名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿   作:三柱 努

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幕が上がって真打登場 謎解きステップ華麗にダンシング
今日の事件は小説絡み。不正な受賞は不幸を招く。
たった一つの真実見抜く。見た目はオリ作、本当は合作。その名は死神の葬列!



探偵事務所籠城事件(コナン)

私はパン屋さん兼アマチュア小説家の湯地志信。

一緒に書いた小説の功績を独り占めしてきた沢栗未紅を殺そうと思っているわ。

舞台はここ、群馬の温泉旅館。仲間3人と沢栗、その兄の5人も一緒に参加する町内会の旅行中に。自殺に見せかけて沢栗を殺す。

 

うん、殺すのちょっと怖い。だってミステリーの定番って、こういう旅行だとすぐに名探偵に謎を全て解かれちゃうパターン。しかも同じ町内会には天下の名探偵毛利小五郎もいる・・・

だけど大丈夫。毛利探偵は今回の町内会旅行に不参加だもの。

だけど油断大敵。もちろん私たちもアマチュアとはいえミステリー作家の端くれ。だから身内に名推理で追い詰められる危険もある。

ヒヤヒヤものよ。だけど実行しなきゃ。

 

まずは部屋にいる沢栗をサクッと殺す。

隣の部屋に泊っている沢栗の兄に「サヨナラ」ってメールを送って、沢栗兄が窓から侵入して死体に気を取られている間に窓から脱出。

あとは野次馬に紛れてやり過ごすだけ。

 

なんだけどうっかりその時、落としてしまった私の本に沢栗の血の指紋がついちゃった。ヤスリで削って何とか誤魔化せたけどね。本は捨ててもよかったけど、この本は私の手柄でもあるデビュー作が載ってる大事な本。永久保存版だから、一応手元に残しておかなきゃ。

 

 

さぁ・・・ここからが本番よ。できれば来ないで名探偵。そして優秀な刑事!

 

「現場は密室だから関係ないですね」

ヘッポコだぁ~! 事件を担当した刑事さんヘッポコ、ラッキー!

 

こうして、謎は全て解かれなかった。

 

 

そして翌月・・・

 

沢栗の兄が主催で、私たち作家仲間3人は、あの名探偵の毛利探偵のお話を聞けるイベントに参加できることになったの!

ドォン!

え? 

イベントの話、嘘でした。沢栗兄、私たち3人の中に沢栗殺しの犯人がいるはずだって言って、毛利探偵に推理させるつもりだったの。拳銃持参で。

 

でもそこは天下の名探偵の身内。その場にいた毛利さんの娘とお友達が一瞬で沢栗兄を制圧してくれたわ。さすがは天下の犯罪都市・米花町が誇る名探偵。対処が万全。

 

と思っていたら、沢栗兄も対策万全。犯人と刺し違えるつもりで自爆装置を持っていたの。

そのせいで結果、殺人犯である私や名探偵の毛利小五郎さんを含めた籠城事件に発展。

何コレ、映画?

いやいや悠長なこと言ってられないわ! これもし毛利探偵が謎を解いちゃったら、私この沢栗兄に殺されちゃうじゃない! 万が一、毛利探偵が解けなかったとしても自爆に巻き込まれて全員死亡。

最悪ッ。どう足掻いても絶望。

しかも毛利探偵の歯切れが悪い。まぁ状況が状況なだけ仕方がないけれど。

どうしてこうなっちゃったのかしら。まぁ私が殺したのが悪いんだけど。それにしても私では何ともできない。手も足も出ない。

 

そんな時、毛利さんの娘さんの携帯が通話中になっていることが判明。沢栗兄もこれには激怒したけれど、その電話口に出たのは思わぬ人物だったわ。

「僕が彼女にそうさせたんです。この工藤新一がね」

工藤新一!? あの有名な高校生探偵、まさかの参戦!

事態が打開されそ・・・うな気配はやっぱり無いわ。名探偵がいくら増えたからって、この状況どうにもならないんだし。

 

案の定、工藤新一も推理停滞。毛利さんの娘さんが「今夜は冷えるからカーテンを閉めようと思って」ってカーテンを閉めた頃にようやく「大丈夫。落ち着いてください。ネズミの正体はわかりましたから」って言い出したわ。

そう。ネズミ。それは沢栗が残した日記に残った、犯人の第一候補の名前。

「ネズミはもちろんねずみ色。三井さんの実家の石材店が扱う石の色。つまり未紅さんの部屋に最後にやって来たネズミは三井さん。あなた以外に考えられないんですよ!」

ポ、ポンコツだ~!

いや違う違う! 犯人は三井さんじゃなくて私だから!

あっ、でもこのまま三井さんが沢栗兄に殺されてくれれば、私は無事にこの籠城事件から脱出できる。でも冤罪のままで仲間を失ってしまうのも後味悪い。

どうすればいいの私・・・どうすれば?

 

「確かに僕は未紅さんがネズミというあだ名を付けたのは三井さんだと言いましたが、三井さんがあなたの妹さんを殺したなんて、一言も言ってませんよ?」

え? 何その後出しジャンケン。私の一瞬の困惑を返して!

ってそれどころじゃないわ。この流れ・・・まさかだけど謎解かれた? 私が犯人だってバレた?

「妹さんのデビュー作、お読みになりましたか? タイトルは『死神の葬列』」

なんか思ってた展開と違う。工藤新一が急に私の作品のことを語り出したわ。

しかも作品内の展開と違う。工藤新一の語ってる私の作品、内容が違うわ。

さらに流れで、あれは沢栗の自殺だったって言い始めたわ。

や、やっぱりポンコツ! しかも作者である私を目の前に知ったかぶりで語るって何?

これ何っていう展開?

しかも沢栗自殺説に絶望した沢栗兄の一瞬の隙を突いて、毛利さんの娘さんたちが沢栗兄を確保! 直後にSAT突入で沢栗兄を逮捕! 全てが怒涛の展開。

 

 

 

こうして籠城事件は全て解決した。

 

 

「ここからが本題。ちゃんと存在しますよ。沢栗美紅さんを自殺に見せかけて殺した死神は、その3人の中にね」

え? 工藤新一、急に方針転換!? ちょっと待って、ポンコツ2連続はまさか罠!?

「彼女の部屋に居座っていたのはネズミではなく、2番目に来たキツネである湯地志信さん、あなただったんですよ!」

で、ですよね~。

さっきまで状況が状況だったからトンチンカンな推理ショーをしていただけで、名探偵は全てお見通しだったのよね。

 

 

 

こうして、謎は全て解かれた

 

 

 




いかがでしたでしょうか? 探偵事務所籠城事件。

やっぱり旅行で殺しは駄目ね。名探偵が不可避になっちゃうフラグだもの。
しかもタイトルが悪いわ。死神の葬列だなんて。
旅行×死神×探偵。
でも考えてみれば、この組み合わせで死者が1人しか出なかったんだから、万々歳じゃない?
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