名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿 作:三柱 努
今日の事件は結婚式。レモンティーは出てこない
たった一つの真実隠す。見た目は平気、中身はドキドキ。それは犯人!
俺は平正輝。連続強盗殺人犯だ。4件やってきた。6人ヤってきた。
事件簿史上最凶の犯人だという自覚はある。
だけどさぁ、さすがにさすがにだぜ。
人生史上最多の警察に囲まれちゃってんだよ今。
原因は強盗相棒が馬鹿だったから。
馬鹿なんだよホント。
まずさ、今回の標的は資産家令嬢。
普通は結婚して資産を奪ったほうがいいに決まってるだろ?
なのに相棒、馬鹿の一つ覚えみたいに強盗してんの。
でさ、俺が止めに入ったら「てめぇ、この恨み絶対に忘れねぇからなァ」って言って逃げてった。
映画で馬鹿な悪役が言う台詞だよな。
しかもこの恨みを晴らすために俺を殺しに来る日ってのが、俺の結婚式の日を指定してきてるんだ。
あれか? 人生最高の日に最低の気分にしてやる!って意気込みか?
馬鹿。この結婚に愛がないのはお前もよく知ってるだろ。
何なら、仕事終わりの疲れた夕食に飲むビールの一杯を邪魔された方が復讐になるわな。
でもって相棒を殺すために偽の結婚式予定日を掴ませてやったのはいい。結果、誰にも見られずに相棒を殺せたからOK。
だけどな、相棒の奴とんでもない置き土産残していきやがったんだ。
この偽の日の前の日に・・・あいつ脅迫状なんか送り付けてきやがったんだ。
せっかく。せっかく俺が丹精込めて日付を偽装して、下手に警察に騒がれないように気を付けたってのに・・・この手紙1枚で・・・
結果がこれよ。結婚式に警察がウヨウヨ。そりゃそうだ。
来ないのに。その強盗犯、もう死んでるから来ないのに。俺だけネタバレ状態。
警察もやる気満々で、俺と嫁に顔が似ている警官の替え玉まで用意してくれて。
俺の役は高木ってやつで、嫁の役は宮本って婦警。
う~ん、俺ってこんな顔に見えるのか? なんかモブっぽくね?
絶対この高木って刑事、モブ警官だろ。警官Aとかの役だった時期とかあるだろ。
まぁいい。この結婚式さえ何事も無く終われば、晴れてハワイに移住ができる。
何事も無く終われば・・・
「はい、目暮ですが。ああ千葉君か。なに!? 喉を切られた焼死体が見つかった!? 紺のスーツに白いネクタイで・・・燃え残った爪から連続強盗殺人犯の指紋が出て来ただとォ!?」
嘘だろ。馬鹿の死体が見つかって・・・
結婚式の参加者と入れ替わって紛れ込んでいるかもしれないって結論がでちまっただと!?
あのさ、結婚式の参加者と入れ替わるなんて大胆なこと、いくらあの馬鹿でもしないって。
だって結婚式だぜ? 俺と嫁に見覚えのない人間が参加してるわけがないって。
と、思ってたら3人いました。
サングラスをかけた茶髪で色黒の男と、オカッパ頭でヒョロッとした男と、髭を蓄えて眼鏡をかけた男。
いるのかよ。
しかもさ。警察が手に入れている俺の指紋の指と同じ左手の薬指に、絆創膏やら包帯やら左手ポケットインのキープで、3人共がまるで左手の薬指の指紋を隠しているみたいに振舞ってるわけよ。
どういうことよ。
警察が真剣に3人を警戒しているんだけど・・・
お探しの犯人、俺です。おまわりさんの特大の空振りを特等席から見せてもらってます状態。
絶対に安全なんだけどなぁこの結婚式。
まぁいいか。ちゃっちゃと始めよう。
「それでは新婦麗さんがお父様のエスコートを受けて入場されます。皆様、拍手をもってお迎えください」
こうして始まった結婚式。
拍手に迎えられて嫁さん入場・・・
「ちょっと待ちな。半年ぶりだなお二人さんよォ」
「確保だ! その男を確保しろ!」
「おっと下手な真似すんなよ! 刑事がいる事はわかってんだ! 心配すんな。その二人を切り刻んだら引き上げてやるからよォ」
なんか茶番劇が始まった。強盗犯が包丁を手に俺たちに迫ってくる茶番劇。
芝居が下手すぎる。見苦しすぎる。
俺がそのことを指摘すると、一番偉い警部さんが開き直った。
「ホー、なぜわかるんだね? この男が強盗犯じゃないと」
これなに? 何のくだり? このドッキリとネタバラシの雑さ、水曜日か何か?
「こんな質の悪いイタズラをするのは、僕たちの知り合いにはいませんから」
「確かにこの男はワシの部下の刑事・・・」
え? ネタバラシからの仕掛けバラシ? 何この時間?
「だが、彼は堤無津川の倉庫からたった今ここにやって来た千葉君なんだが。ではもう一度お聞きします。なぜ、あなたは彼を強盗犯じゃないとわかったんだね?」
ハメられた!
うわぁハメてきやがったよ警部。日本のお父さんって感じの声してるくせに、騙しがプロ。
そしてそこから咲き乱れるお父さんの推理。
こうして謎は全て解かれた。
だけど無能。
連続強盗殺人犯の前で包丁をチラつかせて、油断してんじゃねぇよ。
俺は千葉君に体当たりして包丁をゲット。
もうどうせ終わりなんだ。冥途の土産に一人でも多く道連れにしてやるさ。
まずは俺を確保しようと首を絞めてきた嫁役の婦警をサクッと!
「知ってた? コルセットのワイヤーって結構硬いのよね」
無理だった。脇固めくらっちまった。
だけど幸い、ドレスのせいで婦警の動きが鈍くて、俺はどうにか脱出成功。
しかも式場の出口ががら空きで、そこまで簡単に走って抜けることができた。
無能。警察無能!
「蘭ちゃん、止めてー!」
婦警がアホな事叫んでる。式場に来ていた女の子に確保を頼むとか。
笑止! 笑止千ば・・・
いかがでしたでしょうか? 偽りのウエディング。
いやぁとんだ茶番でした。最後は記憶なかったけど。
敗因は前にも言った通り、アホな相棒をもったせい。それに尽きますね。
あと一つ分からないことがあるんです。
俺が刑務所に入ってからの話。
俺より後に入ってきた囚人から「ポスター見ましたよ」「あんたは脇役」「背負い投げ~」って言われるようになって。
これなに?