の隠し場所が」と1人眼鏡の子が階段を上にダッシュ。

まさか・・・まさかな。

不安になった私はエレベータに入った。

何故って? 人って不安になると暗闇が嫌になるんだよ。明るさが欲しくなっただけさ。別に合理的な理由は無い。

 

と、しばらくしてエレベータが動き出し、4階に到着すると目の前に子供たちが。

「あっ・・・」「つ・・・つ・・・」「かん・・・かん・・・」

私の姿を見て愕然とする子供たち。どうやら玉田死体を見つけてしまったようだ。

可哀そうに。麻薬見つけた時点で殺害決定だが、死ぬ前に死体を見るなんてさぞ怖かったに違いない。

「どうしたんだいボウヤたち。こんな時間に。さぁこっちにおいで。おじさんと一緒に帰ろう」

私は怖さを紛らわせてあげようと優しい笑顔を見せながら、鉄パイプを背に隠し子供たちに歩み寄った。問答無用で殺すよりかはコッチのほうがイイだろう。

 

すると子供たちは何か相談を始め、眼鏡の子供がクルッと振り返った。

「ふんっ、ガキだと思って舐めんなよ。館長さんよぉ」

すごい迫力から始まる眼鏡の子供の子供らしからぬ啖呵。本棚のアイディアも、麻薬の事も、死体の事も全部お見通しだと。

「なんだ、なんなんだお前は!」

「江戸川コナン、探偵だ!」

本物さながらの探偵ごっこを見せるコナン君。

私が彼に気を取られている隙に、他の子供たちがエレベータに乗って脱出しようとしていた。

さらに、私がそのことに気付いた隙に、コナン君までもエレベータに向かってダッシュ。

私の鉄パイプスイングをスライディングで避けて、コナン君もエレベータで脱出。

やられた!

 

 

私は階段を駆け下りて2階でエレベータを待ち構えた。

「さぁ覚悟しろ、小僧ども!」

空だった。途中で降りたのか。

・・・私、やっちまった。何故、3階で確認しなかった? 階段降りてる時に見えてたハズなのに。

不安と焦りがミスを産んだのか。

だって、焦るさ。もう外も真っ暗な時間に、子供たちの親が「ウチの子が図書館に行ったっきり帰ってこない」って警察に通報したら、「玉田も図書館から行方不明。これは怪しいぞ」ってなるだろ? 時間との闘いなんだ。

よっぽど4人とも、門限過ぎても気にしないような放置子の家庭でもない限り、な。

 

 

 

その後、私はエレベータを開延長にして、子供たちを袋のネズミにして捜索を開始。

すると早速、部屋中の机や椅子が荒らされた図書室を発見。

バリケードを張ったつもりだろう。本棚まで中途半端に動かして。重くてこれ以上動かせなかったということか。

そして一番奥の棚が傾いている。

 

「今だ!」

そして倒れる本棚。私はその横。無意味な棚攻撃。

でもないな。本棚が倒れて本がバラバラに落下しているから、子供たちを殺した後に元に戻すのが大変だ。明日も図書館の営業日。徹夜確定。

マジか・・・やることが多い。殺した後のやることが多い!

 

私は怒りを覚えながら、横に少し逃げた子供たちを追い詰めた。

「所詮、子供の浅知恵よ。安心しろ。一人ぼっちにさせやしない。4人まとめてオジサンがあの世へ送ってあげるからね」

ドンッ

「うわぁああああ」

 

 

そこから私に向かって倒れこむ本棚。

ズドーン!

私は本棚に押し潰された。

「やったぁ、大成功!」

子供たちは歓喜し・・・

 

 

 

 

こうして謎は全て解かれた。

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
図書館殺人事件。

敗因は、やはり犯罪都市で育つ子供を舐めていたことだ。
最後の本棚だって、大成功♪なんて騒いでいるが・・・ふつう死ぬって。
普通が通用しない町、米花町。
殺人と殺人未遂と薬物売買と薬物密輸犯の私が言うのも説得力無い話かもしれないが・・・

まともな人間はこの町に近づくな。
死ぬぞ。
殺す側でもな。
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