NEXT Rainbow!!   作:A×K(アツシくん)

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我慢できなくて書きました。
峻と歩夢の思いがぶつかる…。


第112話

穂乃果と千歌と話した次の日。

今日も空は雲が広がっていた……が。

 

「…雨か…」

電話をしつつ、ちらっと外を見ると雨が降り始めていた。

次の瞬間、空が光り…どこかに雷が落ちた。

 

 

「…………っ…!」

逃げるように視線を元に戻す。

嫌な汗が額から流れているような気がした。

それに反応するかのように…数コール鳴るが…電話は繋がらなかった。

 

「…くそっ……次か…」

栞子「…あの、少しいいですか」

 

「栞子?……今、忙しいから後ででいいか?」

栞子「…お時間は…取らせませんから」

 

その一言に俺は構わずに電話をしようとしたが…何度か耳に携帯を当てようかという素振りをした後…複雑そうな顔で栞子に言い放った。

「…手短にな」

 

栞子「では、来てください…今日お話があるのは…私ではなく上原さんです」

「…歩夢が?…なんで?」

 

栞子「それは、これから…分かりますよ…中で上原さんが待ってますよ」

 

 

 

生徒会室の中に…歩夢は居た。

嬉しそうな顔をしながらニコッと微笑んだ。

 

歩夢「何だか…久しぶりだね…元気にしてた?」

「…あぁ…歩夢がこんな誘い方するなんて珍しいな…今日は…どうしたんだ?」

歩夢「…最近、朝も放課後も部活に来ないから…栞子ちゃんに協力してもらって…峻くんと話す時間を作ってもらったの」

 

「…同好会に顔を出せないのはすまないと思っている

その連絡すらしてないことに関しては…本当にごめん

だけど…今は有事なんだ…時間が惜しい…分かってくれ…」

歩夢「…無理…してない?…体を壊したら…無意味なんだよ…?

同好会のみんなも…心配、してるよ…?」

 

「…安心して、そんなにヤワじゃない

スクールアイドルフェスティバルが開催…いや、終わるまでは…歯食いしばって頑張るから…安心して」

歩夢「安心なんか出来ないよ…っ…峻くんだって休まなきゃ……もっと…私たちを頼ってよ…」

「何言ってんの…スクールアイドルフェスティバルに向けて…練習を続けないと…本番でミスしたりスタミナ切れたりしたらそれこそ無意味なんだよ…?

その為に今の時間を使って欲しいんだよ…こっちは」

 

 

歩夢「も、もちろん…練習はちゃんとやってるよ…!

μ'sやAqours…Saint Snowのみんなと同じステージに立つんだもん…恥ずかしくない…峻くんのためにも、完璧なパフォーマンスをしなきゃって…思ってる……だけどっ…!

今は…ボランティア集めが先、でしょ?

…峻くんばっかりに…任せきりにしたくない、私たちも手伝いたい!」

「…………………………………………」

 

 

歩夢「…私たち…同好会の仲間…でしょ?…力を合わせようよ…」

「…ありがとう…歩夢の気持ちはよく分かった」

歩夢「なら…っ!」

「でも、ボランティア集めがこんなことになったのは俺の体たらくが原因だ…自分の責任は自分で取る

これは俺がやらなきゃいけない事だ……

そのせいで…同好会のみんなに迷惑かけてるのは重々承知してる

でも、これはみんなの為に必要な事だから」

 

歩夢「……みんなの…ため…?」

「…あぁ」

歩夢「…本当に…みんなのためって思ってるなら…部室でも、電話…出来るんじゃないかな…

みんなだって…顔出してくれた方が…嬉しいに決まってるよ…?」

「………………………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

確かに、言われればその通りだ。

何も学園内を歩き回って電話する必要なんかない。

でも…なんで………それを頑なに認めたくない自分がいるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…もちろん…俺もそうしたい…だけど、やるべき事をやらないと…スクールアイドルフェスティバルがダメになる…それだけは…避けたいから1人になりたいんだ…」

必死に出た言葉……何言ってんだろ…と思う自分が居た。

 

 

 

歩夢「ダメになっちゃうのが…そんなにダメ?

こんな風に…峻くんがボロボロになってまで…成功しなくちゃいけないの?

諦めたって…」

 

 

────────諦める?

その言葉に俺は妙に傷ついたような気がした。

 

「…諦めるって何…諦めることなんて絶対にしない!!

そんなに弱い気持ちじゃ、何とかなるものもどうにもならなくなる!!」

歩夢「そうだけど…っ…!

スクールアイドルフェスティバルって…そんなに大事なのっ!?

峻くん、約束したよね…っ…

同好会が認められた時…どんな事があっても味方…全力で応援するって…!」

「……っ………でも、みんな楽しみにしてるんだよ!?

スクールアイドルフェスティバルを!同好会のライブを!!!

俺は無理してまで叶えたいんだよ!!みんなの夢を!!!」

 

 

歩夢「…それは…私も分かるよ…」

「だったらなんで…!!」

歩夢「分かるけど…''気持ちがついていかないよ!''」

「…………………えっ…」

 

 

 

【気持ちがついていかない】…その言葉に俺の頭は考えることをやめた。

それと同時に…沸き立つ感情が…抑えようと必死に抵抗していたが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────決壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歩夢「私がわがままなのかもしれない…ううん、わがままなんだと思う…

あなたの言ってることは正しいよ…ここまで来て…中止なんてあんまりだし…ありえないよね…それくらい、私だってわかるよ…」

 

…歩夢が何を言ってるのか分からない。

頭が真っ白になっていた。

 

歩夢「今…寂しくて仕方ないの…」

「…歩夢…」

ダメだ…抑えろ…俺…っ。

 

歩夢「みんなだって同じだよ…っ

峻くんが居ないと…寂しくて…部室が静かで…物足りないって…」

分かってる…そんなことくらい…俺だって…っ!

 

唇を噛み締めていると…生徒会室に電話が鳴り響いた。

「…っ…昨日電話した学校から…っ!

ボランティア参加の件で折り返してくれたんだ…

悪い、席を外────────」

現実に戻された俺は急いで電話に出ようとした。

こんな所でうつつを抜かす訳にはいかない────────。

 

 

 

歩夢「ま、待って!これだけ渡させて…!」

「…えっ?」

歩夢「これっ…峻くんへのプレゼント!

日頃の感謝を込めて…栞子ちゃんと一緒に選んだの

最初のページに…同好会みんなからのメッセージが載ってて…!

電話が終わったらでいいから…プレゼント持って…部室に行こうよ…!」

 

「…悪い、こっちに集中させてくれ」

いつもより低い声で歩夢に伝えたあと、俺は電話に出ようとした。

 

歩夢「…でも…」

タップしようとした直前…電話が切れた。

 

歩夢「…あっ…ご、ごめん…電話…切れちゃったね…」

「急いで掛け直す、後にしてくれ」

歩夢「ま、待って!このプレゼントだけ受け取って!お願いだから!」

 

そう言って歩夢はノートと一緒にこちらに体を密着させてきた。

頭に血が上ってた俺は…歩夢の体とノートを…咄嗟に振り払ってしまった。

 

 

「…こっちが大事っつってんだろ…幼馴染なら…

それくらい分かれよ!!」

ノートが落ちた瞬間に自分がしたことを目の当たりにして冷静になった。

 

 

 

「…っ」

歩夢「…わかんないよ…」

「…歩夢」

 

外の雨音がより一層強くなり…雷の音も近づいてきた。

そして…歩夢の声が生徒会室に響いた。

 

歩夢「峻くんのこと…何にも分かんないよ!!

峻くんだって…私の気持ち全然分かってくれないじゃない!!」

「…っ…!」

 

歩夢「私は…っ…みんなの夢とか…どうでもいいの!!

ただ、峻くんと…っ…峻くんと一緒に部活がしたかったから…!!

峻くんに誘われたから…スクールアイドルを始めたの!!!

それなのに…峻くんは今、全然私たちのことを見てくれてない!!

今の同好会がどうなってるかも知らないじゃない!!

…そんな峻くん…大っ嫌い!!!」

 

 

 

 

 

 

そう言って歩夢は泣きながら走り去った。

…ただ、俺は呆然と立ち尽くしていた。

 

「…は、はは…っ…なんで、分かってくれないんだよ…

みんなの夢は…スクールアイドルは…歩夢にとって…俺はそんなもんだったのかよ…!!」

頭の中がぐちゃぐちゃになっていた俺は魂が抜けたかのように笑うしかなかった。

 

栞子「…あの、私が口を挟むことでは無いと思いますが…

上原さんにあそこまで言わせたのは…峻さん、貴方ですよ」

「…何が言いたい…栞子」

栞子「彼女の顔…ちゃんと見てましたか?」

「……………………」

 

 

栞子「上原さんが…どんな顔してたか…よく思い出してください」

「………………………………………………」

 

 

 

 

失意の中…俺はただただどうすることも出来ないまま…立ち尽くすことしか出来なかった。




…あれ、書いてたら涙が…


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