名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿   作:三柱 努

79 / 82
眠りの先に訪れる 推理に恋して謎解く快感
今日の事件は解説風 ゆっくりボイスが聞こえてくるぞ
たった一つの真実隠す。見た目は平気、胸はドキドキ。その名は犯人!



そして人魚はいなくなった 【前編】(コナン)

「どうもみなさんこんにちは。美國島の巫女、ゆっくり君恵と」

『生きていたら130歳。金賞クラスの特殊メイクで爆誕、ゆっくり命様だぜ』

「今日はお母さんを焼き殺した幼馴染たちへの復讐計画を解説していきたいと思います」

『最低な奴らだったよな。私たちが代々、変装することで生きているように見せかけてきた命様の名に賭けて、最低な奴らは生かしておけないぜ。それでは今日も』

「『ゆっくり死んでいってね』」

 

『なあ君恵、そもそもなんで幼馴染を殺そうと思ったんだぜ?』

「聞いてよ命様。あいつら人魚伝説が本当かどうか確かめるために、命様に変装したお母さんが蔵に入っていったところに火をつけたのよ!」

『うわぁ、最低な奴らだな。不老不死を確かめるためにそんな酷い事をしたのか』

「そうなのよ。それでその中の一人の沙織が虫歯になったから、それをトリックに利用しようと思うの」

『ん? 虫歯をトリックに利用? いったいどうやるんだ?』

「この島には歯医者さんが無いから、船で本土に行って歯医者さんに行かなきゃいけないでしょ? 私も沙織に付き添っていく約束をしているんだけど、その時に沙織の保険証を抜き取っておくのよ」

『ふむふむ』

「治療の段階で保険証が無い事に気付いた沙織に、私が代わりに保険証を貸してあげる。そうすると歯の治療のデータは沙織の歯並びが私の歯並びとしてデータが残るのよ」

『なるほどな。そうすることで沙織が焼死体になれば、死体の身元は歯並びで調べることになる。沙織の死体を君恵の死体として処理できるというわけだな』

「そうよ。復讐もできるし、私もこれから命様としての活動に専念できる。一石二鳥のトリックね」

『それじゃああとは沙織の出番が来るまで監禁しておけばいいんだな』

「ええ。だけど沙織を監禁している間に少し妙なことがあったの」

『妙なこと?』

「ええ。沙織の携帯電話に着信があって、出たら大阪の男の子かしら? 関西弁の若い声が聞こえてきたのよ。沙織がそばにいたし、うめき声を聞かれたらまずいからすぐに切ったけど気になるわ」

『何事もないといいな』

 

「ということで来ましたトリックの日。儒艮祭りのイベントを利用しておびき寄せながら殺していくわ。儒艮祭りのメインイベント、儒艮の矢に当選っていう口実さえあれば、不老不死に執着している奴らを簡単にホイホイできるのよ」

「だけど君恵、問題が発生したぜ』

「何かしら?」

『矢の当選者を誰にするかもう段取りが終わってるのに、その当選番号の持ち主の老夫婦が今朝になって急にキャンセルしてきたんだぜ』

「え、えええええ!? どうして?」

『分からないんだぜ。でも私たちの予定としては当選者3人のうち2人は仇。そのうちの1人はイベント中に殺すから当選者として矢を渡すのは2人になってしまう。当選者が2人ならまだいいが、1人になったら祭り的には盛り上がらなくなってしまうぜ』

「そうよ。当選者の存在は大事なの! 早く矢のくじを誰かにプレゼントしてあげなきゃ」

『それならいいのが来たぜ。東京と大阪から来たっていう探偵さんの連れの娘さんたちがちょうどいいんじゃないか?』

「た、探偵…いるのかよ! 一度言ってみたかった台詞だけど、これって少しまずくないの?」

『そうだな。イベントに探偵を関与させてしまうことになるな。でも背に腹は代えられないんだぜ』

「そ、そうよね。それに私の命を賭けたトリックはそう簡単に見破られたりしないわ」

『その意気だぜ君恵!』

 

「じゃあ儒艮祭りのメインイベントを始めるわよ。まずは仇の1人、寿美に『人魚のお墓の場所』を教えてあげるって言って滝の上におびき寄せる。そこで気絶させて首にロープを巻き付け、浮き輪に乗せて滝に続く川に浮かべる。約1時間で浮き輪が流れきるように何度も試した長さにロープを調節しておけば、私のアリバイを確保しながら事故死に見えるよう寿美を殺せるの」

『でもここ一週間、雨が続いているから土がぬかるんでいるぜ。気を付けろよ君恵』

「大丈夫よ命様」

『それに水かさもいつもより多いから、ロープの調節も気を付けるんだぜ』

「う、う~ん。なんで今日に限ってトリック環境が悪条件」

『でもどうにかやりきったな。偉いぞ君恵』

「ありがとう」

 

『さて、いよいよ矢の授与式だな』

「そうね。幸運を手に入れたお三方…という私が選んだお二方に前に出てきてもらわなきゃ・・・あれ?」

『どうしたんだぜ君江?』

「矢の当選者として出て来たのが、仇の奈緒子、大阪弁の女の子と・・・あともう一人いるんだけど」

『そんなわけがないぜ。もう一人の当選者の寿美は私たちがさっきサクッと殺したはず。ってあれ? たしかにいるな。たしかあれは沙織のお父さん。あれ?』

「あれ?」

『・・・もしかして、当選番号間違えた?』

「そうかもしれないわ。寿美、当選してなかったみたい。当選してないのに人魚のお墓に呼んじゃったのね。ってことは下手したら美味すぎる話だと怪しんでこなかった可能性もあったわけね。危ない橋を渡ってたの」

『そうだな。でも見てみろ君恵。無事に寿美の死体が発見されたぜ』

「そうね。事故死か他殺か自殺かはわからないって結論になりそうだけど、海が荒れて警察が来るのが遅くなるって話みたい。これで安心して次の仇を殺せるわ」

『安心だな・・・って、なんか大阪弁の男の子が変なことを言い始めたぜ』

「う、うん。滝の下の川で浮き輪を見つけたみたい。トリックのこともアリバイのことも見抜いて、殺人犯がこの島にいるかもしれないって言っているわ・・・私たちがものすごく苦労したトリックを・・・」

『関西弁の女の子が惚れ惚れした顔で教えてくれたな。帽子をかぶり直した平次くんは犯人を捕まえたるスイッチオンでエンジン全開なんだって』

「た、探偵スイッチ! き、聞いたことがあるわ。本土の高校生は受験シーズンになると『やる気スイッチ』なるものを見つけてもらうって」

『殺る気スイッチなんだな。警戒しないといけないぜ』

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。