名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿   作:三柱 努

32 / 82
呪いの仮面は冷たく笑う 【後編】(コナン)(リクエスト)

ついにやってきた運命の日。

チャリティーイベントのゲスト4名を招いて、呪いの仮面の館でパーティが開催される。

まずはそのゲストに「呪いの仮面」を名乗って脅迫文を送りつける。もちろん俺自身にも。

こうすれば、うまく行けばチャリティー自体をぶち壊しにできるかもしれないからな。

そして当日。呼ばれてしまう一番厄介なゲスト、探偵の毛利小五郎には、道を木で塞いだ上で脅迫する二重の妨害だ。これで帰ってくれることを願って・・・

俺は木を引っこ抜いて、道のど真ん中に倒しておく。

そう、なかなかに成長したこの木、推定500kgを。

俺のこの鍛え上げられたマッスルで!

ウホッ  ドン! とな。

 

 

そして毛利探偵が木と手紙を見てくれたのを見届けたら、通行の邪魔になる木を撤去して、少し遅れて俺自身も屋敷に到着。

ゲスト全員、脅迫に屈してくれずに集合してしまっているのは残念。

毛利探偵が俺の手紙を読み上げて、皆ビクッてなっていたけど、蘇芳は平然としてやがる。

流石、こんな仮面だらけの不気味な館に住んでるだけあって肝が据わってやがる。

 

「蘇芳さん、これは警察に届けたほうが」

「気にすることはありませんわ。私がチャリティーを始めてから、この手の嫌がらせは絶えたことがないんですよ」

マジか?

チャリティー始めた15年前から、俺が用意したそこそこ怖いレベルの嫌がらせを受けてきてんの? 

どんだけ世間に嫌われてんだよ、このオバサン。

 

 

そして晩餐会。

俺の母の話題が出てきて、俺は心にもない言葉で蘇芳を褒める羽目に。めっちゃストレス。

みんなして蘇芳を褒め称える。めっちゃストレス。

しかも例の被害者遺族の片桐さんまで「蘇芳さんのチャリティーに参加することは、天国の妻も喜んでいることでしょう」と感謝する始末。めっちゃストレス。

 

 

 

 

で、やっとだ。ようやく、待ちに待った夜の12時。

館を東西で繋ぐ唯一の「仮面の間」に鍵がかけられて、皆が寝静まったら行動開始。

まずは鍵を使って仮面の間に忍び込んで、200枚の仮面を回収する。

やっぱこの部屋が不気味すぎる。仮面に見られてる気がして落ち着かない。

 

何故みてるんです!(ナズェミテルンディス!)

 

って気分もそこそこに、仮面をゴム紐で数珠繋ぎにする。

蘇芳の寝室の隣の部屋から、欄間を通して仮面を全て寝室に、地道に入れていく。

この部屋の欄間に通すのは初めて。

だが、隙間の幅はちゃんと森谷さんに教えてもらっていたから、想定通り。

 

あとはゴム紐を引っ張って1繋がりの仮面のタワーを作り出して、

毛利探偵の部屋に内線電話をかけて犯行をほのめかして、

毛利探偵が下の階の仮面の間でドタバタしたら、

ゴム紐をさらに引っ張ってナイフで蘇芳を刺し殺す・・・

 

 

ブチッ

 

 

へっ?

何が起こったのか察し、「ウェェェェェイ!!!」と漏れる俺のうめき声。そして・・・

 

ガランガラン!

 

 

ゴム紐が、俺のマッスルに、耐えられなかった・・・だと!?

そりゃそうだ。100kgをゴム紐で引っ張るんだぞ。しかも電話中も引っ張っていたから長時間ビンビン状態。そして仮面の端は綺麗な断面だから擦れるさ。

時間を・・・時間をかけすぎた。

 

寝室に散乱する仮面。手元に残ったのはナイフに繋がったゴム紐だけ。

 

 

 

終わりだ・・・・・

 

たぐり寄せて手元にナイフを戻したところで、もうナイフを投げるしかないじゃないか・・・

 

 

 

ナイフを

 

投げる?

 

 

 

俺は欄間の5~6cmの隙間から指を差しいれ、鍛え上げられた指の筋肉をもってナイフを投げた。

ヒュヒュヒュンと風を切る音が鳴り、蘇芳の首に突き刺さるナイフ。

飛び散る鮮血がマスクにぶっかかる。

 

俺は今までいったい、何を用意してきたんだ?

 

 

 

その後、何食わぬ顔で毛利探偵に合流。みんなで蘇芳の部屋へ。

毛利探偵が扉の上のガラスを割り、部屋の中で血まみれ仮面まみれの蘇芳を発見した。

 

「僕がそこから入って、中の様子を見てくるよ」

この部屋に入れない状況に、毛利探偵のところのコナンくんが部屋への侵入に志願した。

下には割れたガラスもあるのに寝間着の軽装で、

真っ暗な部屋に仮面が散らばる恐怖に立ち向かい、

血を流しているオバサンの元へ行く。

なんという勇気!

 

「蘇芳さんの様子を、早く!」

へっ? 聞き間違いか?

毛利探偵、子供に蘇芳の死体の脈を診るように言ったぞ?

しかも「駄目だよ、もう」と、ちゃんと死を確認するコナンくん。

そして不気味すぎる仮面に恐れることなく、すぐに南京錠の鍵を発見して部屋を開けるという超勇気を見せてくれた。

 

 

 

その後、深夜の通報にも関わらず、誰一人文句を言わずに警察が到着。

そこから始まる深夜の事情聴取。容疑者みんな誰一人文句を言わずに応じるこの民度よ。

だが、コナンくんだけは寝かせてあげようよ。

 

そんな取り調べの中で、俺は事件発生前後の、あらかじめ考えておいたアリバイを説明。

結局、取り調べの中で唯一、犯行後の隠蔽工作の時間がある秘書の稲葉が容疑者候補に。

少し計算外だが、こいつもチャリティー収益の横領のお零れを頂戴していたからざまぁ。

 

 

だがその後、毛利探偵に蘇芳の寝室の隣の部屋に呼び出される俺たち。

「蘇芳紅子さんを密室で殺害した犯人、呪いの仮面の使者は、貴方だ! 藍川冬矢さん!」

急展開!

 

 

それから咲き乱れる毛利小五郎の名推理。

 

「ショブルーの仮面こそ、密室殺人を可能にするカギなのです。その方法をここで再現してみせましょう。高木刑事!」

毛利探偵が合図を送ると、隣の犯行現場から高木刑事という警官が、俺の仮面トリックを再現し始めた。

 

ん? 再現?

 

そして欄間から挿し込まれていく仮面200枚。それを見せられる俺たち。

何この時間・・・まぁ俺の犯行の説明なんだけど・・・1時間強かかるよ?

さらに、乱雑に積みあがっていく仮面。

あのさ、経験者から言わせてもらうと、こっからやると確実に絡まるって・・・

 

 

ガラガラガラ

 

俺たちの目の前で、綺麗に連なっていく仮面。

・・・ぶっつけ本番で、成功させやがった!?

何者だ、この高木刑事って奴は!

 

ガシャン! キンッ!

 

しかも、100kgの仮面タワーを、ゴム紐を千切れることなく作り上げやがった!

 

 

「あとは、ものさしか何かで仮面を押し出してやれば」

グサッ

「こうして藍川さんは寝室に入ることなく、蘇芳さんを殺害した」

あのさ、毛利探偵は自分の手柄みたいに話してるけど・・・これはものさしを取り出す時に100kgを”片手で”支え続けた高木刑事の手柄だから。

それに、トリック微妙に違うから。

仮面の口元に血がついたのも、ただの偶然だから。

 

 

 

そして、トドメの一撃で俺のアリバイの失言を拾い、俺の証言の矛盾を見つけ出した。

俺は聞こえてきた足音と状況的に、『毛利探偵のところの“女の子とコナンくん”が一緒に穂奈美のところに行ったはずだ』と証言していた。

「本当に?」

「本当だ」

俺がそう答えると、コナンくんは今までの子供っぽくて愛嬌のある顔を豹変させ、俺を睨みつけて口を開いた。

「だったら余計に変だよ。だって僕、蘭姉ちゃんとは一緒に行ってないもん。戸締りを調べたりしてたからね」

そりゃないでしょ。

コナンくんは事件が発生した暗闇の中、怖い仮面が溢れる屋敷の中、たった一人で行動してたっていうのか!? 

常識を、想定を、外してきやがる。

 

 

 

 

こうして、謎は全て解かれた

 




いかがでしたでしょうか?
「呪いの仮面は冷たく笑う」

思い返してみると、蘇芳の神経の図太さたるや。
だってアイツ、死亡ひき逃げ事件起こして、俺の母親に罪を被せて殺しておいて、その状態から『交通事故遺児救済事業』が金になる!って考えたんだろ?
どんなメンタルしてんだよ!




いやぁ、話がそれましたね。事件の感想ですよね?
敗因は2つ。2人の不確定要素でしたね。
怖いもの知らずのコナンくんと、怪力無双の高木刑事。
特に今回の立役者は高木刑事の存在がMVP。あのトリックを証明できる人材がいたからこそ、あのトリックはバレたと言っても過言ではない。
まぁ、もし警官にダーツの達人でもいたらアウトだったが・・・
さすが日本の未来を担う警察官! 彼さえいれば、日本の未来は明るいな!




さて、次回のリクエスト条件ですが、
高木刑事が苦戦する話があったら見てみたいですね。
まぁ、彼のような逸材が事件そのものに苦戦するなんて想像できないから、
プライベートでもいいから苦戦している姿があると、見ていてコッチまで癒されそうです。
是非、お願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。