名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿 作:三柱 努
今日の事件は人狼ゲーム? 我らの中に犯人が。
たった一つの真実隠す。見た目は平気、中身はドキドキ。それは犯人!
どうもみなさんこんにちはこんばんは。
今日も殺人事件をやっていきたいと思います。
ではメンバーの自己紹介・・・は、僕が一方的に殺していく立場だから、そんなふりをしたらバレちゃうので割愛。
ということでまずは僕、旗本一郎で~す。今日は殺人犯として頑張って殺していきたいとおもいます。
では容疑者と被害者になってもらうメンバーの紹介に移ります。
おじい様の橋本豪蔵。殺していきたいと思いま~す。
その孫で、つまり僕の従妹。夏江さんで~す。絶対に殺しませ~ん。
その旦那になるっつう武。すっごく嫌い。
あとは僕の父さん、母さん、叔父さん。
夏江さんの姉さんの秋江に、その旦那の竜男。
あとは執事の鈴木さん。
今回はこの10人の関係者で殺人事件やっていきますので、よろしくお願いしま~す。
ではスタート。
舞台はここ、旗本家で貸し切りにしてる豪華客船。
僕が夏江さんを隠れて写生しているところにおじい様が「かなわぬ夢は早く捨てろ」って言ってきたところで、僕の殺意がMAXになりました。
というわけで殺していきます。
念のため僕以外に容疑が向くように、叔父さんの包丁を拝借しておきました。これでサクッとKILL。
しきれませんでした。
部屋の外で刺したはいいけれど、KILLには至らず。部屋の中に逃げられて、扉に鍵まで閉められちゃいました。
これは・・・マズいかも。
でもあれだけ出血してたから、まず扉の向こうで死んでますね。
さて、あとはすぐに死体を発見されないように廊下に飛び散った血を拭き取って。
さらにそこに、さっき拾った花を落としておきます。
この花は武が胸元に飾っていた花。これを落としておけば武に黒の疑いがかかるという僕得展開! ほんと、迂闊すぎるでしょ武。おかげで僕には好都合だけど。
よっし、じゃあ目的も達成できたところで夕ご飯だ。
みんなで食堂に集まって夕ご飯。夏江さんは今日たまたま船に乗り合わせた親子連れとお話し中。なんか恋バナしてる。イイ絵だなぁ。
「まぁ、その方どんな人ですの?」
「えーっと、頭がきれてサッカーうまくて、いざという時に頼りになってかっこよくて、お父さんに負けないぐらいの名探偵!」
ん? お父さん? 名探偵?
「あれ、いいませんでした? わたしの父は探偵だって」
!?
!?
!?
ま・・・マジですか。
よりにもよってこのタイミングで・・・
僕が殺人事件を起こそうというタイミングで・・・
おじい様の機嫌を悪くする最悪の職業人が乗り込んできていたなんて・・・
え? 『え、そこ?』だって? 何が?
探偵でしょ? こそこそ人のアラを探す仕事の。
え? 探偵は殺人事件の天敵? いやいや。探偵でしょ? 浮気調査とかする仕事の。
え? 名探偵? 毛利小五郎? 知らないなぁ。
今まで数々の難事件を解決に導いてきた? え? いくつの事件を解決したんですか?
ふむふむ・・・な~んだ、両手の指で数えられる程度じゃないですか。
それなら怖くない!
「うひゃあああ」
鈴木さんの悲鳴!? どうやら死体発見の通報だな。
そしてみんなでおじい様の部屋の前に行って、死体を見つけたところで。
議論スタート
探偵さんが主導のもと、死後硬直の状態から死後40~50分が経過していることが判明。
探偵、優秀すぎでしょ。もと殺人課の刑事だったんだって。ここまで詳しく分かっちゃうのか。
で、1つしかない部屋の鍵を持っている鈴木さんのアリバイが証明されたので、部屋は完全な密室。おじい様の死はセルフであるという結論に。
見つかっていない凶器も尖った氷を使って、おじい様が一族の人間に疑いが向くように仕向けた嫌がらせということに・・・
「いや、これは他殺だよ。それも、極めて単純なね」
なんか子供が急に意見してきた。だけど推理が冴えてるったら冴えてる。
扉の下に血痕があったことから、ドアが開いている時におじい様は死んで、その後で自分で鍵をかけたという、つじつまの合う正解に至ってしまった。
ゆ、優秀すぎるでしょ、この眼鏡の坊や。
でもってそこをすかさず「さすがおじさん、名推理だね」と探偵に手柄を献上する太鼓持ちっぷり。
坊や、小さいうちからそんな卑屈にならなくていいんだよ。これはキミの手柄だよ。
そのせいで、犯行が可能だったのは僕を含む7人だけだという流れに。
でも大丈夫。鈴木さんが例の花を拾ってくれていたから、自然と疑いは武の方に向いたよ。
そこに母さんの追撃の証言。
「あたしゃ、さっきこの部屋の外で偶然聞いちまったんだよ!」
おっ、武の黒証明の証言に期待! 何なに? 母さん。
「この男の正体があの財城勇夫の息子だと聞いた時にはねぇ!」
・・・マジで?
武、ガチで黒い動機あるの? しかも父親の仇とか、超一級の殺害動機じゃん。
「ちがう! オレじゃない!」
って叫んでるけど、誰も信じてない。夏江さんですら泣いて逃げちゃった。
まぁそんなこんなで、武は満場一致で追放決定。
船の倉庫に鍵をかけて監禁。
これで僕も一安心。
ということで警察の捜査が来る前に、今の内に凶器の包丁は海に捨てちゃおう。
ホイッと捨てるタスクを・・・
「・・・・お前、何してんだ?」
竜男に見られた。
うわ、これは・・・KILLするしかないな。
ということで近くにある鉄パイプで・・・・・・・
鉄パイプ? 豪華客船に? そんなのを甲板に放置したら、あの怖いおじい様に叱られるでしょ。近くにあるわけないじゃん!
致し方あるまい。素手でいこうか。
ということでサクッと殺害。僕って意外と殺傷能力の高い男。
だけど大ピンチ。せっかく武を容疑者に仕立て上げたのに、ヤツにアリバイがある今だと白証明になってしまう。
ということで急いで倉庫の鍵を開けよう。これで武にも犯行可能だから黒確の状況をキープできるぞ。
「きゃああああ」
夏江さんの悲鳴!? 死体発見の通報だ。よりにもよって夏江さんが第一発見者かぁ・・・ショック!
そしてみんなで竜男の死体の前に行ったところで、議論スタート!
でもどうせ今回も武が「違う! 俺じゃない!」ってなるんだろうな・・・
と思っていたら武、逃げてくれてました!
やった! 黒確行動!
「もしかしたら彼はあなた達旗本家の一族をすべて、抹殺する気なのかもしれないんですよ!」
探偵さんの度を越えた推理のせいで、武がさらに凶悪な殺人鬼扱い。うわぁ、やったぜぃ!
「まだ、犯人が武さんだと決まったわけじゃないよ」
!? また坊やの御意見が来たぞ。
どうやら武の倉庫の鍵が壊れていなかった以上、外から鍵を開けた人間がいる。
共犯者がいるってことだ、ってなったぞ。
うん。たしかにそうなるよね。
しかも今回も僕を含めてアリバイがない。
そっから黒情報の暴露合戦がスタートしちゃった。
母さんが秋江の浮気情報を流したり、秋江は母さんの遺産狙いの情報を。
僕がおじい様や竜男に馬鹿にされていたことも、父さんが解放されたがっていた情報まで。
もう泥仕合。胃が痛い。
でも今は胃薬よりも、僕の白確が欲しい。
ということで次のタスクをやっていきたいと思います。
まずはトイレに行くフリをして、配電盤に時限装置を設置。時間になったら自動的にブレーカーが落ちるようにして。
次に叔父さん2本目の包丁を盗んで。
停電したら僕の足に包丁をグサッと刺して、武に刺されたと証言すれば・・・
いや、停電中の視界を考えないと。
「とにかく真っ暗で何も見えなかったんだ」って言っておかないと。
僕のセルフリポートだってバレないように。
それにしても、足を刺すとめっちゃ痛い。泣きたくなるくらい痛い。もっと手加減すればよかった。
ということで武が無差別殺人鬼になったところで・・・・翌朝。
なんか探偵さんに皆で呼ばれた。夏江さんの部屋に。
「やっとわかったんですよ。この船で一連の事件を巻き起こした犯人がね」
いやいや。何言ってんの探偵さん。犯人は武だって満場一致じゃない?
そんな僕の想いをガン無視して始まる、毛利小五郎の推理ショー。
咲き乱れる推理が当たってるったら当たってる。しかも武がこの部屋に隠れてた。
「豪蔵氏を殺したのも、竜男さんを殺したのも一郎君、君だという事ですよ!」
こうして、謎は全て解かれた。
Ichiro was Impostor
いかがでしたでしょうか? 豪華客船連続殺人事件。
いやいや。元からあんまり計画性が弱めだったとは僕も思うけど、事件起こした後で不測の事態が起きすぎ。
その対処が全部裏目。僕の白証明が全部裏目。もうさ、欲しいよ殺人事件を起こした後の行動マニュアル。
でもさ、思うんだ。
武、夏江さんのこと愛してた?
父親の仇のところの娘さんと結婚とか。本気で愛してた?
まぁ愛してなかったわけじゃないと思うよ。だって夏江ってイイ子だから本気で惚れるのも理解できる。
だけどさ、1割くらいは敵討ちの気持ちあるでしょ?
今日は僕が殺したけど、これ放置してたら数年後には武がおじい様のこと殺す事件が起きる可能性あるでしょ。
あの探偵さんが推理で追い詰めて、「あの男のせいで20年前、俺の家族は崩壊したんだ!」とかいう動機をゲロったりするパターン。
簡単に想像できるんだけど。めっちゃありそうだよね。