名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿   作:三柱 努

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リップのリズムはフットルース 推理のリズムはパーフェクト
今日の事件は暗証番号。コナンのソレは4869。
たった一つの真実隠す。見た目は平気、胸はドキドキ。その名は犯人!



奇妙な一家の依頼(コナン)

 

俺は純愛小説家の狩谷滋英。

といっても俺自身は小説家じゃない。小説家なのは弟の方。

俺は弟をゴーストライターにしているのさ。

 

あれは12年前。弟は当時の交際相手を刺してしまった。

だが俺が様子を見に行った時、交際相手はまだ生きていた。でも金銭を脅してきたから俺がトドメをさした。

こうして自称殺人鬼となった弟を、俺は家の屋根裏に匿っている。

 

弟は自首したいと言っているが、なかなか勇気が出ないらしい。俺にとっては好都合だが。

それでもずっと屋根裏生活は不憫すぎる。

ということで気晴らしに書かせた小説。

 

これが面白いのなんのって。

今度の秋にドラマ化されることにもなったのさ。

感性が12年前のままだけど、主人公とヒロインの切ないラブストーリー。めっちゃ純愛。

弟よ、お前そのピュアハートで、よくあの金目当ての婚約者と清い交際してたな。

 

ただタイトルが・・・『春のソノ他』・・って、冬の? そなた・・お前本当に12年間、世間の情報から途絶してたんだよな?

 

 

という半分順風満帆な隠遁生活を送っていた俺たちだったが、ある日事態が急変した。

それは何気ない日常の会話。兄嫁の伴子さんが急に俺に話しかけてきた。

「この携帯、どこにあったと思う?」

うん唐突。伴子さん、携帯無くしてたの? 俺、初耳。

あるよねこういう、当の本人は携帯を探していたんだろうけど、それを知らない他人からしてみたら突然の話題でポカンとするしかないパターン。

で、それが何?

「好奇心旺盛な弟さんの所よ」

え? ちょっ、屋根裏の弟のことまで見つけたの!? しかも俺にそれを言うって。

整理が追い付かない。

「そうね、まずは一千万。詳しい話は離れた場所でじっくりと。素花さんを殺した真犯人の事も聞きたいし」

会話のキャッチボールが一方通行のまま、まさかの恐喝!

俺がポカンとしている間に金の話をしてきた伴子さん。

どういう兄弟だよ! 金の亡者としか交際できない兄と弟を持った俺。

 

ということで俺は伴子さんを殺す事にした。

 

幸い、伴子さんのほうから俺を人気のない場所に誘ってきたから、殺す場所を決めるのは簡単。

あとは殺害中のアリバイ作り。

それは弟を代役にすれば簡単。

 

弟に、今夜は俺の部屋で小説を書いていろと言っておくだけ。

あとは家のお手伝いさんが来たとしても弟には障子越しに受け答えしてもらうようにお願いすればいい。双子だからシルエットもそっくりだし、十分なアリバイ作りができる。

 

 

 

と思っていた時期が、俺にもありました。

そりゃ家の人間が殺されたんだから、来るよね警察。

そして何故か伴子さんの中学時代の友人の森五郎さんも警察と一緒に俺に向かって事情聴取。

 

だが森五郎は森五郎じゃなかった。毛利小五郎だった。

うわマジ!? 伴子さん、あの名探偵と同中なの!?

そして日本の警察、初動捜査が手早すぎて、俺まだ殺人の証拠や伴子さんの携帯を処分できてないよ!

どうにか誤魔化し通すしかない。

大丈夫。俺にはアリバイがある。弟が代わりになってくれたアリバイがある。

 

〈ピンポーン〉

 

家のチャイムが鳴った。

どういう来客だよ。今まさに家の前にパトカーあるのに。しかも夜の10時なのに。神経図太い客がいるもんだ。

そういえば今のチャイム、いつものより大きな音な気がする。

気のせいか? 動揺してるせいで大きく聞こえてるのか?

 

 

なんて思ってるうちに、警察が来た。

俺が伴子さんを殺した犯人で、弟をこの家のどこかに匿ってる、って。

 

 

 

 

謎は、全て解かれていた。

 

 

いやいや説明不足! 辻褄が合うってだけで警察は俺を疑ってきた。

正解だけど、証拠が無いだろ。

令状を今から取ってくるらしいけど、俺いま忙しいの! 編集の坪内さんと電話で打ち合わせする約束になってるの!

 

って言い訳してる間に、弟が観念して出てきてしまった。

あ、これもう終わりだ。

 

だけどまだ、弟は俺の伴子さん殺しを知らない。まだどうにか誤魔化せば・・・

〈ピンポーン〉

またチャイムが鳴った。

いや、どうやらこのチャイム音は伴子さんの携帯のメール着信音らしい。

 

そして毛利探偵はそのまま俺が部屋に隠した伴子さんの携帯を見つけて、同時に殺人の証拠も見つけてしまい・・・

 

 

 

こうして、謎は解かれるもなにも意味がなかった。

 

 

 




いかがでしたでしょうか? 奇妙な一家の依頼。

敗因・・・というか全ての原因は弟です。
弟が伴子さんの携帯電話を拝借したせい。
いくら珍しいからって。いくら暇だったからって。
携帯のロックの4ケタの暗証番号、総当たりで解除するか普通!?
携帯の電源の切り方を知らないくせに。
そのせいで伴子さんが着信音を頼りに探してしまった。
開けちまったのがパンドラの箱だった。


今回、弟は12年前の人間だったけど。
携帯のセキュリティレベルが12年後レベル。指紋認証や虹彩認証、静脈認証だったら。
こんなことにはならなかったかもしれないですね。
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