名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿   作:三柱 努

63 / 82
ずっと抱いた思いを胸に、二十歳を迎えて強く羽ばたく!
今日の事件は新選だ。ドSな男はガラスなハート。
たった一つの真実隠す。見た目は平気、中身はドキドキ。それは犯人!



時代劇俳優殺人事件(コナン)

俺は時代劇俳優の土方幸三郎。妻の勇美を殺して、その罪を浮気相手の沖田に着せようっつうつもりでさァ。

でもって今度、いつもの時代劇の奉行や岡っ引役じゃなく、探偵役を貰えるっつうわけで、こいつぁチャンスでしょう。

俺は挑戦しやすぜィ。天下の名探偵・毛利小五郎の旦那を欺いてやりゃあ、探偵役も一端にやれるでしょう。

 

つまりこれは

旦那の目の前で

土方のヤツの息の根を止める。

 

これで決まりでさァ。

 

 

 

トリックは簡単。

土方のマヨネーズに毒を入れる。

 

・・・やめておきやしょう。

 

ロケットランチャーでぶっ飛ばす。

 

・・・やめておきやしょう。

 

 

沖田? そうご? サディスティック星の王子?

いやいや、一応もう一度言っておきやすが、俺の名前は土方幸三郎。

今回は妻の土方勇美を殺す話ですぜ。

土方を殺すんでさァ。

 

 

 

さて、俺のマンションは6階が全部、俺の持ち物。

でもって5階に俺の部屋と隣に沖田の部屋。そいつを利用するっきゃないですぜィ。

毛利の旦那を6階の部屋に招きながら、そこを5階だと騙す。

でもって沖田の部屋の上の階で土方の息の根を止めて、その死体をその部屋のベランダで見せる。

旦那には管理人のところに鍵を借りに行ってもらい、その間にベランダから下の階に死体をスローイン。

あとは何食わぬ顔で旦那と一緒に死体を発見する。っつうトリック。どうですかィ?

 

そのために用意するのは、5階と6階の部屋を全く同じ状態にすることでさァ。

同じ家具を同じ配置で瓜二つの部屋を作るだけ。簡単でしょう?

 

 

でもって当日。

沖田には話があるから部屋にいてくれと伝え、土方には毛利の旦那と会うから6階の部屋に行っていてくれと伝える。

旦那を迎えに行く前にエレベーターの行先表示盤に細工をしておくのさァ。

数字の左下の縦棒を黒塗りすりゃァあら不思議。6が5になっちまいやす。

まぁ2は歪な形になっちまいますが、そこは俺が誤魔化します。

 

さて毛利の旦那とその御家族と合流したら、あとはエレベーターに乗るだけ・・・

「おっ・・・」「あ・・・」

沖田の野郎がエレベーターから出てきやがった。

おいおい、約束と違うじゃねぇですかィ。

コンビニに行くだけみてェだが・・・まったく、これからアンタに濡れ衣を着せる俺の予定にねぇことをしねぇでください。

 

それはさておき、エレベーターに入ったら行先表示盤を背にしつつ、旦那と御家族には名刺を渡して視線をソッチに釘付けにする。

あとは部屋に着いたら先にリビングに通して、その間に土方の息の根をサクッと。

でもって隣の部屋に死体を運んで、“電話のベルが鳴ったら、ベランダに向かって死体が倒れる仕掛け”をセットする。

 

 

え? どういう仕掛けですかって?

 

・・・・・細かいことは気にしないほうが身のためですぜィ。

今回のピタゴラっとく仕掛けを知りたきゃ、NHKに金をしっかり払ってから出直してきな。

 

 

 

っつうわけで、仕掛けが終わったら「慣れない茶の用意に手間取った」と言い訳しながら何食わぬ顔で毛利の旦那のところに向かう。

あとは会話の流れで自然とベランダに出るように仕向けて、隙を見て隣の部屋に電話をかけて視線を向かわせるだけ・・・

「おや? 変だねぇ。確かここに置いたんだが」

テレビの上に置いておいたモデルガンが消えちまっていらァな。せっかくこの銃の話題からベランダに出る流れを作ろうってのに。

 

でもそこは時代劇俳優である俺の機転の出番。サラッとみんなでベランダに出て、そのタイミングで土方の死体がドサッと。

「!!??」

さ~て、こっからは俺の迫真の演技を畳みかけやすぜ!

 

隣の無人室に怒鳴り込む夫の姿を演じ。

毛利の旦那には1階のフロントに合いカギを取りに行ってもらう。

エレベーターを呼び出して、さっき細工した行先表示盤の汚れを拭き取る。

旦那たちがすぐに上がってこられないように、エレベーターの開延長のボタンをPUSH。

旦那たちが下に行っている間に、死体をベランダからスローイン。

さっきまでいたリビングに行って、旦那たちが触りそうなところの指紋を拭き取っておき。

各部屋のネームプレートを元に戻して。

5階の沖田の部屋の前に向かう。

 

意外とやることが多くて大変でさァ。

ですが死体さえ見つけちまえばこっちのもん。

毛利の旦那も沖田こそ殺人犯だと断定してくれているから、俺の勝ちでさァ。

 

泣き真似しながらも、思わず白い歯ァを見せちまいそうになりやすが・・・

よっぽど下から覗かない限り、俺の笑みなんざ見えるわけがありやせん!

 

 

そうこうしているうちに警察も到着。

でも心配ご無用。警察も毛利の旦那も沖田が犯人だって断定したまま。

実況見分も捜査も、俺のことなんざ被害者家族扱いで楽々スルー。

あとは沖田の連行に合わせて、ブンヤの目を避けながら外に出るだけ・・・

 

 

「ああ。犯人はそう見えるようにトリックを使って私の目をごまかしたんだ。そうでしょ? 裏口からコソコソ逃げようとしている、真犯人の土方幸三郎さん!?」

 

な、に!?

毛利の旦那・・・俺の犯行見抜いていやした。

そこから咲き乱れる旦那の名推理。

 

しかも旦那もお人が悪い・・・

モデルガン壊していきやがった。

でもってその壊したモデルガンを6階のソファーに隠して、動かぬ証拠を作っていたようで。

 

 

御用改められちまうのには、俺も弱いようで。

 




いかがでしたでしょうか。時代劇俳優殺人事件
とりあえず土方を殺せたんで満足。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。