名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿   作:三柱 努

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本家・金田一少年の事件簿外伝犯人たちの事件簿の単行本完結記念。
資格試験勉強、1日くらい休んでもいいよね?ということで急遽、執筆しました。




鬼火島殺人事件(金田一)

俺は高校3年生の椎名真木男。

 

俺は最低だ。

 

森村と加藤のいじめに加担して、親友の海老沢を自殺未遂に追い込んでしまった。

海老沢は今も意識不明の重体。

取り返しのつかないことをしてしまった。2人に復讐をして、海老沢の仇を討ってから死んで詫びたい。

俺を含めて3人が“何者か”に殺されたことにして、死ぬことにした。

 

でも、そんな全てうまくいく

トリックが・・思いつかない・・・なんてことは“俺たち”には無い!

海老沢と一緒に考えた推理小説のトリックを使えば、それも可能なんだ!

 

そう、俺たちのトリックは、可能なんだ。

今まで、トリックが再現不可能だとかいって、変な魔法とか筋肉とか使った事件が事件簿に乱立していたかもしれないが。

俺たちのトリックは、公共放送で実証済み。

安心して実現できるのさ。

 

 

 

さぁ、じゃあ早速、実行していこうじゃないか。

舞台は不知火島(別名・鬼火島)でおこなわれる医大受験生用のセミナー。

夜に開催される恒例の肝試しで、まずは最初の標的・森村を殺す。

はい殺した。

え? アッサリしすぎだって? まぁ、殺害シーンなんてダラダラやっても倫理的にアウトだからね。

それよりも、ここからがトリックだよ。死体消失トリックさ。

 

用意するのは医療用の内視鏡。俺の父親は医者だから、手に入れるのは簡単。

そのモニター側を百日紅(さるすべり)の間という、受験生に泊まらせちゃ絶対駄目な名前の部屋のドアのカギ穴に取り付けて、カメラ側を隣の俺の部屋に繋がる扉のカギ穴に設置する。

こうすると、俺の部屋に森村の首吊り死体を置いておくだけで、まるで百日紅の間で森村が首吊っているように見える。

あとはタイミングを見て内視鏡を外してゴミ箱に捨てれば、森村の死体が消えたように見えるのさ。

 

「森村が、死んでる!」

「無い、何も無い! そんな馬鹿な」

 

計画通り。バイトの金田一とかいう奴や加藤といった肝試しメンバーが驚いてる。あとは森村の死体を隠して・・・

 

!?

 

なんと、俺の部屋の窓の外に、まさかの鬼火が出現していた。

「うわああああああ!」

そりゃ出るよリアル悲鳴。飛び出ちゃうよ俺の部屋から。

 

あ・・・これマズイ。

鬼火を確かめに、廊下にいる皆が俺の部屋に入っちゃうかも・・・

「何を言ってるんだ馬鹿馬鹿しい」

幸運にも、寮長の西川さんがこの騒ぎを高校生たちの怪談ごっこだと呆れた反応で流してくれた。

ちょっとグダグダだったけど、とりあえずは第1の殺人は成功だ。

 

 

次の日。比較的やることが多い。

・『午前零時の悪霊』の騒ぎを起こして、俺と加藤が殺されていてもおかしくないシチュエーションを作る。

・ハシゴを隠して、森村の死体を森に放置して、島の電話設備をぶっ壊しておく。

この2つ、まぁそこまで難しくない。

ただ怯えて叫ぶのも、リアルな俺のメンタルで十分。犯人に備わった圧倒的演技力というレベルを求められないから楽な仕事。

放置も破壊も、そこまで過密スケジュールじゃないから問題ない。

 

この2つを完了してから俺の自殺トリックを実行だ。

 

まず首に見せかけのロープを巻いて、これで首を吊って死んでいるように見せかける。

次に自分の体にロープを巻き付けて、礼拝堂の天井の梁にロープを投げて通す。

あとは誰も届かない高さまでロープをよじ登るだけ・・・

 

よじ登るだけ

 

よじ登・・・

よじ・・・・

 

サスケェ!

じゃなかった、海老沢ァ!

これ、たしかに実現可能なトリックだけど・・・

SASUKE出れるのが前提の実現可能。ミスターSASUKEこと山田勝己レベルの実現可能度合いだぞ!

 

マズイ。これは、心が折れる。どうしよう、駄目・・・かもしれない・・・

 

 

「頑張れ椎名!」

 

その時、俺を励ます声が、確かに俺の心に届いた。

まさか。これは昨日の鬼火になって現れた海老沢?

 

じゃなかった。オッサンだった。眼鏡のオッサンだった。

カッとなって人殺してそうで、迷った時はとりあえず殴ってそうで、トリックの産声に耳を澄ませていそうで、天使の輪っかを頭に浮かべていて、

俺と同じでトリックに肉体が追い付かないけれど、山田勝己がトリックを再現しちゃっていそうなオッサンだった。

 

「真っ直ぐ上に登れ。己を鼓舞しろ! 頑張れ椎名。頑張れ!」

オッサンのエールに推され、俺は頑張った。

俺は今までよくやってきた。俺はできるヤツだ。そして、今日も、これからも。折れていても! 俺がくじけることは、絶対に無い!

こうして、くじけることなくロープを登り切った俺は、17:00過ぎまでそのまま待機。

 

見つけてくれたのは金田一でした。

「これは自殺じゃありませんよ。殺人です。誰かが椎名さんを殺して、その後でロープを投げて梁にひっかけ、死体を引っ張り上げた。そうしておいてから、ハシゴで死体の所まで登って、ロープを結び付けたあと、ハシゴを片付けた。今のところ、それしか考えられない」

と、俺の用意したトリックのストーリー通りに推理してくれる。何こいつ、すごく都合良い。

 

その後、ハシゴが見つからないということで、俺の首吊り死体は放置のまま皆は寮に戻っていった。

俺はロープを伝って降りて、寮に隠しておいた麻酔ガスのボンベを持って、最後の仕事に向かう。

そう、最後の標的である加藤を殺すため・・・

 

なのに、その加藤が加藤の部屋に居ないんだよ!

はぁ?

そして探し回った挙句、加藤は金田一の部屋で寝ていた。金田一が床で、加藤がベッドで横になって。

 

あのさ、これヒロインのやることじゃないか?

怖いから一人じゃ寝れないって言って主人公の部屋に押しかけてベッドを奪うって。

加藤、お前どう頑張っても、せいぜいジャイ子だからな。

 

というツッコミを心に秘めたまま、俺はジャイ子を・・・じゃなく加藤をサクッと殺害。

あとは礼拝堂に戻って、灯油をかぶってライターで自殺するだけ・・・

「やめろ! もうやめろ、そんなことをして何になる? あんたのやったことは、俺がもう見抜いたよ」

 

金田一に阻止されました。

そしてそこから咲き乱れる金田一の華麗なる推理の数々。

俺と海老沢の小説に出てくる主人公の探偵くらい優秀な推理。

 

 

こうして、謎は全て解かれた。

 




いかがでしたでしょうか? 鬼火島殺人事件。

今回の敗因は、川島って奴がイタズラで鬼火を俺の部屋の窓に垂らしていたってトコです。
いや、これさえ無ければ、俺の自殺に金田一は間に合わなかったんですよ。証拠不十分で、俺たちのトリックは完遂していたんですよ。
川島、とんだ伏兵がいたもんです。
聞けば川島、別の世界では風都とかいう町で探偵をしているそうなんです。
あと、大野さんっていうバイトも、聞いた感じだと大阪で死神してそうな声してるし。

今回、俺は探偵に囲まれすぎていた。それが真の敗因なのかもしれないですね。


さて、次回は作者の試験が終わってからになります。
その際ですが、週1の連載がかなりキツくなってきたため、不定期連載に戻ります。

シレッとタイトルが変更になったりする変な本作ですが、これからも事件簿をよろしくお願いします。


2020/9/6
試験終了。疲れました。合格発表までまだしばらくですが、連載再開です。
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