(…あれ…)
目を開けると真っ白な世界に居た。
…確か…俺…あぁ、栞子からの差し入れ食べて…シャワー浴びて寝ちゃったのか…。
【そーゆー所は冷静に考えられるのにな~…】
「…誰だ?」
悠【おっす、久しぶり】
「…悠…」
悠【悠って…お前も悠だろ…】
「…そうだった」
悠【意気消沈って感じだな~…らしくないぞ?】
「…って言われても…」
悠【あのな、確かに自分の思うように行動しろとは言ったけど…なんか視野が狭まっていないか?】
「…そんな、こと…」
悠【いーや、あるよ…現に…同好会…だっけ?
信頼もしてないし…1人で背負い込むなや】
「…じ、自分だってそうだったじゃんかよ!」
悠【…ん】
そう言って悠は自分の手首を見せてきた。
「…あっ」
悠【これが仲間を信用してる証拠】
手首には…リストバンドが嵌められていた。
「……」
悠【…また千歌のやつ…綺麗に洗って付け直してくれて…
…お前も貰ったんだろ、同好会のメンバーから大事なもの】
「…貰ってない」
悠【…言い方を変えれば、貰うのを拒んだ…か
1人で全部どうにかしようと思って張り切るのは結構…だが
お前にも俺にも…周りには大事な仲間が居るんだ、そこだけは分かってあげろよ】
「……」
悠【…ま、見栄を張るのが男…なのかもな】
「…まだ…」
悠【ん?】
「まだ…間に合うかな?」
悠【あぁ、全然間に合うさ…だから、いつも通り…な?】
「…分かった」
悠【ん…じゃあ、そろそろ現実世界にでも戻ろうか】
そう言うと辺りが眩しく光り…俺は静かに目を開けた。
「…ホント、変な夢…」
ポツリと呟いた俺…時計を見ると時刻は8時半。
「…俺が俺に説教されるとか…ぷっ…変なの…」
普通に誰かに話したところで到底信じて貰えないような話だろう。
「…俺らしく…でも、仲間を信じて…か」
難しい事じゃないのに…なんで分かんなかったんだろう…。
「…それだけ…追い詰められてたってこと…か」
────情けない。
と、思ったが…そう考えるのもこれで最後にした。
「…まずは…謝ろう、みんなに…」
頭を冷やすために、俺はベランダに出た。
────────────────────────
歩夢&峻「………あっ」
隣のベランダには既に先客が居た。
服装を見るからに…お風呂あがり、と言った所か。
「…………………………」
歩夢「……………………………」
しかし、どちらも話を切り出せずに…そのまま空を見上げるしか無かった。
────────────────────────
【歩夢 視点】
峻くん…まだ、怒ってるかな…。
話したいのに…なんで、こんなに緊張しちゃうの…。
言わなきゃ…ちゃんと…っ。
ガラガラ…ピシャッ。
「…あっ…」
部屋に…戻っちゃった…。
「……そう、だよね…まだ…怒ってる…よね…」
心が痛むのか…私はベランダの手すりに顔を伏せた。
「…もう、峻くんは…私のこと…」
その時、またベランダの窓が開く音がした。
──────────────────────────
【峻 視点】
「……ほら」
俺は歩夢の体にパーカーを渡した。
歩夢「えっ……?
…い、いいよ、こんな…っ…!」
「ダメ……それに…歩夢に風邪ひいて欲しくないから…」
恥ずかしいのか俺は頬を掻きながら視線を外す。
歩夢「…ほん、とに、っ…ばかっ…!」
「…泣くなよ」
歩夢「ばかっ…ばかぁっ…!」
「…ごめん、俺…ほんとにどうかしてた」
歩夢「…っ……う、ううっ…!」
「…こっちに…来てくれるか?」
歩夢「…私だって…行きたかった、もんっ…!
ホントに嫌いになんて…なれないよ…っ!」
感極まった歩夢はベランダを去り…急いでこちらの部屋に来た。
歩夢「峻くん…っ!!」
泣きじゃくったまま…歩夢は俺の胸に飛び込んできた。
歩夢「私…っ…峻くんに、酷いこと…言っちゃった…っ…!」
「…それを言ったら…俺だって…手を振りほどいた時…痛くなかったか?」
歩夢「…痛く、ない…けどっ…ずっとずっと…心が痛くて…っ…寂しくって…っ…!
もう、峻くんと…離ればなれになるって思うと…悲しくって…!!」
…俺はただただ…歩夢を抱きしめた。
この数日…彼女には辛い思いをさせてしまった。
こんなことで、傷を癒せるか…分からないけど…。
「…歩夢」
歩夢「峻…くん…///」
そのまま…どちらからともなく…俺と歩夢は唇を合わせた。
歩夢「…やっぱり…好き、なの…峻くんの事…///」
「…歩夢…」
歩夢「…今日は…離さないで…///
峻くんの…傍に…いたいの…///」
「…あぁ、分かった…俺も…人肌恋しいや…」
そう言って歩夢の頭を撫でた。
歩夢「峻くんの手…なんだか懐かしいや…///」
「…歩夢の匂いも…なんか懐かしいや」
歩夢「えへへ、気がついたら…いつも通りになってるね…♪///」
「…だな」
歩夢「…明日…」
「うん、一緒のこと考えてると思う」
歩夢&峻「謝りに行こっか(♪)」
月夜の下俺と歩夢は同じことを言って同じように笑いあった。
雨降ってなんとやら…
結局この2人は仲良しが似合うんです!
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