御門先生と一般男性が恋愛を始めたようです   作:ヘル・レーベンシュタイン

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今回は前回話に出ていた、お祭りデートのお話です。


第九話 お祭り 前編

 

 

「おっと、そろそろ時間だな。」

 

時計を見ると身支度を済ませて外出した。前回御門さん達と約束した時間に近くなったため、待ち合わせ場所である祭りの会場へと向かっていく。

今日は予定していた祭りの日、俺は楽しさを胸に踊らせながら待ち合わせの場所へと向かっていった。

 

「あ、藤田さーん!こっちですこっち!」

 

暫くすると、お静ちゃんの声が聞こえてきた。ピョンピョンと跳ねながら手を振り、俺を誘導してくれている。俺は少し駆け足をしてその場へと向かっていった。

到着するとお静ちゃんとティアーユさん、そして闇ちゃんと御門さんが待っていた。みんな浴衣を着ていてとても似合っている。

 

「ごめんなさい、遅れてしまいました。」

「大丈夫よ、私達も来たばかりですし。早速行きましょう。」

 

そう言いながら御門さんは俺の手を引いて祭り会場の中へと連れて行ってくれた。中には大勢の人が立ち並んでいるが、充分歩くことが出来る程の密度だった。

 

「それにしてもみんな、浴衣姿が似合っているね。」

「あら、ふふ....ありがとう。男の人から言われるとなんだか新鮮ね。ねぇ、ティアーユ?」

「え?あ、そうね....なんだかとても照れるわ。」

「狼狽すぎですティアーユ....まあ、褒め言葉をもらうこと自体、悪い気はしませんが。」

「えへへ、ありがとうございます、藤田さん。」

 

などと彼女達は嬉しそうな表情を浮かべた。闇ちゃんはまだドライな反応をしているものの、強く否定しないあたり少し受け入れている気はする。

 

「あ、あそこのお菓子美味しそうですね!御門先生、買ってきて良いですか?」

「そうね、折角だし好きに買ってきて良いわよ。闇ちゃんもどうかしら?」

「....そうですね、少しお静と同行しようと思います。」

「あ、待って闇ちゃん!ごめんミカド、私あの子達と一緒に行ってくるわ。」

 

そう言い残して3人は食べ物が並んでいる屋台の方へと進んでいった。それを見て御門さんはクスッと笑った。

 

「ふふ、あの子達は気分が昂っちゃてたわね。」

「そうだね、けどせっかくの祭りだし楽しまないと損だよ。俺達も少し回ってみようか?」

「ええ、そうね。私もこう言うイベントに参加するのはなんだか久しぶりな気がするわ。」

 

そう言って俺と御門さんは手を繋いで進んでいった。僅かに感じるひんやりとした感触に胸を少し弾ませながらもグッと堪える。もう何度目かの手繋ぎなんだからそろそろ慣れないと.....

 

「よぉそこのカップルさんよ、良かったらウチのたこ焼き買っていかないかい?」

「....え、もしかして俺たちの事?」

「おうよ、丁度今出来立てのがあるんだ。今なら美味しく食べられるぜ?」

 

ふと視界の端から大きな男性の声が耳に入った。声のする方向に顔を向けると、厳つい顔をした男性と目が合ってたこ焼きを勧めてきた。どうやら本当に俺たちに向けた言葉だったらしい。

 

「たこ焼きか....俺は食べれるけど御門さんはどう?」

「ええ、私も食べる分には問題ないのだけど....」

「....?どうかした?」

「....貴方達、どこかで会った事ない?」

 

御門さんは屋台の人達に向かってそのような言葉を投げかけた。それを聞いてもしかして御門さんと顔馴染みなのだろうかと思ったが、男は笑い声を上げた。

 

「だぁっはははは!そりゃ無ぇよ、姉ちゃんみたいな美人さんが知り合いにいるんなら、俺は忘れるもんか。きっと勘違いだぜ。」

「だな、旦那は美人に目がないもんなぁ。即口説いて玉砕するのが日常茶飯事な男ですぜ!」

「んだとゴラァ!」

「....そのようね、ごめんなさい。私の勘違いだったみたい。」

「.....とりあえずお金出しておきますね。」

 

俺はそう言いながら屋台の人達へたこ焼きの代金を出した。そして袋に入れられたタコ焼きを受け取る。

 

「はいよどうぞ、ソースとマヨネーズをちと多めに入れたから味わってくれよな!」

「あ、ありがとうございます。」

「さっきは本当にごめんなさいね、少し知り合いに似てたもので....」

「良いってことよ、こんな美人な姉ちゃんと話せたんだ。寧ろ心身共に保養になったものよ。祭り、楽しんでいってな!」

「ええ、それでは....」

 

そして俺たちはその場を後にした。俺と御門さんは少し離れた場所に座り、たこ焼きを食べることにした。実際味は確かなもので、美味しく食べることができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、たこ焼き屋では。

 

「....行ったか。」

「みたいですね。はぁ....一瞬疑われた時はヒヤッとしましたよ。」

「全くだ....おい、誰か代わってくれ。少し休憩する。」

「あ、了解です。」

 

たこ焼きの店主らしき男は部下の男と場所を変え、客の見えない場所へと座り込む。そして顔に手を掛ける。すると.....

 

「ふぅ.....ドクターミカドの勘も鋭い。この地球人に化ける高性能の覆面がなければバレてたかもしれないな。」

 

なんとこの男、覆面をかぶっていたのだ。男の正体は、かつて御門を自身の組織であるソルゲムへと誘い込もうとしたケイズとその仲間達だったのだ。

 

「金色の闇が離れたことが幸いですね、彼女がいたら....」

「そうだな、どのみち我々にはもう力はない。俺達は組織から弾かれ、そしてソルゲムも気が付けば潰れていた。今はこうやって日銭を稼ぐのに手一杯だ。」

 

ケイズはそう呟きながら水を口に運ぶ。かつて御門を脅していたような威圧感は無く、荒事を企てているような雰囲気もない。荒事からもう身を引いたのだろう。

 

「しかしドクターミカドに男が出来ていたのは意外でしたね。上玉ではあるのですが、医学の事以外には殆ど興味なさそうな女でしたが....」

「しかもあいては地球人か....デビルークのプリンセスといい、最近は地球人と関係を持つのが主流なのか?」

「いや流石にそれは無いかと....あの2人が例外なのだと思いますよ?」

「それもそうか....良しお前達、気合い入れて商品を売りまくるぞ!」

 

ケイズは覆面を被り直し、部下達に向かってそう声を張りながら再びたこ焼きを作る作業へと戻った。そして.....

 

(....何やってるんですかね、あの人達。まあ、何か危害を加える様子もなさそうですし、別に良いですか。)

「闇ちゃん、次はあそこに行きましょう!」

「はい、わかりました。」

 

少し離れた場所にいた闇がその様子を見つめていた。そして案の定、彼女には彼らの正体があっさりと看破されていたことは本人達の知る由もないのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして龍弥達は.....

 

「ふぅ、美味しかった。」

「ごちそうさま、お祭りのたこ焼きって美味しく感じるわよね。」

「そうだよね、やっぱ祭りの雰囲気でそう感じやすくなるのかな?」

「ふふ、そうかもしれないわね.....」

 

俺達は買ったたこ焼きを食べ終え、少しお喋りをしていた。そして話しつつ少し御門さんの浴衣姿を改めて見てみる。

全体的にピンク色で花柄の浴衣を着ており、そして普段とは違って清楚な雰囲気が強く感じた。そんな彼女を俺はより魅力的に感じていた。

 

「あら藤田さん、少し目つきがイヤらしいわね。」

「え、いや俺はそんな嫌らしい目的で見てたわけじゃなくて....」

「なんて、冗談よ。浴衣を着ることなんて滅多にないしね、ちゃんと見てもらえて嬉しいわ。けど....」

「え、どうしたの?」

「....貴方に、他の子達よりも一番綺麗だと言われたい、なんて思ってしまったわ。」

 

彼女にしては珍しく、顔を赤く染めながら、そして少々よく深い気がする言葉を発した。それを聞いて俺はどう答えるのか、躊躇う必要なんかどこにも無い。人目を気にせず俺は彼女と目を合わせながら口にする。

 

「誰よりも綺麗だ、御門さん。俺だけが独占したいと思うほどに。」

「.....えっ」

 

一瞬の静寂、そして見つめ合いながらお互い言葉を失っていた。そして祭り会場のザワつきが聞こえると、俺は自分が勢いで何を言ったのか自覚し、そして恥ずかしさが込み上がってきた。

 

(....何言ってるんだ俺!?こんな人前で口説くか普通?あり得ない、せめて人の少ない場所で言うべきだろうに.....)

 

あまりの愚かしさに自分を殴ってしまいそうになる。その前に御門さんに謝らないと、と思ったらその時だった。

 

「....ずるいわよ。」

「え、御門さん?」

「冗談のつもりだったのに.....そんな風に真っ直ぐと真面目な顔で言われるなんて.....予想外だったわ。」

 

御門さんは顔を真っ赤に、そして目線を逸らしながらそう言った。どうやら本当に俺がそんな言葉を言うなんて考えてなかったらしく、予想位上に良い意味で堪えていたらしい。




というわけで原作に出ていたケイズ達を出して見ました。ダークネスではソルゲムは壊滅されたらしいので、取り敢えずこの話ではケイズ達は足を洗ったという扱いにしてみました。
一応御門先生と面識のあるキャラなので、彼らからみたらこんな風に見えてたのかもなって思いながら書きました。
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