【3日後の部室】
「…足りない、か…」
パソコンの画面を見て…俺は顔を曇らせた。
エマ「ごめんね…役に立てなくて…」
「謝らないで…みんなの協力はほんとに心強かったよ」
エマの頭を撫でながら…俺は部室を見渡した。
「…歩夢…は?」
せつ菜「先程までいましたが…状況を察して…生徒会室に行ったかと…」
「…そうか、か…」
かすみ「………っ…」
しずく「かすみさん…泣かないでください…」
「…」
俺は静かにかすみを抱きしめた。
「…よく頑張ってくれた…みんな
でも、俺は絶対スクールアイドルフェスティバルを…いつか、開催させる…だから…今回は…」
そう、俺と同好会のメンバーで…今回は''諦める''と言う話で結論付いた。
…栞子が言うように…学生が1000人ものボランティアを集めること自体が…無謀、だったのだろうか…。
…認めたくは…無かったが…。
「…生徒会室に…行こう」
その言葉の後…ゆっくり俺たちは部室を出た。
────────────────────────
【時同じくして】
栞子「…配信の用意、完了しましたよ」
歩夢「何から何までごめんね、栞子ちゃん」
栞子「気にしないでください、生徒のために尽力するのが生徒会室の仕事ですから」
歩夢「うん…今の私の気持ち…精一杯伝えるね!」
栞子「はい、時間はこちらで指でお伝えするので…15分でお願いします」
歩夢「うんっ…私…伝えるよ…スクールアイドルフェスティバルのことも…峻くんの事も!
峻くんの頑張りを…皆に伝えたい!♪」
栞子「貴方ならきっとうまく伝えることが出来ますよ
…では、カメラを回します…いいですか?」
歩夢「うんっ!♪」
カメラが向けられる直前…歩夢は深呼吸し…一言…呟いた。
歩夢「…峻くん…」
栞子からOKサインが出た。
歩夢「皆さん、こんにちは
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の上原歩夢です
…今日は…私の気持ちを伝えたくて生配信を開催しました」
栞子「……」
歩夢「私、ずっと…やりたい事とか夢とか持ってませんでした
それでも、毎日…友達と遊んだり、お菓子を作ったり…編み物したり…普通に楽しかったです。
そんな自分に…不満があった訳ではありません」
栞子(上原さん…)
歩夢「けど、スクールアイドルを始めて…一緒に活動する仲間が出来て…毎日が本当に楽しくて充実した特別な日々になりました
もちろん、それまでの高校生活もそれなりに満足でしたが…スクールアイドルと出会って…胸を張って、充実してると言えます!」
歩夢「私をスクールアイドルに誘ってくれたのは…大好きな幼馴染みのほんの些細な一言でした」
歩夢「誰よりもスクールアイドルのことを大事に思ってて…スクールアイドルが大好きで…
いつも私たちの事を応援してくれる私の、大切な大切な幼馴染です」
歩夢「…今思うと…誘われた時は…軽い気持ちで…今いる同好会のメンバーの熱意に比べたら…無かったと思います」
歩夢「でも…大好きなあの子が…嬉しそうにアドバイスをしてくれたり…笑ったりしてくれる姿が…私は大好きで…私は、またその笑顔が見たいなって…頑張って…」
歩夢「気がついたら…練習が…楽しくって…仕方なくなってしまいました
その成果を…ライブで見せて楽しいって言ってもらえて…本当に幸せでした」
栞子(…やはり、峻さんのこと…心から信頼してるのですね)
歩夢「…でも…私は…そんな大好きなあの子と…喧嘩をしてしまいました
…本当に…些細な事で…私も…あの子も…感情的になって…
心にもない事を言ってしまったり…スクールアイドルなんか好きじゃない…やりたくてやってる訳じゃないって…」
歩夢「…でも…やっぱりあの子の事を嫌いになったり…スクールアイドルの事を辞めたりなんか…私は出来なかった
そう考える度に…心が寂しくなって…苦しくなって…」
歩夢「私は…スクールアイドルが大好きなんです!
そして…あの子と見た…大きな夢を…叶えたい!
スクールアイドルフェスティバルを絶対に…開催したい!」
歩夢「スクールアイドル同好会のみんなも…あの子も…みんな頑張って、開催に向けて…頑張ってます!
来てくれた人に喜んでもらえるように…みんなでアイディアを出し合って…」
歩夢「中でも…あの子は…スクールアイドルではないですが…いつでも真面目で…ずっと…寝る間も惜しんでスクールアイドルと向き合って…」
歩夢「スクールアイドルフェスティバルは…参加してくれたみんなを笑顔にしてくれる場所なんです!
…私は、みんなと一緒にスクールアイドルフェスティバルに出たいです!
ニジガクの皆や、Aqoursの皆…μ'sの皆や…Saint Snowの2人とも…
そして、世界中のスクールアイドルが大好きなみんなと!」
栞子(…同好会のみんな…か…)
歩夢「スクールアイドルフェスティバルは…私の夢です!
だから…一緒に叶えてくれませんか…っ?
みんなの夢、私にも一緒に叶えさせてください!…お願いします!」
歩夢「…私の想いを…精一杯伝えたいと思います!
…自分で…今の気持ちを歌詞に込めました…聞いてください──」
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【歩夢が生配信を初めてしばらくした時】
「…なんか、騒がしいな?」
彼方「みんな…どこかに向かっている?」
果林「…ねぇ、そこの貴方…どこにいくのかしら?」
【えっ!?スクールアイドル同好会の皆なら知っているかと思ったけど…】
「…俺らに関係があることなのか?」
【同好会の歩夢ちゃんが講堂で生配信やってるんだって!】
そういうと女生徒はそのまま講堂に向かっていった。
「…歩夢が、生配信?」
エマ「…ねぇ、峻くん」
愛「行ってみようよ、部長♪」
璃奈「私も……その方がいい気がする…」
「…みんな、講堂に行こう!」
生徒会室に行く足を…講堂に切り替えたのだ。
【講堂】
「歩夢…!」
講堂のステージには歩夢が立っていた。
…栞子がカメラを回していた。
「…栞子…」
栞子「…………………」
俺らの存在に気がついたのか会釈をする栞子。
…事情は…この後、聞こう…。
歩夢「聞いてください───── Say Good-Bye 涙」
「…………えっ」
初めて聞く曲の名前…。
一体…いつ、どこで…っ。
────────────────────────
歩夢「…とってもワクワクする…一生の思い出になる…トキメキいっぱいのイベント…みんなで楽しみましょう…!」
「…歩夢!」
俺は生配信ということを忘れて歩夢の元に駆け寄った。
「…歩夢…お前…っ」
歩夢「…私も…ボランティア集めをしたかった…けど…私には…これくらいのやり方しか…出来なかったから」
「…バカ…やっぱりお前は最高だよ…」
歩夢「…あっ…///」
抱きしめると…歩夢は俺の腕の中に収まった。
歩夢「しゅ、峻くん…っ!
これ、生配信だからっ…!///」
「…あっ…!」
愛「へっへっへ~…イチャイチャしてる部長と歩夢のシーンが収められちゃったね~♪」
かすみ「かすみんだって、峻先輩とイチャイチャしたいですー!」
せつ菜「ま、待ってください!抜け駆けはズルいですよー!」
クスッと微笑んで撮影終了のボタンを押す栞子。
栞子(…どうやら…効果は覿面…と言ったところでしょうか…)
チラッと配信画面を見た栞子…。
閲覧者数は…1万人を越えていた。
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