名探偵コナン&金田一少年の事件簿の犯人たちの事件簿 作:三柱 努
今日の事件は苗字が渋滞 登場人物ほとんど小嶋
たった一つの真実隠す。見た目は平気、胸はドキドキ。その名は犯人!
俺は盗賊団・百鬼夜行の頭、小嶋岩吉。
悪い事なら一通りやってきた。
殺人・強盗・恐喝・窃盗・詐欺・婦女暴行・密輸・誘拐・放火以外もやってきている。
つまみ食いとか。おかわりしたのに残すとか。水出しっぱなしにするとか。ダブルドリブルとかな。
まぁとにかく悪の限りを尽くしてきた俺だが、1つだけ絶対に守っている掟がある。
それはコジマを殺さないことだ。
小嶋とか小島とか児島とか。同じ祖先で別々になった親戚かもしれない苗字の人だ。
漢字が違っても殺さない。何があってもコジマだけは殺さない。
というかぶっちゃけ俺はコジマが好きだ。コジマ愛。
そんな俺のコジマ愛が試される時が訪れた。
【全国コジマさん選手権大会】
優勝者には1000万円と山休の「萩に猪」の掛け軸が貰えるというもの。
この掛け軸、3つセットで価値が上る代物で、俺は鹿と蝶の掛け軸を持っている。半年前に盗んだものだが。
それが貰えるっていうなら、狙うっきゃないだろ優勝を!
え? 盗めばいいじゃないかって? いやいや俺に勝るコジマ愛の持ち主はいない。
それを証明してから手に入れてこそ価値があるものじゃないか。
ということで、やってきました日売テレビ。
なんか殺人事件が起こったり、あの名探偵の毛利小五郎がよく出演することで有名なこのテレビ局。
まぁ今日は全国コジマさん選手権大会だ。全国モウリさん選手権大会じゃない。だから心配ご無用。
さぁ試していこうじゃないか、俺のコジマ愛を!
うん。駄目っぽい。
全国コジマさん選手権大会。難易度高すぎた。
種目がヤバすぎる。
体力勝負は3分間で何回腕立て伏せができるか。うん、俺の恵まれすぎた体で他のコジマッチョに勝てるはずもなく。
のど自慢勝負。コジマ愛を試されるかと思ったら、別にコジマ以外の歌手の歌でもよかった。
漢字の書き取り勝負。薔薇とか憂鬱とか書けるわけがない。てっきり全てのコジマ苗字を書けっていわれるかと思ってたのに。児嶌とか狐島とか。
うん。普通に落・・・最終候補まで残ったぜ!
え? 本当に? いやいや、どうして?
まさか・・・この試験には裏がある?
そう。実は見られていたのは点数ではない。
それはコジマ愛。俺からにじみ出るコジマ愛が感知されたのだろう。
ということは他の2人のコジマさんも、俺に匹敵するコジマ値の持ち主ということ。
こいつは負けられないな!
ということで番組の収録が始まるまで俺たち3人のコジマはしばらく個別の控室で待機。
途中で係員の人が「一品」って書かれた紙を見せてきた。
まぁそのくらいだな。いやぁ番組が楽しみだ。
この階にコジマ愛が強ぇやつがいると思うと、俺ワクワクすっぞ!
なんて思って待っていたら、なんか控室に変なジジイがやってきた。
ニヤニヤした顔で気持ち悪いと思っていたけど、どうやら今回の全国コジマさん選手権大会の開催者、小嶋グループの会長・小嶋権作氏!
なるほどこの方が俺のコジマ愛を見抜いた、日本一のコジマさんか・・・
なんて思っていたら、小嶋会長が「久し振りじゃのォ」って声をかけてきた。
久しぶり?
どうやら小嶋会長、俺が前に強盗に入った家の主で、その時に犬を殺されたことを恨んでいたらしい。
俺が盗賊団の主だってことも知っていて、その証拠の紙も持っていると。
え? ヤバすぎない?
日本一のコジマともなれば、悪のコジマを見抜く目も持っているのか!
ということでその証拠の紙だけでも奪おうと思います。
やっちまった。
うっかり階段から突き落としてしまいました。
うわぁ、コジマ不殺の誓いを破ってしまった。
でも仕方無い。放置してしらばっくれるしかない。
とりあえず証拠だって言ってた紙は奪って、食べて証拠隠滅しておいた。
最悪、小嶋会長は階段からの転落死。事故死だって処理されるに違いない。
なんて思っていたら殺人の可能性もあるからって警察が来ちゃいました。
番組を見に来ていた小学生の子供が警察を呼べって。
優秀すぎるだろ!
いや、この番組を子供が見に来るなんていうのは、父親がコジマで応援に来たっていう可能性しかない。
つまりコジマは小学生でも優秀だという立証!
さすがだ、コジマくん。
そんなコジマくんに呼ばれてやってきた刑事さんたち。
当然、俺たちに事情聴取を始めてきた。
といっても他の2人のコジマだって容疑者なわけだし、目撃者だっていない。証拠だってない。
俺は普通にしらばっくれていれば、そのうち警察も諦めて俺を介抱してくれるに違いない。
あと少し気になったのが、事情聴取で俺に「薔薇」って漢字で書けますか?って聞いて来た刑事さんがいたんだ。
まぁ俺は書けないけどな。刑事さんも書けないって言っていたくらいだし。
だけどな。なんかこの刑事さん・・・コジマ臭がするんだよ。半分くらい。妙だな。高木刑事って呼ばれていた気がするんだが。
なんてことを考えているうちに、俺は他の2人のコジマと一緒に警察に呼び出された。
一品って書かれた紙に何て書いてあったか教えてくれってな。
そうしたら他の2人は「八百一」とか「シャクハチ」とか言い出したんだ。
ん? どういうことだ?
なんて思っていたら、例のコジマ少年が紙を見せてくれたんだ。
ほら、やっぱり「一品」だろ?
って思ったら、この一品は俺たち盗賊団がいつも置手紙で残している「天下一の品」の「一」と「品」を合成したものだったらしい。
つまりこれ一品と読むのは、強盗団の関係者だけ。
しかもあの紙は和紙で毒性が強いから、食べたら死ぬらしい。
うえぇぇ!
マズイぞ、早く救急車を呼んでもらわないと!
でもどうして俺が苦しんでいるって説明する? 正直に言うしかないだろ! 俺が証拠の紙を飲んだ殺人犯で盗賊団だって!
って俺がゲロって苦しんでいたら、コジマ少年が和紙の毒は嘘だって言い始めた。
こ、このコジマぁ! 俺をかつぎやがって!
でもまだいけるはず。子供の冗談に付き合ってやったデタラメだって・・・
「オゥオゥオゥ! シラァ切るのも大概にしやがれ!」
他のコジマさんにめっちゃ怒鳴られました。勢いで自白させられました。
こうして、謎は全て解かれた。
そしてコジマ怖ぇ。
いかがでしたでしょうか? 犯人は元太の父ちゃん
敗因は間違いなく、コジマ不殺の掟を破ってしまったこと。
コジマを殺してしまったのが運の尽き。
同じ苗字の相手を殺すなんて、絶対に駄目だってことが証明されたわけだな。
それにしてもあのコジマ会長、どうやって俺が盗賊団の頭だってわかったんだ?
他の2人が大会の最終候補者に残ったってことは、最後の一品の字までは候補が絞れなかったようだが。
まさかあの2人。小嶋文太と小嶋元次にもあるというのか? 悪のコジマのオーラが。犯罪者の素質が!