名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿 作:三柱 努
あの女に恨みを晴らすべく
ファントム仮面ここに推参
ということで始めようかトリック。
釣りチーム、高原チーム、ホテルチームに別れる今日。
千鶴を自殺に見せかけて殺し、なおかつ他殺を疑われた場合に備えてみんなのアリバイを確保していこう。
まずは釣りチームには「あそこは日が落ちてからのほうがよく釣れますよ」と言って、夜まで帰ってこないようにする。昼に殺しておけば、このチームは容疑者から外れる。
高原チームは問題なし。女がホテルで死んだことになるから、その時間に高原にいる人間は自動的に容疑者から外れる。厳密には高原で殺すから外れないけど。
俺は戸締りを確認すると言ってホテルに残り千鶴を拉致。ハンググライダーのセットと一緒に車に押し込んでおく。
あと千鶴の部屋のベランダの鍵を開けておいて、部屋の扉の鍵を閉め、マスターキーを毛利様に預ける。美奈穂くんと穂奈美くんに「千鶴さんのことはそっとしておくように」と念押ししておく。
こうすることで今日一日中毛利様が2階に上がる階段の前でテレビを見てくれるから、誰も容疑者にはならない。
これが平和の国、長野県のトリックさ。
・・・・あっ、これだと毛利様だけが容疑者。といっても、まさか名探偵の毛利様を疑う人間なんているわけない。よって平和。
さて気絶したままの千鶴と一緒に高原に到着したら、しばらく高原チームと一緒に遊んで、隙を見て千鶴をサクッと殺害。
死後硬直しても首吊り死体に見えるように、体勢をセットしたら、車のエンジンを壊しておく。
夕方になって帰る頃、「エンジンの調子がおかしいから、先に帰ってくれ」と言って、死体と一緒に高原に残る。
そしてハンググライダーで死体と一緒にホテルまで飛ぶだけ・・・・
死体と一緒に 飛ぶだけ?
鳥人間コンテストって知ってる? 滑空して飛ぶ時って“助走”が必要さ。
ハンググライダーの機材が約30kg。死体が約50㎏。これ背負って助走・・・
ダダダダダダダ
ふわぁ
鳥人間コンテスト優勝できるわ・・・ッ!
酷使しすぎだろ有森マッスルを。
だがホテルに到着してからもファントム仮面マッスルは休めない。
まずはハンググライダーセットを急いで片付ける。重量30kg。
次に屋上からロープで例の鍵を開けておいたベランダに降りる。死体と一緒に。50kg。
部屋に侵入したら首吊りに見せかけて死体を吊るす。50kg。
ドアロックの金具を外してから廊下に出て、扉の隙間からドライバーで金具を固定する。
やることがおおおおおおい 多い。そして重い。
こうしている間、ホテルのロビーから毛利様がテレビを見ている声が聞こえる。焦る。
焦るな有森。よく言うだろ?
ハンググライダー使いたるもの、いつ何時たりともポーカーフェイスを忘れるな、ってな。
あとは非常口から外に出て高原チームが帰ってくるのを待つ。
帰ってきたら頃合いを見て携帯から電話をかけて、さも俺が高原にいるように装って「車が直らないから迎えに来て」と伝える。
迎えの車のトランクに忍び込んでおいて高原まで移動。
隙を見てトランクから抜け出して、あたかもずっと高原で待っていたように見せかける。
これで完璧。平和の民、長野県人らしからぬ完璧トリックが完了。
そんな直後 ~~~♪
「おっと電話だ。誰からかな? ああ、美奈穂くん。え!? 千鶴さんが亡くなった!?」
ホテルから千鶴死亡の通知が来た。うん知ってる。めっちゃ驚いた。
タイミングがギリギリ。
下手したら、トランクで隠れている間に着信が鳴っていたかもしれない。
バレてた。そうしたら終わってた。危なっ。
だけど無事だったから、安全にホテルに戻って、安全に警察が到着。安全な捜査が始まって、安全に千鶴の自殺が判明・・・
「他殺の可能性が高い事が判明しました」
早っ!
どうも死体が裸足だったにもかかわらず、首吊り用の踏み台に足の指紋が残っていなかったため、自殺の可能性が消えたらしい。うわぁ
そこで一転、俺たち容疑者。
でも念のために全員のアリバイを確保しておいたから大丈夫。
死亡推定時刻には釣りチームは池にいたし、高原チームは高原にいた。マスターキーを持っていた毛利様も美奈穂くんと穂奈美くんと3人でテレビを見ていた。
大丈夫大丈夫。
じゃなかった。
毛利様と美奈穂くんと穂奈美くんの3人の共犯説。
それとお弁当を忘れて12時30分にホテルに戻ってきていた城元様がマネージャーと共犯になっていた節が浮上。
「マスターキーを持っていなくても、非常口から侵入する方法はある」
そう言ってわざわざマネージャーさんのアリバイも崩してくる長野県警。
なんかごめん。真犯人の俺が安全圏にいるのに、5人も容疑者扱いになっちゃってて。
と心の懺悔してる最中・・・
「分かったんですよ犯人が」
不意に到来、眠りの小五郎。
え? 毛利様? あなたずっと今の今まで警察に疑われて怒ってたじゃないですか?
推理していたというのか・・・容疑者という逆境の中で・・・
そして咲き乱れる毛利様の華麗な推理の数々。
証拠は千鶴の死体に付着していた、高原にしか生息していない蝶の鱗粉だった。
こうして、謎は全て解かれた。
いかがでしたでしょうか? オペラ座館殺人事件。犯人の有森です。
さてついに帰ってきましたね。
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿R
期間限定復活ですが、皆さん是非読んでいってください。
あと金田一少年の事件簿30th。本家も大復活しています。
それとドラマ版金田一少年の事件簿も、なにわ男子・道枝くんが主演で復活しますのでお見逃しなく・・・・
え? 違う? 何言ってるんだ、って?
おいおい、俺を忘れちまったのか?
俺だよ俺、ファントム仮面
有森裕二だよ!
ああ。今回の有森さんは正直言って殺意と筋力が足りなかった。
だから入れ替わっておいたのさ。
一人称も前編は“私”だったけど、後編は“俺”になってただろ?
支配人マッスルでは空を飛べない。俺のSASUKE出れるマッスル。それが必須だったのさ。
さて今回の敗因だけど、やっぱり長野県警だな。
探偵であろうと容疑者から外さない真面目な仕事っぷりもそうだけど、
まさかミヤマシロチョウの鱗粉を、あの時刻から調べるなんて。
鑑識課の定時すぎてるんじゃないの? それなのにあの短時間で・・・
優秀すぎる長野県警。
だからか。だから長野は平和の国なのか。