めちゃくちゃ可愛いのなんでだろうね、可愛いね(末期)
栞子「…スクールアイドルフェスティバル…か」
じっと…机の上に置かれていた資料が目に止まる。
栞子「…まさか、こんな形で関わることになるなんて…」
悔しそうな…寂しそうな表情で唇を噛み締める栞子。
その時、生徒会室にノック音が響いた。
栞子「はい、どうぞ」
歩夢「失礼します」
栞子「…上原さん?…何か言い忘れたことでも…?」
歩夢「栞子ちゃ……栞子さんにね、おめでとうって言い損ねちゃったから…」
その言葉に栞子は首を傾げた。
栞子「おめでとう、ですか…?…何に対しての…」
歩夢「今更だけど…学校説明会、無事に終わっておめでとう。
入学希望者も凄い人数が集まったって聞いたよ♪」
栞子「えっ……あっ、はい。
手助けしてくれたあなた方には感謝しています」
歩夢「それで、ね……さっきの話なんだけど…
スクールアイドルフェスティバルだけど…本当にいいイベントなんだよ?
スクールアイドルの学園祭って言われてて…」
話を全て聞く前に栞子が話を切り出した。
栞子「知っています」
歩夢「えっ?」
栞子「スクールアイドルフェスティバルこそ…
適性のないことにしがみつき続けた結果ですから…」
歩夢「…どういうこと???」
栞子「あのイベントは…スクールアイドルに挫折した私の姉が
…………………………………………………いえ、そんな話どうでもいいのです」
歩夢「どうでもいいって…栞子さんにとっては何か深い意味があるんじゃ…」
栞子「だから、本当にどうでもいいのです
スクールアイドルフェスティバルがいいイベントが、どうかも私には興味がありません」
歩夢「…そうは見えないよ?」
栞子「あなたにどう見えていようと関係ありません
私のことは放っておいてくれませんか?」
歩夢「放ってなんかおけないよ!」
栞子「なぜです?…ありがた迷惑なだけです」
歩夢「ありがた迷惑だったとしても、栞子さん
スクールアイドルフェスティバルのことになると…苦しそうなんだもん…峻くんも同じこと言ってたよ…?
放っておけないよ…」
栞子「私のことにかまけている暇はないと思いますよ?
あなたには、同好会の仲間たちとやるべきことがあるでしょう」
栞子「期日までに、スクールアイドルフェスティバルのボランティアを1000人集めること
学園でスクールアイドルフェスティバルを開きたいならこの条件は絶対ですから」
栞子「1人でも欠ければ…スクールアイドルフェスティバル自体無くなるのですよ?」
歩夢「もちろん、分かってるよ」
栞子「分かってません
私の経験上、個人のボランティア運営というものは…非常にあやふやな信頼関係の上に成り立っているのです」
栞子「1000人集めると決めたからと言って
ポンと集まるものではありませんよ
限りなく不可能に近い事だと私は思いますよ」
歩夢「…栞子さんの考えはわかった…だけど、私はそうは思わない
それを証明するためにも…峻くんと…みんなと一緒に…ちゃんと、集めてみせるね」
ニコッと笑いながら歩夢は、真っ直ぐ栞子を見つめた。
歩夢「スクールアイドルフェスティバルは…私たちの…峻くんの…ニジガクのみんなの夢だから、絶対に叶えてみせる」
栞子「そのみんな…の中に…私は含ませれません
私は…そんな夢なんて見ない…」
歩夢「…そう、かな……少なくとも…峻くんは、そんな風に思ってないと思うよ?
…だって、峻くん言ってたよ?…栞子さんはスクールアイドルの事が好きだって」
栞子「別に、好きなんかじゃ…」
歩夢「ふふっ、峻くんなら嘘って答えるね♪」
栞子「…なぜ私が嘘をつく必要があるんですか?」
歩夢「だって嫌いな人が、あんな風に一生懸命練習できるわけないもん」
栞子「それはっ……!
…そういう取引だったからです…そうでなければ誰が…」
歩夢「ふふっ、じゃあ…そういうことにしておくね♪」
栞子「これから先も…私の主張が変わることはありません」
歩夢「栞子ちゃ……あっ、え、えっと…っ…栞子さんの主張がどうでも
私は栞子さんが優しい人だって分かってるから」
栞子「と、突然何を…っ…意味がわかりません…」
歩夢「だって、教えてくれたんでしょ?
イベントするんだったら1000人って必要な人数なんだよね?
それをわかってて…集めるようにいってくれたんだよね?」
栞子「…違います。そういうわけでは!」
歩夢「うん、じゃあ…そういうことにしておくね
でも、楽しみにしててね…絶対に必ず1000人集めてみせるから」
栞子「全く…上原さんも意外と見かけによらず…頑固ですね…」
歩夢「えへへっ、栞子ちゃ……栞子さんも一緒でしょ?」
栞子「…あの、先程から思ってたのですが…私は誰になんと呼ばれても気にしません」
栞子「しお子、しおってぃー、鬼の生徒会長、冷血漢…色々な名前で呼ばれてます
ですので、あなたもお好きに呼べばいいのでは?」
歩夢「…俺の女?」
栞子「なっ、なぜっ…峻さんの言い方が出てくるんですかっ!!!///」
歩夢「ふふっ、その呼ばれ方は慣れてないみたいだね♪」
栞子「全く…頑固な上に…意地悪な部分があるのですね、上原さんには…」
歩夢「気にしてたなら、ごめんね?」
栞子「…あ、あくまで…呼びやすい名で呼んでくださっていいのですよ」
歩夢「ふふっ、じゃあそうするねっ、栞子ちゃんっ!♪」
「おーい、歩夢~…って、ここにいたのか…」
歩夢「あっ、峻くんっ!♪」
栞子「…………………」
歩夢「じゃあ、またねっ!栞子ちゃん!」
そういうと、歩夢は峻の傍に駆け寄り…生徒会室をあとにした。
「栞子ちゃんって呼ぶことにしたのか?」
歩夢「うんっ、呼んでもいいって言われたから♪」
「そっか、嬉しそうだな歩夢」
歩夢「うんっ♪」
そんな会話を耳にした栞子は1人ため息をつく。
栞子「………ふう」
栞子「スクールアイドルに夢中になってる人は…なぜ皆あんな感じなのでしょうか…
訳が分かりません」
栞子「…だけど…」
資料を手に取る栞子。
栞子「本当に理解できないのは…私自身…ですね
…あのイベントを…無くしたいはず…
勝手に復活するくらいなら…自らの手できちんと…終わらせてあげたい………なのに、なぜ…あんな条件を提示してしまったのか…」
【無駄だけど無駄じゃない事がたくさんあるのがスクールアイドル…なのかもしれないな】
栞子「……………あっ………………」
それもこれも……峻さんの…為…?
栞子「私は…一体…」
栞子「峻さんの思いや…姉さんが残したもの…って…」
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