名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿   作:三柱 努

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待っていても始まらない。未来へ一歩踏み出して、推理と恋のカウントダウン!
今日の事件はフィジカル頼み。トリックって最後は筋力だよね。
たった一つの真実隠す。見た目は平気、中身はドキドキ。それは犯人!




呪いの仮面は冷たく笑う 【前編】(コナン)(リクエスト)

※今作は一部、人によっては聞き取りにくい言語があるかもしれません。あらかじめご了承ください。

 

 

俺は藍川冬矢。今回、仮面と剣を使う犯人だ。

 

 

20年間、母が付き人をしていた縁もあって蘇芳紅子のプロモーションでデビューし、今や全国ツアーを開催するほどの売れっ子No1ロックシンガーとして活躍してきた。

蘇芳はメイドまでも左右対称の、シンメトリーの館に住む、ちょっと変なこだわりを持ったオバサン。

だが彼女は俺にとって大切な、一生涯の恩人・・・だと思っていた。

 

それは2か月前に判明した衝撃の事実。

母が残した手紙によって明かされたのは、20年前に母が起こしたと言われているひき逃げ事件。

その真犯人は蘇芳であり、母を自殺に見せかけて殺していた。

つまり俺は、母の仇をそうとは知らず20年も慕っていたのだ。

 

嘘だそんなこと!(ウゾダドンドコドーン!)

 

怒りと後悔で気が狂いそうだった。

しかも調べていくと、今度のチャリティーイベントのゲストの片桐正紀さんというのが、例のひき逃げで亡くなった女性の旦那さん。

蘇芳は知らない様子だから偶然だとは思うが、そりゃないだろ。

さらに調べていくと、そもそもチャリティーイベントの収益を蘇芳が着服しているという始末。

被害者も交通事故遺児も、その寄付をしてくれた心優しい人々のことも、全部裏切っているんだ。

 

本当に裏切ったんですか!(オンドゥルルラギッタンディスカー!)

 

 

俺はあまりの怒りに、蘇芳の屋敷の建築に携わったという教授に事の次第を相談した。

“ひき逃げ事件を身代わりにした、左右対称にこだわりのある仇”についてどう思うかと尋ねると、教授は気まずそうに目を逸らしながら「復讐したらいいんじゃない?」と答えてくれた。

「ただし、館を爆破するのだけは駄目だからね。他だったら協力を惜しまないよ」

変なこだわりのある教授だな、森谷さんは。

 

まぁそんなことはどうでもいい。

俺は決めた。

「蘇芳紅子。俺は貴様をぶっ殺す(ムッコロス)!」

 

 

こうして決意した殺人計画。

ざっくりと説明すると

・狭い隙間から200枚の仮面を入れて、それをゴム紐を使って一繋がり3mの塊にする

・その先に剣を取り付けて、蘇芳の首を刺す

という感じだ。

 

仮面と剣で、俺は戦い、今その力が全開する。運命の切札をつかみ取る!

 

 

だが問題も山積だ。

やることが多すぎるんだ。

屋敷のしきたりを利用して、夜中12時に行動を開始。

仮面の間に置かれた200枚の仮面を回収して。

200枚の仮面の口と目にゴム紐を通して。

200枚の仮面を1枚ずつ、部屋の隙間から投入する。

目標時刻は2時半。150分。9000秒。

ざっくり計算したとして、1枚当たりのゴム紐遠しの所要時間は30秒以内ということになる。

 

 

積み重ねるしかないじゃないか練習を!

本番までの2か月間に、全国ツアーの準備を進めながら、夜に屋敷に泊まりに来ては、夜な夜な仮面を盗んで、紐を通して、隙間から入れる練習を重ねる日々。

はじめの頃は苦戦したさ。仮面が上手に並んでくれないから、引っ張ると絡まってしまうんだ。

精度を求めれば時間もかかる。素早く丁寧に。寝る間を惜しんで。

こうして、襲い来る睡魔と戦いながら、俺はついに2時間でこのトリックの準備を完了できるようになった!

 

さぁ、あとはトリックの実行段階である、紐を引っ張って3mナイフ刺しアイテムに変えるだけ・・・

 

 

 

仮面の繋がった紐を、引っ張るだけ?

 

 

理想としては、強く引っ張ることで、重力に負けてダランとなった仮面の蛇腹が1繋がりになってくれること。

だが現実、このトリックで完成するのは木製3mの仮面タワー。ちょっとした丸太レベルの重さは想像に容易いだろう。約100㎏だ。

そんな100kgを、端っこから、紐を引っ張って、真っ直ぐ横に向ける・・・だと!?

 

 

 

筋力だ。

筋力が必須!

少なくとも、丸太の端を掴んでブンブン振り回せるくらいの!

不死の吸血鬼をも殺せるくらいの筋力!

アンデッドを封印できるくらいの筋力を!

 

 

 

こうして俺は残りの犯行時間。全国ツアーの合間の時間の全てを、寝る間を惜しんで、聖筋肉領域(トレーニングジム)で筋トレに励んだ。

パーソナルコーチも目を見張るほどの激しいトレーニングの日々。

「そんなに復讐をしたいのですか?」

コーチの問いに俺は「ああ勿論だ」と即答した。

 

「復讐したところで得られるのはその一瞬の満足だけ。その後に残るのは虚しさだけですよ。私としては貴方には一瞬の幸せじゃなくて、ずっと幸せになってもらいたい。復讐したところで、傷つくのは貴方のほうなんですよ」

コーチいわく、この言葉を教えてくれた”知り合い”の殺人犯は、故郷の島民をほぼ全員、生き埋めにされて殺された。その恨みすらこの言葉で思いとどめたらしい。

なんという説得力!

 

俺の出してきたロックの歌詞よりも、俺の胸にしかと届いたぜ。

 

 

 

 

 

まぁ、だからって復讐を止めるつもりはないけどな。

 

 

 




こうして、筋トレの日々によって身についた筋肉はまさにゴリラ。
もうチャリティーイベント直前だから、予行練習をしている暇はない。
仮面トリックはぶっつけ本番だ!
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