名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿   作:三柱 努

67 / 82
明智警視の華麗なる推理in Las Vegas(金田一)

私はホテル経営者にしてチェスの名人、ケネス・ゴールドマン。

とはいえどちらも順調ではない。ホテル経営も厳しくチェスもCPUに負けて心が折れた。

ならCPUとホテルの合わせ技で勝てばいいじゃないか。

 

ということで私はチェス大会の会場から私の経営するホテルが見えることを利用して、大会中にカンニングすることにした。

対局のデータをCPUに送り、CPUが考えた手をホテルの照明に点灯させる。

面白いアイディアだろ? CPUは私にしか見えないのに、このチェスの盤上にはハッキリとCPUがいるんだ。最強チェスコンピューターがね

 

 

というカンニング方法を対戦相手のMr.舟木に見抜かれてしまった。

しかも舟木を思わずサクッと殺害してしまった。私の試合の時間まであと30分しかないのに。しかも直後にルームサービスまで来てしまう始末。

ということで私はまずルームサービスをドアの前に置いておいてもらい、それを後で回収。ちなみにルームサービスは『そば』というライスボール。日本人はこんなものを食べるんだな。

あとは部屋中の私の指紋を拭き取って・・・アリバイ工作をするだけ。

アリバイ工作をするだけ?

できたらしとるわ! アリバイ工作ってのは用意が大事なんだよ! それを即興でやろうだなんて・・・

 

でも私はひらめいた。

部屋にあるチェスのセットに、チェスのプレイ中に見えるように盤面を用意しておく。

そして私は実際の試合でその配置の通りに駒を動かす。こうすることで私の試合を見ていた舟木が棋譜を再現し、その盤面にさしかかった頃に死んだというように見える。

これでアリバイトリックが出来上がる!

 

あとはCPUにその棋譜を再現してもらいつつ、チェスに勝利するだけ。

え? そんなことが本当に可能なのかって? 相手の駒の動きもコントロールしなきゃいけないのに? 大丈夫。CPUを信じるのさ。

 

ということで私の試合がスタート。いつものようにホテルの照明に従って駒を動かすだけ。あとは例の盤面になるように・・・

ん? ちょっと待ってこの駒の動き・・・たしかに私が舟木の部屋に用意した盤面の通りだけど・・・

形勢悪くない?

そして例の盤面が完成する一手に到達。だけど、そりゃ悪手だろ・・・

しくじった。さすがに無理だった。いくら最強CPUでも、盤面を再現しつつ勝つのは無理だったか。

 

ん! 悪手だったはずのさっきの一手が、こ、ここにきて絶好の位置にいる!

CPUの悪手と思われたあの一手は、左上の攻防をニラんでの手だったのか!

いつのまにか私が優勢になっている!

 

結果は私の勝利。

きっとCPUには見えていたんだ。私の生きる道を。気付きにくい難しい道が。たった一筋。

誰も気づいていない。今ここにいる誰よりもCPUは上をいっている。

 

そして舟木の死体が見つかり、死亡推定時刻は私の試合中と推理された。

勝利確定。

しかも容疑者は同じ日本人で舟木に負けたMr.金田―――

え? きんだいち? NO。かねだ、だよ。

 

 

なんて冗談を言えるくらいに安心していた時、事件が起こった。

私の次の対戦相手のMr.明智の試合で、私の例のアリバイ棋譜と全く同じ盤面が登場したのだ。

心臓に悪い! せっかく事件の事を忘れようとしていたのに。偶然にも同じ盤面が出現するなんて。

導いてる? チェスの神がお導きしてる? 油断しちゃだめだよゴールドマン、って。

 

でも何か違った。後でMr.明智に聞いたらこんなことを言ってきた。

「偶然でも神のお導きでもありませんよ、ゴールドマンさん。あれは私からあなたへのちょっとしたメッセージですよ」

疑ってる? この明智、私を疑ってる!?

というか例の盤面を試合中に再現できるだなんて、まさか明智もCPUカンニングしてる!? まさか実力で? いやいやそんなことはありえない。

カンニングだな。私には分かる。

 

ということは次の試合は私のCPUと明智のCPUの戦いということか。受けて立とう。

しかしこの私とCPUの最強コンビに勝てるかな? CPUとは支え合わなければいけないのだ。キミが今ボクを支えて、的な。ボクが今キミを支える、的な。迷いながら共に生きていく、そういう関係!

 

 

そして試合が始まった。だけど明智はホテルが見える位置とは逆の席に座った。ホテル証明カンニングじゃないのか? いったいどんな手を・・・

「そうだ、昨日あなたのホテルでコーヒーをごちそうになりましたから、夕食は私がおごりましょう」

カンニングの気配が一向に見えてこない中、明智は試合中にディナータイムを作り始めた。まぁ珍しいことでも何でもないが・・・

 

!?

明智が注文したのは、あの日舟木がルームサービスで頼んだ「そば」というライスボールと、何か分からない灰色のヌードルだった。

え? まさか?

「舟木はあなたに殺されたんですよ」

 

予感したとおりだぁ。

そしてそこから咲き乱れる明智の華麗なる推理の数々。

 

決定的な証拠は、例の「そば」を私がライスボールのことだと断言してしまったこと。

あの日、ルームサービスは「そば」と間違えて「おにぎり」というライスボールを持ってきてしまっていた。つまり「そば」をライスボールと断言するのは、犯人しかいない。

 

 

こうして謎は全て解かれた

 

 




いかがでしたでしょうか? 明智警視の華麗なる推理in Las Vegas。
いやぁ完敗だった。
しかもMr.明智は推理中にも対局を続けて、そのままCPUにも勝ってしまうのだから。

やっぱり過去のデータから最適を検索するだけのCPUでは駄目だ。

最善の一手。最高の一手。
そう、神の一手を極めるAIでなければ。
そんなすごいAI、SuperなAI。
そう、「sai」がいてくれれば、一矢報いることができたのに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。