名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿 作:三柱 努
「さて、仇1人を殺せたと思ったら、なんか観光客の関西弁の少年に探偵スイッチが入っちゃって厄介になったわ。しかも追加で連れの眼鏡の男の子が命様に会わせてほしいって言い始めたわ」
『私に会いたい? 小学校低学年くらいの男の子なのに、意外と熟女趣味があるんだな』
「超熟女趣味だけどね。でもここで一人二役を演じ分けて見せれば、ますます私と命様が別々に存在するって信じてもらえるわ」
『チャンスなんだぜ。よし君恵、声を録音してから交代して接客するぞ』
「ええ、頼んだわ命様」
『で、接客したのはいいけれど』
「命様に会いたいって言い出した割には、大した用事がなかったわね」
『矢の当選番号の決め方とか、たくさん売ったらいいのにとか、その程度だったな。まぁ私もボロを出さないように早めに切り上げたのもあるが』
「肩透かしだったわね」
『さて君恵。分かっていると思うが、今から寿美のお通夜だぜ。つまり奈緒子をサクッと殺す日だ』
「奈緒子は人魚の墓の情報ですぐにホイホイできるから楽ね」
『あとは浜辺に呼び出した奈緒子をサクッと殺して、死体に魚のウロコを付着させておく。私たちはそのまま波打ち際まで歩いて行って、途中で魚のウロコを落としておく。そして波で足跡が消えるように波打ち際のギリギリを歩いて戻れば、犯人が泳いで逃げたように見えるんだぜ』
「あとは矢を奪って何処かに捨てておけば、矢が目当ての強盗犯説も作り出すことができるわね」
『ああ。実際そんな感じに捜査が進んでいるな。ついでに大阪のスイッチ探偵も「矢の当選者名簿が見たい」なんていうトンチンカンな捜査を始めたぜ』
「名簿を見られたところで私たちのトリックには何の支障もないから安心ね」
『ああ』
「・・・・・って、あれ? 名簿がない?」
『まさか泥棒に入られたのか?』
「私たちが最後の殺人をしようっていうその日に? とんでもない話ね!」
『全くだぜ。まぁ他に荒らされている様子も無いし、どうせ今から私たちは入れ替わる。君恵として生きる分には困るかもしれないが、命様として生きる分には問題ない』
「むしろこんな夜遅くまで働いてくれている毛利探偵や関西弁の探偵くんに申し訳ないわね」
『例の眼鏡の男の子まで来てくれたのに申し訳ないな』
「申し訳ないついでに、そろそろいいタイミングじゃない?」
『そうだな。そろそろ今回のトリックの総仕上げの頃合いだな。それではみなさん』
「『ゆっくり死んでいくね』」
『ということで蔵に火を放って、沙織を殺したんだぜ』
「でも死体は丸焦げで身元が分からないから、歯並びで調べるしかない。これで沙織の死体は私の焼死体ってことになったわ」
『これで、全てが終わったな。仇を全て殺して・・・』
「私はこれからの人生、命様として生きていく・・・」
『と思っていたら、なんか毛利小五郎に呼ばれたんだぜ。眠りの小五郎の推理ショーが始まるとか』
「何それ? 私のトリックの捜査に奔走していたのって、関西弁のスイッチ探偵じゃなかった?」
『ああ、変だな。それに推理がどんどん咲き乱れていくぜ』
【犯人は、祭で矢の当たり番号を示した、命様ただ一人】
「『え、ええええええええええ!?』」
「毛利探偵、いつの間にか全てお見通しだったの?」
『しかも島民のほとんどが、私と君恵たちの入れ替わりに気付いていたことがわかったぜ』
「島のみんな・・・入れ替わった後の命様ともすれ違っているはずだけど・・・どういう感情で私たちを見ていたのかしら?」
『分からないが・・・すくなくともこれだけは言えるぜ』
「『こうして、謎は全て解かれた』」
「いかがでしたでしょうか? そして人魚はいなくなった」
『今回の敗因、分かってるよな君恵?』
「ええ。私たちの想定外の行動をとったクズ親父」
『そう、沙織の父親だぜ』
「今年の矢の当選番号の札を売ったのもあの父親だったわ。そのせいで探偵の連れの女の子に矢をあげなきゃいけなくなったわ」
『それに寿美の矢の当選番号をネコババしたのもあの父親だったようだな。そのせいで寿美を呼びつけた後で失敗してた可能性があるって勘違いする羽目になったぜ。私たちの心臓に悪かったぜ』
「そして当選者名簿を盗んだのも父親。泥棒に入られたかと思ってドキッとしたわ」
『今回の事件の全てをかき乱していった沙織父。オチを持っていかれた気分だぜ』
「あの人かい! あのややこしい混乱の原因は!」