御門先生と一般男性が恋愛を始めたようです 作:ヘル・レーベンシュタイン
今回の話は今までと比べて少しだけ刺激の強い内容となっています。
「うわぁ、これは酷い!」
「はぁ、はぁ....今日の天気予報は外れね。雨が降るなんて言ってなかったのに....」
初デートから数日が経ったある日、俺は街の中で歩いているところ御門さんと出会った。そのまま2人でお喋りをしつつ買い物をし、帰ろうとしたところ大雨が降ってきた。
御門さんの言う通り、天気予報では雨と予報されてなかったため、お互い傘は持っていなかった。幸い俺の住んでいるマンションは近くにあるため、一旦一緒にそこまで走ることにした。
「けど、どうにか家までつくことができたわ....」
「そ、そう....だね。」
俺は一瞬御門さんの方へ顔を向けようとしたが、すぐに逸らした。何故なら全身が濡れて服が身体にピッタリとついてボディラインがはっきりと見えてしまっているからだ。男の本能としてまだ見たいと言う感情が浮かび上がる。だか俺は、ジロジロと見るのは御門さんに対して失礼だと考えてその煩悩を抑えた。
「あら、ごめんなさいね。濡れてしまってはしたない格好になってしまったわ。」
「い、いや....仕方ないよ。とりあえず俺のうちに入ろうか?そのままだと風邪を引いてしまうし、まずは体を拭こう。」
「ええ、そうね。お願いするわ。」
そう言って御門さんは俺と一緒にマンションの中へと進んでいった。はっきり言って自分の住まいに女性を入れるなんて初めてのことだ。緊張しないわけがない。
「あの....念のために言っておくけど、絶対やましいことはしないよ、約束する。」
「....ええ、その言葉を信じてるわ。」
その言葉を聞き、俺は覚悟を決めて自分の部屋の鍵を開けた。そして扉を開き、御門さんを中へと招き入れる。俺はすぐさまタオル置き場へと向かい、自分と彼女の分のタオルを引っ張り出した。
「はい御門さん、これで身体を拭いて良いよ。」
「ありがとう.....助かるわ。」
「えっと、お風呂沸かすね。あと、着替えはジャージと男用の服しか無いけど大丈夫かな?」
「あら、そこまでしなくても....」
「いやいやダメだよ、御門さんに風邪を引かせるわけにはいかないから。」
「そ、そう....なら、遠慮なく」
そう言いながら御門さんは申し訳なさそうに浴室へと向かった。俺はその間に簡単に身体を拭いて服を着替えた。そして買ってきたものを確認する。
「やべぇ、よりによってスープ買ってねぇ.....」
何か温かいものでも与えないと、そう考えた俺は傘を片手にコンビニへ向かうことにした。自分の部屋に彼女を1人置いて置くことに不安はよぎったが、鍵もかけたし歩いて1分もかからない場所にコンビニがあるのですぐに戻れば良いと考えて行動してしまったのだ。冷静に考えれば安易な行動だと思ったが、それほど俺は気が動転していのかもしれない。
そして数分後。
「まさか混雑してたとは.....」
コンビニ内はややレジが混雑していた。おそらく傘を買う人たちがたくさん来ていたからだろう。だから、あくまで体感時間だから少し遅くなってしまった気がする。俺は駆け足で自分の部屋へと戻る。部屋の前に到着し、扉を開く。
「ごめん、御門さ.....あっ」
「あら、お帰りなさい。」
部屋の中を見ると、すぐに御門さんがいることがわかった。俺は何も言わずに飛び出したことを謝ろうとしたが、彼女の姿に言葉を失ってしまった。
何故なら身につけているのはタオル一枚、それだけ。少なくとも俺の目にはそれだけしか確認できなかった。
「み、御門さん....その姿は?」
「ああ.....ごめんなさいね。ドライヤーがどこにあるのか聞きたかったの。勝手に部屋を探るのも悪いですし....」
「え、あっドライヤーか!それなら洗面台の棚の中に....」
「ありがとう。けど、私を部屋に置いたまま外に出るなんて危ないわよ?私が悪い女だったら、何か盗まれてたかもしれないじゃない。」
「そ、それは....」
やや悪どい笑みを浮かべながら指摘する御門さんの言葉に、おれは詰まらせてしまった。実際必死だったとはいえ無用心な行動だったのは我ながら反省しているつもりだ。
だがそれを察した御門さんは、ごめんなさいと苦笑しながら謝った。
「なんて、濡れた姿で男の人の部屋に上がった私がそんなことを言う資格はないわね。無用心だったのはお互い様よ。」
「いやそれは、急な雨だったし....そのまま帰らせるわけにもいかないでしょう。」
「だとしてもよ.....お風呂まで入ってしまったんですもの。だから、お互い様なんだから気落ちすることはないわ。」
「そ、そうか....わかった。とりあえずドライヤーで髪を乾かしてきなよ。」
「ええ、ありがとう....そうさせてもらうわ。」
そう言って御門さんは再び浴室に戻り、ドライヤーで髪を乾かし始めた。その間に俺はキッチンに立ってスープを作り出す。脳裏に浮かぶ御門さんのバスタオル姿を悶々と思い出すも、グッと欲情を堪えながら。
そして
「まさかここまでしてもらえるなんて....本当、ごめんなさいね。」
「いやいや、俺がそうやりたいからそうしてるだけだよ。」
そして暫くして、俺は着替え終わった御門さんにスープを出した。御門さんは驚きつつも嬉しそうに微笑んでスープを口に運ぶ。
「それにしても....貴方は本当にやましいことはしなかったわね。そこは本当に嬉しくて、安心したわ。」
「そ、それは当たり前でしょう。そんなことをしたら男の恥だ。」
「けど、そこは据え膳食わねば男の恥って考えるものじゃないの?もちろん、責任は取ってもらわないと困るんだけどね。」
「そうだとしても....俺はそういうやり方は好きじゃない。もっとお互いが信頼し合い、愛し合えるくらいじゃないと....」
「あら.....ふふ、貴方はとてもロマンチストなのね」
俺がつい口に出した主張を聞いて、御門さんはクスクスと微笑ましそうに笑みを浮かべる。それを見て俺は顔に熱を感じて赤くなってしまう。
「や、やっぱ大人っぽくないかな?こう言う価値観は...」
「いいえ、とても素敵だと思うわ。そう言う理想をお互い思い浮かべながら、一緒に恋愛していくことも良いかもね....」
「.....えっ、それって」
「はい、ごちそうさまでした。食器はこっちに置いとくわね。」
俺がもっと詳しく話を聞こうとすると、御門さんはそれを遮るように立ち上がって食器をシンクへと持ち運んでいった。もしかして照れ隠しなのかなと思ったが、それが分かるのは本人のみだ。
俺も自分の分のスープを飲もうとした時、机に置かれてた御門さんのケータイにバイブが走る。
「あら、私のだわ.....迎えが来たみたいね。」
「御門さんのお友達?いつのまにが呼んでたんだ。」
「ええ、けど混雑してたみたいだからすぐに来れなかったのよ。」
「あー、なるほど。雨が降るとやっぱそうなるよね。」
「ええ....今日は本当に助かったわ、ありがとう。このお礼は必ずするから。」
「うん、御門さんも帰りは気をつけてね。」
俺は御門さんが外に出るのを見送った。窓から外を見下ろすと、一台の車がこちらに向かってきていた。おそらく御門さんの友達なんだろうと思う。
それにしても御門さんはあんな格好でも余裕のある表情だったから、まだまだ彼女には敵わない。俺はそう感じてしまうのであった。
一方で.....
「はぁ、ちょっと私らしくなかったかも...」
マンションの階段を降りながら、御門涼子はそう独り言を呟いていた。
御門先生なら、もしかしたらこんな風になるんじゃないかなぁと思って書きまし
今後の話も、こんな感じで少し色気のある描写が増えてくるかもしれません。